五十嵐 素 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
どの授業でも多様化する学生のニーズに合わせて教育内容を工夫するようにしている。例えば具体的な教育実践のイメージが持てていない学生には,ビデオデータなどを活用して現場の実践のあり方を観察させたり,具体例を出しながら教えている。また,学習への動機付けを高めるために,学生からの質問や感想とその回答を毎時間の冒頭に配布するようにしている。また学生間の理解の差が大きいので,学生からのレポートにはコメントをつけて返却することで個別の学生をフォローするように心がけている。
【観点2】教育の達成状況
講義やセミナーなどで教育実践の研究方法を教えたり,現職教員と議論してもらうなかで,個別の学生が教員としての力量を身につけつつあることを実感している。
研究指導
【観点1】学部
学部生の講義では,具体的な教育実践の事例を取り上げ,授業において教師がどのような言葉を用いて働きかけているのか,そのことによって子ども反応をどのように引き出しているのか,その教育効果について観察させている。このことは,教育実践を観察し評価する力を育てるという意味で,臨床的な実践力を身につけることにつながると考えられる。
【観点2】大学院
大学院(修士・博士)の研究指導では,社会学の相互行為論の理論的知見に基き,授業のビデオデータを用いて教師と子どもの相互行為のあり方を分析させている。授業における活動は多様であり,そうした分析を行うことによって,活動それぞれの教育上の特色や効果について明らかにさせ,活動における教師の役割について学術的な見地から検討をしている。こうした訓練は,教育実践研究としての基礎的な知見を積み重ねる力量を形成する点において重要である。また学生には,実際の現場に行ってフィールドワークを行わせた後,その資料の分析・考察を行ない,知見を現場の教員にフィードバックして共有する機会などを設けている。研究を現場の実践知と架橋させることができる能力を培うよう指導している。
特色ある点及び今後の検討課題等
院生の学問的バックグラウンドや経験が多様であるため,講義で基礎から応用まで広く教えることができる教科書や教材を開発していく必要があると考えており,現在作成中である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年6月:ペダゴジーの社会学:バーンスティン理論とその射程(共著),学文社
(2)平成26年3月:生きる力を育む防災教育(共著),協同出版
発】(1)平成25年8月6日:”Account of action as learned:Embodied criteria in an action organization”2013IIEMCA Conference,Ontario N2L 3C5 Canada ,Wilfrid Laurier University.
(2)平成25年8月17日:女子短期大学生の心理的発達に関する縦断研究(27)―ビッグファイブとライフイベントが自尊感情に与える影響―(共),日本教育心理学会第55回総会,法政大学市ヶ谷キャンパス
(3)平成25年9月8日:授業の相互行為秩序と「公的」な発言の構成(共),第32回社会言語科学会研究大会,信州大学人文学部(松本キャンパス)
(4)平成25年9月15日:教育実践におけるメディア利用のデザイン:ICTを活用した協働的な学びの事例から(共),2013年社会情報学会大会,早稲田大学14号館502号室
(5)平成25年10月12日:授業場面における“IRE”連鎖開始部の認識可能性について(共),第86回日本社会学会大会,慶応大学三田キャンパス
学会活動への参加状況
(1)8月5日〜8日:2013年国際エスノメソドロジー・会話分析研究会での研究報告, (2)8月9日〜13日:108回アメリカ社会学会年次大会への出席, (3)9月6日:第32回社会言語科学会研究大会への出席, (4)9月15日:2013年社会情報学会大会における学会発表, (5)10月12日〜13日:第86回日本社会学会大会への参加と学会発表, (6)12月:教育社会学会における臨時編集委員
外国における研究の状況
(1)8月4日〜8月22日:カナダ・アメリカ合衆国におけるエスノメソドロジー・会話分析研究についての情報収集 
(2)9月9日〜9月12日:内モンゴルにおける防災教育に関する情報収集