河 野 麻沙美(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部講義「教育方法学」では,実践と理論の接合点を踏まえつつ,講義だけでなく受講者のディスカッションを随時取り入れ,能動的な参加を可能にする形態を取り入れた。ディスカッションの内容や深めた思考を毎回の講義終了後のレポート課題とし,リフレクションを促すよう工夫した。
講義と関連して,附属中学校の公開研究会への参加を促し,観察の仕方や授業を理解する観点についても,具体的な授業事例に基づいて検討する機会を設けた。講義室だけでの学びだけでなく,実践への深い理解が得られるよう,大学が保持する環境を有効に活用することで,受講者の教職への関心と理解深化を促す取り組みを行った。
【観点2】教育の達成状況
講義の多くは,新しい知識を得ることだけでなく,そこから自らの経験や価値観に基づいて理解をすすめていくことにある。理解深化の装置として,ディスカッションは重要な働きをもつ。はじめはディスカッションが深まらない受講者も見られたが,回を重ねるごとに,複雑な教育課題についてもディスカッションができるようになり,また,レポートの記述の質も高まる様子が見られた。少しずつ課題を提示することによって,各自の情況に則して記述力やコミュニケーション力の伸長が可能になったと考える。
受け身の姿勢で,一方的に知識を得ることも可能である内容も講義に含まれているが,そうした内容についても疑いや多角的な視点を持つことで見え方が変わることなど,偏った視点や知識にならないよう,問いかけることに務めた。正当を求める傾向が強い学生が多く見られたが,そうした姿勢が少しずつでも弱まり,一方で,自身の考えを保つ努力が見られるようになったことは成果といえる。
特色ある点及び今後の検討課題等
教育方法学,授業研究の領域は,これから新たな学びのあり方が導入される学校教育において重要な内容の学習を担っている。学生にそうした新たな教育の動向に対応できるだけの学習環境の提供が課題となる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成25年7月16日:学級規模における教育心理学的アプローチ(共),日本教育心理学会自主シンポジウム
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)インドネシアで,現地教育大学の教員(教育学,及び教科教育学)と,授業研究に関する共同研究を行っている。その成果の一部は,国際学会で発表された。また,科研費による研究の一部をなしている。
学会活動への参加状況
(1)平成25年6月23日〜27日:国際学習科学学会参加
外国における研究の状況
(1)平成24年3月〜:インドネシア バンドン市私立小学校における授業研究のアクションリサーチ
特色・強調点等
専門とする教育方法学と授業研究の専門性を活かし,地域だけでなく,国際的な視点でネットワークを形成し,研究活動と実践支援活動を展開している。