【芸術系コース】
 

後 藤   丹(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
例年とほぼ同様。
【観点2】教育の達成状況
例年とほぼ同様。
研究指導
【観点1】学部
基礎的な作曲理論の教授。
【観点2】大学院
基本的な音楽理論の指導を主軸におこなった。
特色ある点及び今後の検討課題等
それぞれの学生の個性,進度に合った指導を心がけている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年3月:『無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード』(単著) 全音楽譜出版社
(2)平成25年3月:『乾杯の歌』(単著) 全音楽譜出版社
作】(1)平成24年10月:歌曲集『スーパーマンその他大勢』 越の風2012 スペースY
学会活動への参加状況
(1)平成24年6月23日〜平成24年6月24日:日本音楽表現学会第10回大会出席
   (2)平成24年度日本音楽表現学会理事
◎特色・強調点等
平成24年10月〜25年3月までサバティカル制度により,オーストリアのウィーンに滞在。
   国立ウィーン芸術大学等で研修を行う。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:新潟県音楽コンクール審査員(新潟日報社)
(2)教員免許状更新講習会講師
◎社会への寄与等
平成25年3月,胎内市黒川小学校での校歌指導
 

時 得 紀 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
附属小・中学校における実践的研究とかかわりながら,その成果を授業にも反映することを務めた。授業人数を極力少数とし,初等音楽科指導法では,グループに分けた形態をとることで,学生・院生へのきめ細やかな指導に配慮した。 成績評価に関しては,個々の学生・院生の能力に応じた対応を心がけ,毎回の授業後のコメントカードを活用し,個に対応した向上がはかられるように取り組んだ。
【観点2】教育の達成状況
大学院の修了生(特に現職派遣教員)においては,修了後も同じテーマにおいて継続的な研究を試みている例が見られる。筆者は,本学研究紀要に院生と共著をまとめて掲載した。これを機に修了生が論文や研究会を通じてその成果を発信し続けている。学部卒業生も,「音楽づくり」の領域を卒論にまとめた実績を現職として小学校音楽授業において実践成果をあげている。
研究指導
【観点1】学部
他教科・領域等とかかわる音楽学習を試みることで,子どもの創造性・関係力・課題解決力など多様な力を培うことをめざす授業の研究。具体的には,米国の「音楽づくり」の実践映像,カリキュラムをもとに,音・音楽と子どもの創作を促すための手立てを実践的に修得させた。
【観点2】大学院
音楽づくり(創作)の活動を取り入れた学校音楽のカリキュラム開発について。芸術教育カリキュラムを総括的・包括的に捉える米国の実践に示唆を得て,我が国における学校音楽の活路を探る実践の修得をめざした。具体的には,ドイツのオルフ・メソード,スイスのリトミックを応用した国内外の実践事例を提示しながら,カリキュラム構成や授業場面の映像などを手掛かりに模索させた。
その他の教育活動
・ 附属中学校ミュージカル発表会に向けた実践的指導
・ 附属中学校指導・助言者,3年生の実践に関わり,公開研究会への研究協力も行った。
・ ミュージカル上演は17年目の「学校伝統文化」と同校が位置付ける重要な行事である。2012年7月国際音楽教育学会(ギリシャ)では,同校との共同研究成果を発表,国際的にも高い評価を得た。
・ 生徒の制作過程や舞台上演には,学部・院生を伴って授業観察に努めた。
・ ストリートダンス部顧問
・ アカペラ・サークル顧問
・ MMS(モダンミュージックソサエティ)(軽音楽部)顧問
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年1月:『総合的な学習の時間と音楽科・ミュージカル制作に取り組む活動事例から」(第3部) 『最新 中等科音楽教育法 中学校・高等学校教員養成課程用』(共著) 音楽之友社
論】(1)平成24年7月:『Effectiveness of Integrated Study in Teacher Training: A Communicative Group Activity Involving Music, Culture and Physical Expression』(単著) ISME 2012 World Conference : Thessaloniki, Greece : Full Paper Proceedings of the 30th World Conference, pp.353-359.
(2)平成24年9月:『初等教員養成における音楽指導についての一考察 ―創造力と課題解決力を培う音楽づくりを中心に―』(単著) 日中教師教育学術研究集会 第5 回 北京大会誌, 北京師範大学 pp.268-278.
(3)平成24年9月:『Implementing Effective Early Childhood Education in Japan with Reference to the U.S. Case』(単著) KSECE : Proceedings of The 7th International Conference, Seoul Korea, pp.121-125.
(4)平成25年2月:『The Effectiveness of Integrating Music and Other Subjects on Students’ Development : The Music Education Situation in Australia and Finland and its Implications for Japan』(共著) 上越教育大学研究紀要 第32巻 pp.409-418.
業】(1)平成24年3月:『Effectiveness of Collaborative Learning in the Japanese Classroom:Integrated Study of Music with Other Arts』(共著) Practice and Research in Integrated Music Education,Vol.1, Chapter 1, pp.1-12.
発】(1)平成24年10月:『総合表現活動によって培われる多様な力 −「協働」と「省察」に着目して−』(共) 日本音楽教育学会第43回大会
(2)平成24年7月:『総合表現型カリキュラム開発と実践をめぐる考察 ―創造力・課題解決力等を培う創作活動を中心に―』(単) 日本カリキュラム学会 第23回大会
(3)平成24年7月:『Effectiveness of Integrated Study in Teacher Training: A Communicative Group Activity Involving Music, Culture and Physical Expression』(単) ISME 2012 World Conference : Thessaloniki, Greece
(4)平成24年9月:『初等教員養成における音楽指導についての一考察 ―創造力と課題解決力を培う音楽づくりを中心に―』(単) 日中教師教育学術研究集会第 5 回北京大会
(5)平成24年9月:『Implementing Effective Early Childhood Education in Japan with Reference to the U.S .Case』(単) KSECE (The Korean Society for Early Childhood Education)
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「協働型の表現活動の実践をめぐる考察 −保育士・教員養成課程の学生への意識調査をもとに培われる力に着目して− 」代表者:時得紀子(上越教育大学) 教員養成課程カリキュラム研究会
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)「言語活動を取り入れた活用型音楽学習の開発と評価−創作表現の日米授業比較をもとに−」代表者:時得紀子(上越教育大学) 科学研究費補助金 基盤研究(C)
(2)「A Practical Study of Integrated Arts Curriculum at Schools」代表者:Markus Cslovjecsek(University of Switzerland) Practice and Research in Integrated Music Education
(3)「The Effectiveness of Integrating Music and Other Subjects on Students’ Development : The Music Education Situation in Australia and Finland and its Implications for Japan」代表者:Noriko Tokie(Joetsu University of Education) Practice and Research in Integrated Music Education
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月26日〜平成24年5月27日:平成24年度日本教育大学協会全国音楽部門大学部会出席
外国における研究の状況
(1)平成24年4月1日〜平成25年3月31日:シンガポール (NIE),A Practical Study of Integrated Arts Curriculum at Schools
◎特色・強調点等
日米の小・中学校音楽科の授業比較をもとにした総合表現型カリキュラムの開発と評価 ・研究代表者を務める,下記の最新の科研費助成を受けた国際比較研究には,平成19〜27年度の3期連続9か年間に亘って継続して取り組む。
これらの科研研究成果は6年連続で,ISME (International Society for Music Education)国際大会Proceedings (査読付) に採択された。
*平成25―27年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) (研究代表者:時得紀子)『修士レベルにおける創作表現のための音楽科教員養成プログラムの日米共同開発と評価』
*平成22―24年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) (研究代表者:時得紀子)『言語活動を取り入れた活用型音楽学習の開発と評価−創作表現の日米授業比較をもとに−』
*平成19―21年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) (研究代表者:時得紀子)『小・中学校の総合表現型カリキュラムの開発と評価 -日米の研究先進校をモデルとして-』
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)11月〜1月:現職教員のためのダンス実践講座講師(上越市女性校長会)
(2)8月〜1月:音楽科特別講座講師(前期)(リトミック研究会)
(3)1月:音楽科特別講座講師(後期)(リトミック研究会)
(4)教員免許状更新講習「 音楽科の教材研究と指導法A」講師(上越教育大学)
◎社会への寄与等
上越音楽教育研究会理事上越音楽教育研究会は,上越,柏崎,糸魚川など,上越市近郊の地域の現職音楽教員を構成員として組織する50年以上続く研究会である。この研究会の理事として任命を受け,公立小・中学校公開研究会や,教員研修会の開催など,地域の音楽教育の推進に携わり支援した。
 

平 野 俊 介(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
ピアノの実技に関わる授業では,将来,音楽科教員,あるいは地域の中での音楽指導者としての役割を担う上で必要とされる実技力の育成に重点を置いている。様々なレヴェルの受講者に対して,個々の学生の実技力を発展させることができるような指導を心がけたいと考えている。成績に関しては,受講者の達成度に加え,日頃の授業時での課題に対する取組む姿勢と最終の発表試演会での成果を含めた総合的な評価を心がけている。
【観点2】教育の達成状況
本学の音楽科目群学生は,入学までの音楽経験にかなり個人差がある。卒業後,音楽教員として教育現場で実践力を発揮するには相応の実技力が求められる。楽器の演奏力の熟達には長年の修練が欠かせないが,入学時まで比較的音楽経験の少なかった者の実技力をいかに向上させることができるかが,指導の上で重要な課題である。全学生の音楽実技力の育成に関しては,必修「音楽」でのピアノ実習等を通して教員採用試験での音楽実技試験に対処できる素地作りとしての役割は果たしていると判断する。
研究指導
【観点1】学部
演奏表現では,技術力だけでなく表現に関わる様々な視点からの取り組みが,総合的な表現力を高めることにつながるように努めている。演奏は直接的には教育の臨床的な実践力と結びつかないと判断されがちであるが,ある音楽表現を達成するためには,上述のように様々な視点からの総合的な取り組みが必要で,このことは臨床の場でも応用して活かすことができると考え,指導を行っている。
【観点2】大学院
大学院では,学部での指導内容に加えて本人の自助努力により自らの力により自身が発展していける自己発展力の育成に努めたいと考えている。自身の力による課題解決力が,より高度な臨床的な実践力に結びつくと考え,研究指導を行っている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年2月:『ブラームスにおける変奏技法の原点を探って』(単著) 上越教育大学研究紀要 第32巻,419−428頁
作】(1)平成24年6月:『第53回新潟県合唱祭』で高田木曜会合唱団(指揮:上野正人)のピアノ伴奏を担当 糸魚川市民会館
(2)平成24年7月:『第42回上越市民合唱祭』で高田木曜会合唱団(指揮:上野正人)のピアノ伴奏を担当 上越文化会館
(3)平成24年8月:『うたの輪コンサート-「水のいのち」に魅せられて』で第3部「水のいのち」(指揮:上野正人)のピアノ伴奏を担当 上越文化会館主催
(4)平成24年12月:『高田木曜会合唱団 第59回定期演奏会』(指揮:上野正人)のピアノ伴奏を担当 リージョンプラザ上越コンサートホール
(5)平成24年6月:『第47回新潟県音楽コンクールピアノ部門審査員』 長岡リリックホール,新潟市音楽文化会館他
(6)平成24年11月:『第29回ピアノ・オーディション』日本ピアノ教育連盟主催の全国オーディションで新潟地区予選の小学生から大学生まで全6部門の審査を行った。ヤマハ新潟店
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)12月:第9回子どものためのアドヴァイスコンサートにて未就学時から高校生までの100名以上の演奏審査と講評を行った。(上越音楽文化振興会)
(2)12月:第5回新潟県ヤマハピアノコンクールの審査を行った。(新潟県ヤマハピアノコンクール実行委員会)
(3)12月:子どものためのアドヴァイス・コンサート出演者の中から希望者に対して公開レッスンを行った。(上越音楽文化振興会)
 

阿 部 亮太郎(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
いわゆる「研究業績」の範囲だけでの教育ではなく,実践の場面においてどのように力を発揮できているか,また状況を読み取ることができているかに相当の重きを置いて,学生の「受け取る力」「実践する力」の向上に貢献する活動を行っている。
【観点2】教育の達成状況
実践場面での対応の能力自体は向上しているが,他の指導項目などがあるなどの諸条件の中で,これが生かせるかどうかは別問題ではある。
研究指導
【観点1】学部
教科専門の授業に於いても,実践場面を想定した判断力と,選択の適格性を問う授業を行っている。
【観点2】大学院
知識の正確さ,技術の熟達だけでなく,連続する経験のレベルで自分の力が生かせているかの確認を行う姿勢を身につけさせる教育指導を行っている。
その他の教育活動
・ 管弦楽団の顧問として,楽器のメンテナンスの指導,ごく基本的な方向性のアドヴァイスを行っている。
特色ある点及び今後の検討課題等
「教員養成大学に於ける学生の実践場面での実践力の把握の問題点」をまとめ,教育大学協会(音楽)の地区大会で発表した。
またこの観点での考察を踏まえ,全国大会でも発言を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年8月:『半覚醒まつり・免疫系小銀河』 和光アゼリアホール
(2)平成24年10月:『寄せては返す・鳥曇り ピアノ版』 教育大学協会音楽部門北陸部会
(3)平成24年10月:『五月雨を聴く・辿り書き ピアノ版』 教育大学協会音楽部門北陸部会
(4)平成25年2月:『遠いさざめき・秋時雨』 大泉ゆめりあホール アンサンブル大泉演奏会
発】(1)平成24年6月:『三善晃の作品が体現する,絶えざる世界の転倒について −童声合唱とオーケストラのための《響紋》を中心に−』(単) 日本音楽表現学会全国大会
(2)平成24年10月:『教員養成大学に於ける学生の実践場面での実践力の把握の問題点と社会に於ける音楽への理解との関係についての考察』(単) 日本国立大学協会北陸地区部会音楽部門
(3)平成24年5月:『「作曲理論分野における,卒業時までに身につけさせたい力とは」 〜各大学の授業カリキュラム等をとおして考える〜』(共) 日本教育大学協会全国大会音楽部門
学会活動への参加状況
(1)平成24年6月23日〜平成24年6月24日:日本音楽表現学会出席
 

上 野 正 人(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教科専門として,実技面の能力,及び実践力の向上を目的として,可能な限り個人レッスンを主体とした授業を行った。また,個人授業が不可能な場合は,できるだけ自主的な学びにつながるよう学習法,指導法を織り交ぜながら指導を行った。
成績の評価は,授業の取り組み態度,及び出席,能力向上の度合いを勘案して,総合的に行った。
【観点2】教育の達成状況
ゼミ所属の学部卒業生1名,大学院修了生2名,のうち教員として本採用されたもの1名,1次試験を通過し,臨時教員として採用されたもの1名,一般企業兼臨時採用教員1名である。それぞれが,教職に就いていることなどから音楽での研究が生かされていると判断している。
研究指導
【観点1】学部
音楽教育における臨床的な実践力を習得させるために,私が専門とする歌唱領域に於いては,言葉と音楽の結びつきやそれを表現するための歌唱技量の向上を結びつけ,その両者が密接な関係にあることをしっかりと認識した上で,総合的な指導を行えるよう指導を行った。
【観点2】大学院
大学院に於いては,声楽作品の研究が演奏表現に結びつくように,言葉の韻律的観点からの詩の構造的な分析と,旋律の関係性について着目した指導を行った。
その他の教育活動
・ 附属中学校においては,音楽の教科指導者として助言を行った。また,わくわく大学ウィークでは,授業を開講し約100名の受講があった。
・ 上越教育大学混声合唱団においては,顧問として活動の助言を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
教育活動全般において,特に歌唱研究において詩の韻律的構造に着目した構造分析と旋律の関係性の研究を学生とともに深く行うことで,これまでよりもいっそう分析的な観点から歌唱指導方法の効果的な指導法について成果を上げた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成25年2月:『バッハアンサンブル富山第10回演奏会「J.S.バッハ ヨハネ受難曲」』 富山県民会館
(2)平成24年12月:『高田木曜会合唱団第59回定期演奏会』 リージョンプラザ上越コンサートホール
(3)平成25年3月:『けやきの森ジュニア合唱団演奏会』 妙高市文化ホール
(4)平成24年8月:『うたの輪コンサート「水のいのち」』 上越文化会館
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県音楽コンクール審査委員(新潟日報社)
(2)NHK学校音楽コンクール中越地区大会審査委員(中越音楽教育研究会)
(3)全日本合唱コンクール富山県大会審査員(全日本合唱連盟)
 

尾 崎 祐 司(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
前期週3コマ(AB,CD,免P)開講されている「初等音楽科指導法」のシラバス作成,実地講師との日程調整,お礼文書の送付,資料印刷,成績入力,TA・TSへの指示等の事務処理を殆どすべて担当している。
【観点2】教育の達成状況
教員採用試験の受験者8名のうち,私が面接対策等について指導した院生3名全員が正規採用(神奈川:学長推薦,千葉,新潟)された。学部生1名についても1次試験を通過(栃木県)している。
研究指導
【観点1】学部
音楽科は学習指導要領の改訂により指導原理に大きな変化があったことを研究の動機に明記するよう指導した。卒業論文の内容も実践研究とし,参観した授業から問題点を見出し教育実習等での検証という方法を取った。
【観点2】大学院
音楽科は学習指導要領の改訂により指導原理に大きな変化があったことを研究の動機に明記するよう指導した。学部生のときのスクールサポートボランティア活動をとおした体験から問題点を提起させ,参観した授業から解決につながるデータの抽出の方法を指導した。
その他の教育活動
・ 音楽コースの教育実習生の授業はすべて参観し映像資料として撮影してきている。実習終了後の本人への指導や翌年度の「場面分析演習」で学生の指導に活用している。
・ 課外活動顧問:上越アンサンブルクラブ 年2回の講堂による演奏会
・ 石川県ジュニアオーケストラでの中高校生へのホルンの指導
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年2月:『高等学校の音楽学習におけるJ-POPでの「教育内容」について―教科書掲載曲の歌詞に描かれる「憧憬」』(単著) 上越教育大学研究紀要第32巻 pp.363−373
(2)平成25年3月:『発達障害の「特性」に応じた歌唱指導―内部世界の知覚過程について―』(単著) 上越教育大学学校教育実践研究センター「教育実践研究」第23集 pp.1−6
作】(1)平成24年10月:『かなざわ“木の風”アンサンブル第19回定期演奏会』ホルン奏者(金沢市アートホール)
発】(1)平成24年10月:『インクルーシブ教育の充実に向けた授業構成の課題―小学校音楽科の授業のタイプについて―』(単) 日本学校音楽教育実践学会
(2)平成25年2月:『高等学校の音楽学習におけるJ-POPでの「教育内容」について―教科書掲載曲の歌詞に描かれる「憧憬」』(単) 日本音楽教育学会
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本学校音楽教育実践学会常任理事, (2)平成24年8月18日〜平成24年8月19日:日本学校音楽教育実践学会第17回全国大会出席, (3)平成24年10月7日〜平成24年10月8日:日本音楽教育学会第43回全国大会出席, (4)平成25年3月9日:日本音楽教育学会北陸地区例会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越音楽文化振興会主催の子供のためのアドヴァイスコンサートのアドヴァイザー
(2)平成25年3月:『石川県ジュニアオーケストラ第18回定期演奏会』演奏・指導(石川県立音楽堂)
 

玉 村   恭(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
今年度も,教育の中心に据えたのは,論理的に思考し,思考過程を文章化する能力の育成である。成績評価もこの観点から行ったが,「完成形」をいわば即物的に求めることはせず,思考し表現しようとするプロセスを大切にした。この観点から,講義,演習いずれの形態の授業であっても,学生に「試行錯誤」する時間と余地を与えることに意を用いた。より具体的には,@授業の中で「論点」の存在を明示し,知的な探求が発動するきっかけを作る,A浮上した「論点」に対する,学生一人一人のコメントを形にさせる(口頭で言わせる,もしくは文字に書かせる等),B示された思考のプロセスや論点に関するコメントに対し,第三者の立場から「批判」を加えることでさらなる探求を促す,の三点を重点的に実践した。
【観点2】教育の達成状況
上記取り組みの結果,学生は,事象の表面的な理解や受け身の知識の習得に留まらない,能動的な探求活動の意義について理解するようになってきたと感じている。とりわけ,そうした探求活動に「言語」ないし「理論」の果たす役割に意識が向くようになったことは,「実技」系コースに所属する学生にとって大きな進歩であると考える。大学院の指導学生一名が,教員採用試験に合格し小学校教員として採用されるとともに,修士論文での研究成果を学会で発表して評価を得た。
研究指導
【観点1】学部
前述のとおり,指導の中心に据えたのは,論理的に思考し,思考過程を文章化する能力の育成である。自ら問題を発見し,問題解決に向けて情報を集め,データを分析し,次にとるべき行動の計画を立てられるようにするために,学生自ら手と足と頭を働かせる課題を多く与えた。同時に,日本の伝統音楽や諸民族の音楽等,自ら習得することの難しい(それでいて身につけることがますます望まれている)知識や技能については,「出し惜しみ」せず積極的に情報・知見の披瀝に努めた。
【観点2】大学院
大学院学生には,さらに高い言語運用能力,論理的な思考の能力の習得が求められる。むろん,それを支える確固たる技能や知識も不可欠である。このことを踏まえ,基本的な知識・技能の習得はもちろんのこと,学生が自分からは手を出さないであろう高度な知見や学術情報(専門性の高い情報ソース等)へアクセスさせ,さらに,伝統音楽や諸民族の音楽に関して,目にすることの多い楽器や音楽実践については必ず自分の体で実践するよう促した。
その他の教育活動
・ 上越教育大学附属小学校2012年研究音楽科研究協力者
・ 初等教育実習でゼミ所属の学部生1名に対する事前・事後指導
・ 三弦筝曲部顧問
 
特色ある点及び今後の検討課題等
近年の我が国の文化的動向を鑑みると,伝統的に受け継がれてきた感性や価値観をベースにしつつ,それをいかに現代的なコンテクストの中で生かしていくかが,老若男女,貴賤都鄙の別を超えて問われているように思われる。この観点から,多様な価値観の中でいかに地に足の着いた考えを練り込んでいけるか,そのようなある意味で地道で愚直な,しかし堅実な人間性の可能性に着目していることが,本教育活動の特色ある点である。こうした取り組みは,即効性や機動性という点で目に見える実をにわかには結びにくいという側面があることは否定できない。どのように「成果」を定着させ広げていくかが今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年12月:『なぜ初心を忘れてはいけないのか』(単著) 『教育創造』,第172号,41-49頁
(2)平成25年2月:『≪六段≫はどのように区切られるのか――<稽古>の現象学II――』(単著) 『上越教育大学研究紀要』,第32号,395-407頁
発】(1)平成25年3月:☆日本音楽教育学会平成24年度北陸地区例会で提言(「能を教材化するための視点――≪羽衣≫を題材に」) 新潟大学駅南キャンパス「ときめいと」
他】(1)『教員個人ホームページおよび研究室ブログの作成・管理/教員および研究室の活動報告・案内,研究成果の公表・周知等』 http://www.juen.ac.jp/lab/tamamura/index.html,http://blog.goo.ne.jp/k_tamamura,http://www.juen.ac.jp/music/index.htm
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月12日〜平成24年5月13日:能楽学会第11回大会出席出席, (2)平成24年11月10日〜平成24年11月11日:東洋音楽学会第63回大会出席出席, (3)平成24年11月24日〜平成24年11月25日:日本音楽学会第63回大会出席出席, (4)平成24年12月8日〜平成24年12月9日:第24回日本ポピュラー音楽学会全国大会出席出席
◎特色・強調点等
本年度の研究成果はいずれも教育現場の問題意識に深く関わるものになっている。一方ではそれらを抽象的な次元で扱い,他方では教育現場で実践されることを念頭に置いた具体論をも展開した。今後も,こうした具体と抽象のバランスが研究を進めていくうえで重要になってくるであろう。また,他コース,他科目群の教員と連携をとりつつ,学問分野の別にとらわれない広い視点からの論点の抽出に意を用いるとともに,地域の文化施設の職員らとも連携をとり,地域の文化活動の活性化にも貢献することができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)7月:佐渡市「教育旅行等誘致事業」への協力(佐渡市観光商工課)
(2)新潟大学教育学部附属新潟中学校平成24年度音楽科授業研究「日本の伝統音楽を継承する授業」実施への協力(新潟大学教育学部附属新潟中学校)
(3)1月:高田ロータリークラブ例会で講話(「日本の伝統音楽の特質について――能を中心に」)(高田ロータリークラブ)
(4)9月:第26回新潟県高等学校総合文化祭日本音楽部門審査員(新潟県高等学校文化連盟)
(5)8月:教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(6)10月:能・狂言鑑賞教室 事前研修会講師(上越市教員日本音楽研究会)
(7)NPO法人佐渡芸能伝承機構との連携(NPO法人佐渡芸能伝承機構)
(8)7月:「和ーくしょっぷ 遊んでアート!2012・みて感動,演じてナットク 能に親しもう」企画・運営への協力(上越市)
◎社会への寄与等
各種文化活動に助言者や審査員等として協力することで,大学研究者としての専門的な知見を社会に還元し,また地域の文化的な課題の解決に助力した。こうした活動が地域の文化活動の活性化につながり,また,地域の活動に理解を持つ教員を育成することで,奥行きのある地域文化の創造の下地を作ることができた。各種事業の企画者からは,今後も継続して活動をしてほしい旨の打診を受けている。また,連携先も,地域の活動団体やNPOといった小規模組織から,佐渡市や上越市といった比較的大きな規模のものへとなりつつある。
 

長谷川 正 規(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
研究セミナーおよび指揮法においては,音楽の実践経験を積む目的で,外部の学校および一般の団体にて指導・演奏を行う機会を豊富に用意した。合奏関連授業においては,多様な学校現場に対応できるよう,様々な楽器・楽譜の取り扱いをより重視し,成績評価の際にも重点を置くこととした。
【観点2】教育の達成状況
研究室の卒業・修了生がおおむね希望する職場で働いていることから,良好な状況と判断している。なお,卒業・修了生には教材の提供など,引き続き支援を行なっているところである。
研究指導
【観点1】学部
3年次生1名,4年次生1名の計2名を担当した。演奏法においてはいずれも練習曲・独奏を取り上げ,発表の機会も設けた。
3年次生においては「演奏技術・読譜・表現等の基礎の習得」,4年次生においては「自ら積極的に表現すること」をテーマとした。
4年次生の論文指導においては,学生の過去の演奏および指導の経験を最大限に活かせるよう配慮した。
【観点2】大学院
免P2年次生1名を担当した。研究テーマである基礎奏法について,演奏・指導実践・文献研究と多角的なアプローチができるようにした。
独奏の分野においては,練習曲・独奏作品を多数取り上げ,次年度の演奏研究へ発展させられるようにした。
その他の教育活動
・ 教育実習においては授業実施の前に指導案や教材の再検討を行い,より実習が充実するように尽力した。
・ 吹奏楽団の顧問として,演奏会へ出演するほか,地域からの演奏依頼への対応,演奏家の招聘等も行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
教員採用試験のための支援をさらに積極的に行いたい。面接,教科専門,実技の支援はこれまでも行なってきたが,一般教養や小論文への対策を充実させることとする。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年6月:『北区フィルハーモニー管弦楽団第1回定期演奏会』 新潟市北区文化会館
(2)平成24年9月:『上越交響楽団第69回定期演奏会』 上越文化会館
(3)平成24年9月:『クラシックの雫2012第2回 華麗なるブラスワールド』 富山市民プラザアンサンブルホール
(4)平成24年10月:『Brass Collection 6』 新川文化ホール小ホール
(5)平成24年10月:『上越市民吹奏楽団第28回定期演奏会』 上越文化会館
(6)平成24年11月:『新潟市北区文化会館開館記念北区オリジナルミュージカル「春のホタル」』 新潟市北区文化会館
(7)平成24年12月:『ハセガワキネンオーケストラフェスティバル2012』 アクトシティ浜松中ホール
(8)平成25年3月:『上越交響楽団第70回定期演奏会』 上越文化会館
学会活動への参加状況
(1)平成24年6月23日〜平成24年6月24日:日本音楽表現学会第10回大会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)2月:第1回新潟県管打楽器ソロコンテスト審査員(新潟県吹奏楽連盟主催)
(2)8月:教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(3)上越地区吹奏楽連盟理事
 

阿 部 靖 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
本年度,特に取り組んだことは,個々の授業内容に教育現場の実践につながるような発展的内容を加えたことである。従来,理論や基礎の部分で終わりがちであった内容に,模擬授業や教材開発を多く取り込み,理論とのつながりを理解できるよう授業方法を工夫した。
また,毎回のレポートや作品,実践などをていねいにチェックし,コメントなどとともに返却しながら,学生との相互評価を目指し,学生自身が評価規準を身につけられるよう授業を行った。
【観点2】教育の達成状況
本年度は,大学院院生1名が修了し,東京都からの現職派遣だったために,現場の研究や実践につながる修士論文指導を行った。教育現場の課題を基に行った2年間の研修成果は,充分現場の教育に反映されるものと考える。
研究指導
【観点1】学部
学部教育において教科教育担当教員として最も重視していることは,教科専門の知識,技能をもとに,それをいかに子どもたちの指導に生かせるかという点であり,それをふまえた研究指導を行い,学生の関心を高めることに努めている。また,教育現場におけるワークショップなど,直接子どもたちとかかわる活動を企画し,学生を積極的に参加させ,学生の指導力向上を目指している。
【観点2】大学院
大学院生の研究テーマについては,常に教育現場を意識したものであるよう指導を行った。また,積極的に教育現場を訪れ,研究とともに実践力が高まるような指導を行った。
その他の教育活動
・ 富山大学芸術文化学部非常勤講師
・ 教育実習研究授業参観及び指導
・ アートワーク部顧問
・ 学びの広場顧問
・ 附属幼稚園研究会実施
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年6月:『トコトコ』 新潟県民会館
(2)平成25年3月:『防災ガメ』 ギャラリー創(長岡市)
(3)平成25年3月:『小さな仲間』 ギャラリー創(長岡市)
(4)平成25年3月:『ゆかいな仲間』 ギャラリー創(長岡市)
◎特色・強調点等
本年度は,幼稚園の園児を対象とした美術教育作品の制作を試み,それらを大人も鑑賞できる展覧会で発表した。鑑賞者の年齢にかかわらず,こころが癒される作品という評価を得ることができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(2)NPO法人里やま学校講師(NPO法人里やま学校)
◎社会への寄与等
地域社会における各種委員会の委員及び講師・審査委員などを行い,社会貢献を果たしたと考える。
 

 石 次 郎(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業中に作った作品の出来上がりではなく,制作中に思考することが大切で,それを評価している。そのために,制作中の様々な出来事についてその意味を言語化させ,それに対して解説するようにしている。
【観点2】教育の達成状況
[観点1]で述べた取り組みを,受講生全員がその場で理解することは難しい。しかし,疑問として残ったことが,教育現場に出たときに理解へと向かい反映している。
研究指導
【観点1】学部
美術や工芸の制作を伴う研究と学校教育での子どもの学びとの間にある共通点を身体的に理解すること,つまり教育の中の美術とは何かを理解することを目標にしている。
【観点2】大学院
[観点1]で述べたことに加え,自分自身の制作や関心事を研究の中心にテーマとして据え,作ることや考えることなどの美術における抽象的なことを言語化することによってより深い理解へと向かうことを行っている。
その他の教育活動
・ 女子ソフトボール部顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
美術や美術教育を作品制作・作品鑑賞などの狭い範疇で捉えるのでなく,人が考え学び作り=生きる活動の根幹にあることを経験的に理解することを目標にしている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年5月:『個展』 ギャラリー MU-AN
(2)平成24年9月:『個展』 ギャラリー SILVER SHELL
(3)平成24年12月:『グループ展』 羊画廊
(4)平成25年2月:『グループ展』 ギャラリー MU-AN
(5)平成24年4月:『グループ展』 ギャラリー VOICE わんの形展
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「意味生成表現と教材開発」授業実践 代表者:松尾大介(上越教育大学) 東本町小学校
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)台湾新竹教育大学と本学の美術交流に参加,及びアーティストトークを行った。 代表者:本学美術科目群(上越教育大学)
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:美術教育実践学会 研究大会
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)第53回新潟県絵画・版画コンクール審査委員(上越美術教育連盟)
(2)ふれあいハガキコンクール 審査委員(上越市商工会議所)
(3)上越市美術展運営委員(上越市生涯学習課)
(4)新潟日報カルチャースクール陶芸講師(新潟日報)
(5)公開講座「陶芸」講師(上越教育大学)
(6)新潟県展 講評(新潟県文化振興課・新潟日報社)
(7)上越市展 講評(上越市)
(8)柏崎市展 審査委員(柏崎市)
(9)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
 

五十嵐 史 帆(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育方法について,全学必修の「図画工作科指導法」では,学生が授業に主体的に取り組めるよう各期の計画を提示して見通しを持たせるとともに,これまでの取り組みを継続し,ポートフォリオや授業レポート等を活用し授業期間内や授業後に自らの学びを振り返り成長を確認できるような手立てを行っている。「美術科教育教材開発演習」では,授業内だけでなく,地域美術館の協力のもと実践を取り入れた授業を行っている。以上にあげたように,学生の主体的な学びと実践を視野に入れた授業を行っている。
成績評価面について,それぞれの授業の特性を考慮し,授業態度,提出物,ポートフォリオ等,多様な資料から客観的に評価するよう心掛けている。
【観点2】教育の達成状況
授業態度,提出物,ポートフォリオ等から,多くの学生が各授業のねらいをおおむね達成していると感じているが,今後もより良い授業や支援のありかたを追求していく。
研究指導
【観点1】学部
担当学生の卒業研究指導とともに,他の学生においても,美術教育に関する視点からの助言・指導を必要に応じて行った。
【観点2】大学院
担当学生の修士論文指導を行うとともに,副指導教員として美術教育に関する視点からの助言・指導を必要に応じて行った。
指導学生については,東京都の教員に採用されるとともに,日本学生支援機構奨学金において「全額免除」の認定を受けた。
その他の教育活動
・ 上越教育大学附属中学校 研究指導者
・ 教育実習研究授業参観及び指導のほか,学校教育現場や美術館等の地域の文化施設と連携した授業を積極的に行っている。
特色ある点及び今後の検討課題等
大学と地域がともに成長できるような教育活動に実践的に取り組んでいる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『「教育のゆくえ」図画工作科における「鑑賞」−経験とコミュニケーションという視点から−』(単著) 教育創造 vol.173,pp.44-49
作】(1)平成24年9月:『a bag』 第76回新制作展(スペースデザイン部門)国立新美術館
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月:大学美術教育学会第49回大分大会発表, (2)平成25年3月:美術教育学会34回島根大会参加
◎特色・強調点等
積極的に学校現場との連携を進めその報告を含めて学会にて発表を行った。また,教科教育専門という立場ながら公募展に挑戦することで,表現することやものをつくることによる学びの意義を実践的に問うている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)小林古径記念美術館造形ワークショプ「和紙のふしぎな世界」企画(小林古径記念美術館)
(2)免許状更新講習「美術教育の教材と指導法(概論)表現と鑑賞の教材」他 講師(上越教育大学)
(3)教科領域別一斉研修(図画工作)「これからの学びと評価について」講師(上越市教育委員会)
 

洞 谷 亜里佐(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
実技実習を踏まえた上で,理論を構築することを進めている。地域の美術館や教育現場との連携を図りながら,美術活動のあり方について幅広い見識を持つことを大切にしている。
成績については,個人の表現活動を重視し,基礎を踏まえた造形論を評価している。
【観点2】教育の達成状況
学生は,授業の成果を展覧会で発表し,その作品が受賞するなど評価を得ている。
研究指導
【観点1】学部
美術の基礎を「観ること」「気づくこと」「感動すること」に重点をおき,指導している。又,伝統的な芸術活動を見直し,現代の表現のあり方につなげて行く指導を行っている。
【観点2】大学院
学部の基礎を踏まえ,個人の活動を尊重して指導を行っている。特に,地域との連携を取り研究活動の幅を広げて行くことを勧めている。
その他の教育活動
・ 茶道部顧問として,国際交流七夕お茶会,大学祭のお茶会などの指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
新竹教育大学(台湾)と澳門理工学院(中国)の美術コースの学生による国際美術交流展を行うことかできた。今後も参加大学を広げ,制作を通しての文化交流を進めていく。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年4月:「北へ」(単) 第67回春の院展 日本橋三越
(2)平成24年9月「あさ」(単) 第97回再興院展 東京都美術館
(3)平成24年10月上越市美術展覧会審査委員
(4)平成24年10月妙高市美術展覧会審査委員
(5)平成25年2月新潟県児童生徒絵画・版画コンクール審査員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)小林古径記念美術での子どもの日本画教室の指導を行った。
(2)小林古径記念美術での中・高校生・一般に向けた,絹絵の指導を行った。
(3)妙高夏の芸術学校での日本画部門で指導を行った。
◎社会への寄与等
地域貢献事業「地域文化を生かした学校教育現場と美術館の共同教育推進事業」小林古径記念美術館との日本画教育の研究において,小,中学校への出前授業を行ったり,美術館での絵画指導を行ったりしている。
 

松 尾 大 介(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業の導入では,各学生に動機を持たせたうえで実習等に取り組めるようレクチャーしている。学生が立体表現と平面表現の特徴の違いに着目しながら,心的内容を立体的に形象化する造形行為の意義について理解することを重視している。そして,授業の内容が彫刻的な表現にとどまらず,学生それぞれの多様な表現へ発展できるように支援している。
成績評価では,制作過程における試行錯誤を重視している。また最終日には作品を展示し,合評会を開くことで,教員や学生の多様な考えに触れながら,客観的な評価が得られるよう留意している。
【観点2】教育の達成状況
修了生1名は,研究生として自身の研究課題に継続して取り組んでいる。
研究指導
【観点1】学部
今年度,研究室の学部生はいなかった。
【観点2】大学院
留学生の大学院2年1名は,「家族」をモチーフとした彫刻の意義と可能性について,古今東西の「家族」を表した作例を取り上げ,表現の特徴を検証しながら,修士論文としてまとめた。
また,学生の実技能力を向上させるため,全国的な展覧会への出品を支援した。大学院3名が,国展(全国公募,国立新美術館)へ入選した。
その他の教育活動
・大学院1名の教育実習における学生指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
平成16年度から信州大学との研究協力として学生を中心とした合同展覧会を開催している。本展覧会は単なる作品発表の場ではなく,地域の人々や学生自身が,美術の果たす役割や生活との結びつきを考える場となるよう配慮している。今年度は,信州大学に加えて群馬大学の協力を得て3大学による活動を企画した。地域の文化材保存団体と連携し,上越市最古の土蔵造りの洋風建造物である旧直江津銀行(ライオン像のたてもの)を会場とし,3大学合同の作品展示や小学生を含む地域市民対象の造形ワークショップを開催した。展覧会期間中,300名を超す来場者があり,地域固有の文化を発信する特徴的な活動として評価された。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年4月:『畜』 第86回国展
(2)平成24年9月:『時の隙間』 緑の中の小さな彫刻展
(3)平成24年10月:『雲を量る天秤』 第8回神通峡美術展
(4)平成24年10月:『ある恒星の行方』 第35回国画会彫刻部秋季展
他】(1)平成24年10月:『第8回神通峡美術展優秀賞/作品『雲を量る天秤』の受賞』 富山市猿倉山森林公園芝生広場
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「蝋型鋳造(イタリア式)による新しい彫刻表現の研究」代表者:中村義孝(筑波大学) 科学研究費補助金
◎特色・強調点等
科学研究費基盤(C)研究分担者「蝋型鋳造(イタリア式)による新しい彫刻表現の研究」の研究成果を緑の中の小さな彫刻展,第35回国画会彫刻部秋季展に出品した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市美術資料収集委員
(2)上越市美術展覧会運営委員
(3)第86回国展の審査及び運営委員
(4)第8回妙高市美術展覧会審査員
◎社会への寄与等
第35回国画会彫刻部秋季展では,東京都内の視覚特別支援学校児童を招待し,彫刻鑑賞と道具体験のワークショップを行った。彫刻表現の特徴を活かした社会的芸術文化教育に寄与した。
 

安 部   泰(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
専門分野である「デザイン」の観点からは,個人の価値観と公的な価値をどのように一致させていくかを重視し,理論の組み立てと実践を繰り返すことにより身に付けていくことを目的としている。同時に,学んだことを学校教育の現場で活かせるよう,視点を変えて発想することを指導している。特に重視するのは結果(成果物)だけではなくプロセスと一体化した学びであり,成績評価についても学生の学びの道筋から総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
個々のテーマを明確にさせていき,可能な限りの方法を提示させ,制作・実践を通じて検証していくという最も大切な姿勢や考え方については伝えることができたと考えるが,専門的な知識・技術を修得させるために必要な時間が少し足りない。しかしながら,大学を卒業した後に,各現場で各々が自律的に学べるように情報や方法等を伝えるよう努めている。
研究指導
【観点1】学部
4年生:1.卒業制作「ヘビをモチーフとしたキャラクターデザイン」・・・作品制作,制作レポート
※作品制作及び制作レポートの指導。
2.1.卒業制作「100ピースのテクスチャ研究」・・・作品制作,制作レポート
※作品制作及び制作レポートの指導。
3年生:1名の学生に対して個人指導
※個人的な観点から公的な価値を意識させていくよう指導。そのうえで,卒業研究テーマを絞り込ませていく。
【観点2】大学院
2年生:修士論文「芸術における表現と鑑賞についての一考察 −視覚と聴覚を手がかりに−」
1年生:1.「上越教育大学のサインに関する一考察 −子どもが利用することを前提としたデザイン提案−」
2.「『しかけ』と『デザイン』の関係性についての一考察」
3.「『妖怪画』の制作研究 −イラストレーションとテキストによる表現−」
※当研究室では,文献等から得られる理論的な裏付けをもっての論文執筆,及び制作を含む実践を主体として研究するよう指導している。
その他の教育活動
・ 初等教育実習 学部生2名
特色ある点及び今後の検討課題等
専門分野である「デザイン」の観点からは,個人の価値観と公的な価値をどのように一致させていくかを重視し,理論の組み立てと実践を繰り返すことにより身に付けていくことを目的としている。同時に,学んだことを学校教育の現場で活かせるよう,視点を変えて発想することを指導している。特に重視するのは結果(成果物)だけではなくプロセスと一体化した学びであり,成績評価についても学生の学びの道筋から総合的に評価している。個々のテーマを明確にさせていき,可能な限りの方法を提示させ,制作・実践を通じて検証していくという最も大切な姿勢や考え方については伝えることができたと考えるが,専門的な知識・技術を修得させるために必要な時間が少し足りない。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成25年1月:『水際 −キジハタT−』 「安部泰・洞谷亜里佐《二人展》−あゆちから−」 ギャラリー祥(上越市)
(2)平成25年3月:『上越後の肖像 キジハタ&イナダ』 上越教育大学
発】(1)平成24年10月:『初等教育における造形表現力育成のための実践的研究』(共) 第51回大学美術教育学会大分大会(大分大学)
他】(1)平成24年10月:『「これが正解!アカデミー」出演』 フジテレビ
◎特色・強調点等
1.美術教育におけるデザインの意味や果たす役割についての研究を行っている。内容については,学習指導要領においてデザインがどのように意味付けられてきたか,あるいはどのように実践されてきたかの確認と,現場においてどのように実践すべきかについて子どもの実態はもちろんだが,教員として身につけるべき基礎知識,技能,資質はどのようなものであるかの研究を行っている。
2.視覚デザインの一分野として,イラストレーションの制作・研究を行っている。テーマを『「水辺」に目を向けさせるイラストレーションの研究』とし,主に魚をモチーフとした手描きのイラストレーションを制作しながら,人々に環境について考えさせることを目的としたグラフィックの制作を目的としている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市美術展覧会運営委員(上越市美術展覧会運営委員会)
(2)「妙高ジュニア芸術展」審査員(妙高芸術祭実行委員会)
(3)6月〜11月:「にいがたデジコングランプリ2012」審査委員(特定非営利活動法人にいがたデジタルコンテンツ推進協議会)
(4)8月:教員免許状更新講習「デザイン,工作・工芸領域についての教材内容と指導」講師(上越教育大学)
(5)上越市景観審議会委員(上越市役所都市整備課)
◎社会への寄与等
上越市美術展覧会運営委員は,上越市役所生涯学習課より専門の知識を有する者として依頼されているものである。「妙高ジュニア芸術展」及び「にいがたデジコングランプリ2012」は,共に作品の審査員として依頼されているものである。上越市景観審議会委員については,副委員長を務めている。
 

伊 藤 将 和(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
実技指導において,絵画(水彩,油彩)および版画の技術,技法,素材の特色等を実践をとおして体感させ,習得させている。
絵画表現の基礎を重要視させ,確かな基礎力の上に成立する,各個人の表現を模索させる。また,新たな表現に対して,その価値や意味を見いだすことを心がけ,受講生(制作者)に,自己の新たな可能性を模索させる。
授業内の課題として各自作品を制作させ,提出された作品を多角的に評価し,授業の成績として評点する。
【観点2】教育の達成状況
絵画制作を通して培った,技術や理論を元に,創作活動の根源を理解することは,学生が自らの表現に対する取り組みの姿勢として顕著に現れる。それは,学生の創作活動だけにとどまらず,自身の経験を基とした児童や生徒に対する表現活動の指導および,評価へと反映されることとなる。学生が絵画表現における技術,素材に対する基礎知識を持ち,絵画制作への真摯な姿勢を確立することで達成していると言える。
研究指導
【観点1】学部
教育に関わる実践的な技術を獲得する術として,絵画表現に対する基礎知識を深め,絵画技術の習得と表現を模索させた。
「個人」と「社会」との関わりや,「個人」の興味関心のある事柄を掘り下げ,各自のテーマを模索させた。
取り組むべきテーマをもとに,表現への変換を試みる。表現方法として絵画や立体,インスタレーションなど,幅の広い表現方法を模索させた。各自のテーマを作品として成立させるため,様々な技法を習得させ,自己の確立から表現への変換へ必要な知識,素材を収集させた。これまでの研究の集大成として卒業制作および論文/作品レポートとしてまとめさせた。
【観点2】大学院
各自のテーマを明確にさせ,「個人」と「社会」との関わりや,「個人」の興味関心のある事柄を掘り下げ,「教育」の切り口から,表現の可能性を見い出すことを目的とし,様々な方法を用いて研究を実践させた。取り組むべきテーマをもとに,表現の可能性を探り,表現方法の拡大と,多様化を促した。各自の表現を発表する場を設け,社会とのつながりを意識させ,テーマから見える表現と社会と個人の関係性を深めさせた。
各自のテーマとして取り組んできた研究成果を修了論文としてまとめ,修了制作として発表させた。
特色ある点及び今後の検討課題等
学部,大学院の隔たりを無くし,希望者に対し社会と美術の関係を築く活動を促している。既存のアートプロジェクトにチームとして参加し,その活動を通して,社会と美術,個人の表現に関して,授業内では展開が難しい内容にも触れることができる。また,教員である私自身がアーティストとして活動することで,自分の研究活動を,率直に学生の指導へ還元できる。現代で展開される最先端の美術に触れ,体験できる場を設ける。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年2月:『会津の漆工芸の現状と美術的展開についての考察』(単著)上越教育大学研究紀要Vol.32 pp.351-362
作】(1)平成24年7月:『イメージとしての器−須弥山−2012』個有色 伊藤研究室グループ展
(2)平成24年8月:『生命の器2012−不動滝−』Continue art project2012
(3)平成24年8月:『生命の器2012−不動滝−』福島現代美術ビエンナーレ2012 SORA
(4)平成24年8月:『大地に星を植える2012−西会津−』福島現代美術ビエンナーレ2012 SORA
(5)平成24年10月:『未来へ託せ!うるしバトン』会津漆の芸術祭2012 地の記憶・未来へ
発】(1)平成24年12月:『未来へ託せ!うるしバトン実行記録説明』(共) 第14回美術教育実践学会研究大会
他】(1)平成24年9月:『想いを空へ!凧づくりワークショップ/伊藤研究室が行ったワークショップの紹介』 白根学習館
(2)平成24年9月:『未来へ託せ!うるしバトン/会津・漆の芸術祭2012 参加企画の紹介』 会津漆の芸術祭 2012 地の記憶・未来へ
◎特色・強調点等
震災により被害をうけた東北(特に福島県)に対し,文化的な復興支援を行っている。研究テーマの一つである,芸術活動の社会貢献および還元を,実践を通して行っている。『会津・漆の芸術祭』への参加,および福島現代ビエンナーレでの発表は,作品制作におけるコンセプトを復興支援,被災地へのエールを込めて制作,発表を行っている。文化の復興は,長期的な支援が必要とされるので,今後も同様の活動を続けてゆく。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市美術展覧会運営委員会委員(上越市教育委員会)
(2)妙高市美術展覧会審査委員(妙高市教育委員会)
(3)2月:アーティストトーク(上越教育大学,新竹教育大学)
(4)9月:想いを空へ!凧づくりワークショップ(上越教育大学,新潟市南区)
(5)10月:HARTMARK VIEWING(福島県立博物館,おだがいさまセンター)
(6)8月:大地に星を植える 2012(ART SUPPORT TOHOKU-TOKYO)
(7)8月:虹色のろうそくを作ろう(ART SUPPORT TOHOKU-TOKYO)
(8)8月:謙信KIDS「美の楽校」川で遊ぶ(上越市教育委員会)
(9)8月:謙信KIDS「美の楽校」森で遊ぶ(上越市教育委員会)
(10)上越市美術資料収集委員会委員(上越市)
(11)平成24年度:教員免許状更新講習(上越教育大学)