小 埜 裕 二(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
担当全授業において具体的なシラバスを作成し,ほぼシラバスどおりに授業を行った。成績評価についても,シラバス及び授業初回時に示した方針に基づき行った。教員養成を目的とする本学の学生に,小・中・高等学校の国語を担当する上での十分な能力・技能を身につけてもらうことを念頭におき,授業を展開した。また,読書に対する興味・関心を抱き,学校現場で児童・生徒に豊かな読書生活の習慣を授けることのできる力を身につけてもらうことにも配慮した。
【観点2】教育の達成状況
学部の授業では系統性に配慮したカリキュラムを組み,教員養成大学に相応しい文学テクストの基礎的な読解技能が段階を追ってマスターできるよう工夫し,成果を挙げた。大学院の授業ではテクスト読解のための専門的技能を身につけることが出来るよう様々なアプローチの方法を提示した。授業及び各種セミナーを通じて,文学研究に関するテクスト理論の実践化に力を注ぎ,一定の成果を挙げたと考える。卒業生1名は志望する県の非常勤講師(小学校)を勤め,修了生3名は1名が非常勤講師(小学校)を勤め,2名が一般企業に就職を果たした。
研究指導
【観点1】学部
学部学生には小・中・高等学校における国語の実践的能力を修得させるため,文学作品の解釈を中心とした共同討議を課外活動として毎週(金曜4限)行った。これは,担当の学生が毎回,資料を作成し,それに基づき,話す・聞くの活動を重視して展開したものである。この討議には大学院学生にも参加してもらい,学部学生への指導を通じ,より高度な読みの実践力と指導力を身につけてもらうことを図った。また学部・大学院学生連携の国文学実地踏査研究を3月に行った。行き先は群馬県。
【観点2】大学院
上記の課外活動に大学院生に加わってもらい,その場を通じて,より高度な読みの実践力を身につけてもらうよう指導を行った。さらに大学院学生には,個々の研究テーマに即した個別指導を毎週定期的に行った。修士論文指導を直接行った学生は,M1が2名,M2が2名(留学生2名),M3が1名である。個別指導は定期的な研究セミナー以外に,不定期に多くの時間を費やして行った。
その他の教育活動
・ 教育実習において学部生1名(G4),4名(G3)の指導を行った。
・ 上越看護専門学校において「日本文化論」の非常勤講師を務めた(15コマ)。
・ 富山大学において前期・後期に「日本文学演習」「日本文学特殊講義」の非常勤講師を務めた(15コマ×2)。
特色ある点及び今後の検討課題等
学部の授業では系統性に配慮したカリキュラムを組み,教員養成大学に相応しい文学テクストの基礎的な読解技能が段階を追ってマスターできるよう工夫した。大学院の授業ではテクスト読解のための専門的技能を身につけることが出来るよう様々なアプローチの方法を提示した。本年は昨年に引き続き,授業及びゼミを通じて,文学研究に関するテクスト理論の実践化に力を注いだ。今後の課題としては,読解技能がより身近なものとして教育現場で活用されるよう,一層の工夫を行いたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成26年3月:解説小川未明小説 1(共著),永田印刷出版部
(2)平成25年10月:文学の体験 近代日本の小説選2(単著),永田印刷出版部
論】(1)平成26年2月: <小さいヒーロー>から<戦うヒューマニスト>へ : 小川未明 「眠い町」論,上越教育大学国語研究,28号,pp.1-12
(2)平成25年10月:日本の移民文学について,釜山国際文学フェスティバル,2巻,pp.93-107
業】(1)平成26年3月:小川未明新収童話集 6 昭和17-32年(単著),日外アソシエーツ
(2)平成26年3月:小川未明新収童話集 5 昭和14-16年(単著),日外アソシエーツ
(3)平成26年2月:小川未明新収童話集 4 昭和11?13年(単著),日外アソシエーツ
(4)平成26年2月:小川未明新収童話集 3 昭和 3-10年(単著),日外アソシエーツ
(5)平成26年1月:小川未明新収童話集 2 大正13?昭和 2年(単著),日外アソシエーツ
(6)平成26年1月:小川未明新収童話集 1 明治39?大正12年(単著),日外アソシエーツ
(7)平成25年10月:文学の体験 近代日本の小説選2
(8)平成25年9月:新選小川未明秀作童話40―灯のついた町(単著),蒼丘書林
発】(1)平成26年3月15日:未明小説の三方向,シンポジウム 小川未明小説の再検討
(2)平成25年10月11日:☆日本の移民文学について,釜山国際文学フェスティバル
◎特色・強調点等
郷土の作家である小川未明に関する著書を集中的に刊行した。新編童話集1冊,未明小説の解説本1冊,全集未収録童話全6冊の刊行である。他に大学の文学教育に使用する教科書1冊を作成した。上越市の小川未明顕彰委員会副委員長を務め,市民,在学生,卒業生などと協働して小川未明の顕彰に努めた。未明に関するテレビ出演なども行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成26年3月15日:シンポジウム 小川未明小説の再検討コーディネーター(小川未明小説研究会)
(2)平成25年9月7日:NSTテレビ土曜「スマイルスタジアム」出演(小川未明の紹介)(NST(新潟総合テレビ))
(3)平成25年8月:教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(4)小川未明小説研究会主宰(小川未明小説研究会)
(5)長野県カルチャーセンター講師(長野県カルチャーセンター)
(6)平成25年12月14日:異文化塾「にいがた文化の記憶−明治の先覚者たち」講師(新潟国際情報大学)
(7)平成25年11月30日:上越国語教育連絡協議会創設50周年記念式典記念講演(上越国語教育連絡協議会)
(8)平成25年11月6日:ふるさと散歩道 小川未明童話のこころ(大潟町)
(9)平成25年10月1日〜平成25年11月30日:小川未明文学館講座講師(上越市小川未明文学館)
(10)平成25年9月〜平成25年10月:「前島密とふれあう」ふれあいハガキコンテスト選考委員(上越商工会議所)
(11)平成25年8月〜平成25年11月:骨髄バンクにまつわる命の作文コンクール」審査委員(特定非営利活動法人骨髄バンクサポート新潟)
◎社会への寄与等
上越市及びその近隣の市を中心に,いくつかの講座の講師を務めるとともに,研究領域にかかわる審査員等を務めた。絵手紙コンテスト審査委員,骨髄バンクの作文コンクール委員,小川未明顕彰委員副委員長,等。市民の多く参加する小川未明小説研究会を主宰し,小川未明に関する著書を多数刊行した。