石 川   真(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育方法においては,すべての担当授業において指定のテキストがないため,毎回資料を作成した。基本的に,パワーポイントによるスライドで作成し,学生にpdfの形式,もしくは紙媒体で配布した。また,そのスライドを用いて授業を行った。また,講義支援システムの特徴を活かし,掲示板を用いて特定のテーマについて意見や感想を述べさせるなど,授業時間外においても学習活動が持続できるような工夫をした。すべての授業において,現場での実践を意識させ,具体的事例などを交えながら講義を行った。さらに,講義内容を踏まえた「協働学習」を積極的に取り入れ,考える力,協調性などの力を高める取り組みを行った。
成績評価については,1回目の授業時に評価の説明を行い,基本的にその基準で実施したが,レポートの提出回数が異なるなどした場合は,適宜その都度説明し,受講者と共通理解を図った。レポートは,問題に対して論理的に意見が述べられるかなど,思考的な側面に特に注意を払いながら評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
すべての授業において,シラバスに記載された目標は達成できたと考えられる。特に,レベルの高いものについては,個別指導をすることによって,受講者の理解が高められることから,少人数での授業においては,比較的レベルの高い内容が達成できたと考えられる。教育情報科学概論については,他の授業と異なり大人数のため,きめ細かな教育を行うことはできなかった。しかし,実践場面を紹介するなど,1年生(前期科目)の内容として具体的でわかりやすいものとしたことで,一定の目標は達成されたと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
学部におけるゼミ生は所属なし。
【観点2】大学院
関連する論文誌を中心に情報収集させた上で,問題の所在を明らかとし,理論的枠組みに沿った教員向けの研修実践のための計画について指導を行った。その上で,得られたデータ分析,修士論文作成等,きめ細かな指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
実践,現場での活動と,授業で取り上げている内容がどのように関係しているのかを説明し,実践場面で意義のあるものと理解できるように取り組んでいることが特色である。また,講義支援システムや,各種メディアを積極的に活用し,学習内容の理解を深めさせたりする工夫をしている。また,協働学習も適宜取り入れ,受講者が「聞くだけ」という状況にならないようにした。そのことにより,自ら考える機会を増やし,他者との考え方の違いに気付かせたり,協調性を高めさせる等の副次的な側面についての育成にも取り組んだ。
授業評価などでは必ずしもすべての項目において良好ではない点もある。できる限り,問題点を明らかにすると同時に,より一層わかりやす授業とする取り組みを検討していく必要があると考えられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成26年3月:社会的スキルの違いがネットワーク上の他者との関わり方に及ぼす影響,上越教育大学研究紀要,33巻,pp.11-19
業】(1)平成26年3月:上越教育大学スタンダードを中核とした教育の質保証の成果と課題?「教職実践演習」と「教育実習」における「協働的省察行為」に着目して?(共著),日本教育大学協会研究年報
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)上越教育大学スタンダードを中核とした教育の質保証の成果と課題,代表者:釜田聡(上越教育大学)
学会活動への参加状況
(1)平成25年12月7日:日本応用心理学会 公開シンポジウム2013, (2)平成25年11月2日〜平成25年11月3日:日本社会心理学会第54回大会, (3)平成25年5月25日:日本社会心理学会第57回公開シンポジウム, (4)平成25年4月〜平成25年10月:認定心理士資格認定委員会(日本社会心理学会)
◎特色・強調点等
「青少年のネットワーク環境における社会的なつながりの認識に関する基礎的研究」においては,ネットワーク上のコミュニケーション行動の他者とのつながりについて調査,実験等を通してその傾向を探ることを目的としている。本研究で明らかとされた点は,近年関心の高い情報モラル教育の指導方法へ大いに寄与すると考えられる。とりわけ,理論的背景に基づかない,経験則で取り組みがなされている傾向の強い情報モラル教育の指導に対し,実際のネットワーク上の行動について分析し,他者との関わりにおける問題を引き起こしやすい要因等を明らかにしていくことは,教育実践においては非常に有用である。また,情報社会の進展や諸問題の現状を踏まえれば,本研究の成果はさまざまな分野に寄与するものである。