迎   勝 彦(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部においては一斉授業の形態をとった。一斉授業の形態を取る場合,受講者が受け身となり,主体的能動的な学習を十分に促すことができないという問題も指摘される。この授業形態の問題点を解消するため,受講者の発表の場や話し合いの場を随時設けるとともに,教材の工夫(配布資料・ワークシート・メディア教材(PPなど)の工夫)を中軸とした指導法の見直しを随時行った。また,授業内容は教育実習を含め,教育実践場面に適用できるものとなるよう配慮した。なお,後期授業科目(中等国語科指導法)では,毎回15分程度の時間を使い,教員採用試験(中学国語問題)と関わった課題の検討を行った。これには国語科教員としての資質と能力を高めるとともに,教員採用試験対策としての意味も持たせている。受講生の反応は良好であった。
大学院においては一斉授業だけではなく,適宜討論を交えるなどして,講義及び演習が,受講者相互の情報交換,意見交流の場となるようにも配慮した。ストレートマスターにとっても現職派遣院生との交流の場を設けたことにより,彼らの教育観や教育理念を学び,感じることのできるよい機会となった。
成績評価については,学部,大学院ともに成績評価基準を明示して厳格な成績の評価に努めた。
【観点2】教育の達成状況
良好。学部学生,大学院生ともに,社会に貢献する人材育成を図るという点からみて,高い付加価値を身につけさせることができたと考える。これは,授業後のアンケートやレポート,感想などから読み取ることができる。学部学生については特に,国語科教材の検討と開発を行う能力と資質を重点的に高めることができた。大学を卒業し,実際に授業を行う場合,この教材を読み取る能力や開発する能力は即戦力として必要とされるものである。大学院生については特に,「小・中学校授業の観察,分析,評価,改善」という点において臨床的な実践力を習得させることができた。
研究指導
【観点1】学部
学部4年生の指導においては,「聞くことの教育」および「文学教育」に関する研究内容を軸に,国語科教育に関わる臨床的な実践力を習得させることを目的とした研究指導を行った。学部3年生の指導においては,1)国語科教育研究の在り方,2)国語科における諸領域の歴史的検討と臨床的研究の在り方,3)国語科指導に関する現状把握と文献研究の在り方に関わる専門性を高める研究指導を行った。
【観点2】大学院
大学院の指導においては,現職派遣教員のニーズに応えるよう,より高度な教育実践力を修得させることをねらいとした。また,教育実践場面を対象とする「研究法」「分析法」を中軸とした専門的知識の教授を行うとともに,具体的実践的な作業・実習を重視した。修士論文制作に関わる研究指導では,M1生には,文学教育研究を軸とした文献的研究と授業の構築に関する基礎論的な研究指導を行い,M2生には,小学校において展開する音声言語指導の学習デザインの構築とそこでの臨床研究を進めるための方法論に関する研究指導を行った。
その他の教育活動
・ 上越教育大学附属小学校研究協力者
特色ある点及び今後の検討課題等
学部学生の指導にあたっては,担当する授業(初等国語科指導法や中等国語科指導法),ゼミ等の研究指導において,専門領域でもある国語科教育の内容を活かし,教育実習対策と教員採用試験対策も重点的に行った。前者については,国語科における教材研究の方法,学習指導のあり方を中軸として基礎的な点から指導,助言を行っている。後者については,国語科の教科内容に関する情報提供を基本としながら,面接・討議討論に関わる指導,小論文執筆に関わる指導,模擬授業対策を適宜行った。これらは,教育実習対策及び受験対策としてのみ機能するものではなく,学生自身が実際に教職に就き,実践的,臨床的に教育活動を行っていく上で重視されるべき点であると考える。大学院生の指導にあたっては,基本的に「授業研究」「授業分析」の基本的考え方(理念や理論)の教授と臨床場面を想定した具体的実際的な研究の方法,分析の方法に関する意見の交流,情報の交換を重視した。これは,大前提として修士論文研究の基盤を与えることをねらいとしたものであるが,現職派遣教員が,これまでの教育実践を振り返り,今後の教育実践のあり方を考えていく上での指針を与える上で意義があったと考える。この他,独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校での「コミュニケーション」をテーマとした講義を行い,研究成果を実践場面に活用した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況 
論】(1)平成26年3月:話し合い過程の分析と教材化への視点―SCATを援用した話し合い活動の質的分析―,上越教育大学研究紀要,33巻,pp.191-204
学会活動への参加状況
(1)平成26年3月1日:平成25年度「教育の情報化」推進フォーラム, (2)平成26年2月22日:上越教育大学国語教育学会第66回例会, (3)平成25年12月21日:俳文学会東京研究例会, (4)平成25年9月14日:平成25年度日本国語教育学会新潟県支部総会・研究会, (5)平成25年8月6日:日本国語教育学会第76回国語教育全国大会, (6)平成25年6月15日:上越教育大学国語教育学会第65回例会, (7)上越国語連絡協議会顧問
◎特色・強調点等
学部学生の指導にあたっては,担当する授業(初等国語科指導法や中等国語科指導法),ゼミ等の研究指導において,専門領域でもある国語科教育の内容を活かし,教育実習対策と教員採用試験対策も重点的に行った。前者については,国語科における教材研究の方法,学習指導のあり方を中軸として基礎的な点から指導,助言を行っている。後者については,国語科の教科内容に関する情報提供を基本としながら,面接・討議討論に関わる指導,小論文執筆に関わる指導,模擬授業対策を適宜行った。これらは,教育実習対策及び受験対策としてのみ機能するものではなく,学生自身が実際に教職に就き,実践的,臨床的に教育活動を行っていく上で重視されるべき点であると考える。大学院生の指導にあたっては,基本的に「授業研究」「授業分析」の基本的考え方(理念や理論)の教授と臨床場面を想定した具体的実際的な研究の方法,分析の方法に関する意見の交流,情報の交換を重視した。これは,大前提として修士論文研究の基盤を与えることをねらいとしたものであるが,現職派遣教員が,これまでの教育実践を振り返り,今後の教育実践のあり方を考えていく上での指針を与える上で意義があったと考える。この他,独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校での「コミュニケーション」をテーマとした講義を行い,研究成果を実践場面に活用した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成25年11月2日:長崎純心大学比較文化学科公開講座(長崎純心大学)
(2)平成25年9月〜平成26年1月:独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校講師(独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校)
(3)平成25年8月20日:上越教育大学教員免許状更新講習(上越教育大学)
(4)平成25年8月17日:上越教育大学教員免許状更新講習講師(長岡)(上越教育大学)
(5)平成25年8月16日:上越教育大学教員免許状更新講習講師(上越)(上越教育大学)
(6)地域貢献事業「上越地域のエネルギー環境教育の推進とそれに関わる地域ネットワークづくり」(上越市,本学地域貢献事業)
(7)上越国語連絡協議会顧問(上越国語連絡協議会)
◎社会への寄与等
上越教育大学附属小学校における共同研究,指導を重視し,これまでの教育研究の内容を学校現場へフィードバックする活動を行うことができたと考える。