松 田 愼 也(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部授業では,具体的事例を多く紹介するテキストを用いることにより学生の興味関心を高めるとともに,緻密な板書計画を立て,要点をノートさせることによって知識を定着させることを目指した。基礎知識の習得が主目的のため,授業の中には盛り込むことが難しい発展的内容については配布資料によって補った。評価は記述式の小問テストにより基礎的概念の理解度を検証したが,結果は概ね満足すべきものであった。また,学部では1年次生の体験学習として「短歌を作ろう」を担当したが,受講者7人全員が興味をもって取り組んでくれ,成果を合同歌集の形に纏めることができた。
大学院授業では,日本の古代・中世における宗教思想の展開を扱い,日本文化の基盤にある思考方法の特徴を捉えることを目指した。講義に際しては,毎回,テキストに加えて毎回複数の補助資料を配付して,多角的な視点を提供するように努めた。評価は前記目的に従って日本古代・中世思想史を概観した論策を課した。答案では講義内容未消化のものがまま見られ,この点の改善が次年度の課題として残った。
【観点2】教育の達成状況
本年度の学部卒業生は3人である。残念ながら3人とも採用試験不合格であったが,2人は出身県にて小学校の臨時採用教員となった。
本年度の大学院修了生は2人であり,1人は前年度合格していた埼玉県の中学校社会科教員となり,もう1人は出身県である新潟の中学校社会科教員に採用となった。
研究指導
【観点1】学部
学部卒業論文で求められるものは,独創性よりも,むしろ一つのテーマに沿っていかに論理的にわかりやすい文章を書けるかということに重点があると考える。その過程では資料の探索,資料の読解が不可欠であり,これらを通じて教育現場におけるさまざまな課題に対応する能力が養われることは疑いない。本年度の卒業生3人はそれぞれ自らの興味に従ってテーマを設定し,以上の過程をおおむね満足すべき水準で達成した。
【観点2】大学院
修士論文では独創性も重要な要素となってくるが,本年度修了生2人のうち,1人は新潟県津有地域の庚申講に関して丹念なフィールド調査をするとともに先行研究にも幅広く目配りのある質の高い論文を書いた。もう1人は未だ先行研究の少ない富士講関係文献の思想構造の解明に努め新たな知見を開いた。また,本年度の入学院生は近年発見された竹簡を用いた中国古代思想の研究に取り組んでいる。
その他の教育活動
・ ワンダーフォーゲル部顧問として学生の山行の指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
ゼミ指導は基本的に個人ゼミとしてそれぞれの個性の把握に努め,論文執筆において行き詰まった場合などにも気軽に相談できるような人間関係作りに努めた。またクラブ顧問としても,新入生歓迎登山やコンパにはなるべく参加するようにして学生との関係を緊密なものとし,問題が生じることのないように情報の収集に努めた。課題としては,授業では,その性格上講義形式となることは仕方ないとしても,もう少し討議を工夫をできないかという点があげられる。また,ゼミにおいては,次第に個人ゼミの時間確保が難しくなっており,複数ゼミをしながらなおかつ各ゼミ生を個人的に把握していく方法の開発があげられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】(1)平成26年3月:平成の大合併〜上越の過去・現在を綴り未来を探る〜 第七集 上越市高田地区・直江津地区編(監修),上越教育大学(上越教育大学地域貢献事業成果報告書)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市文化財調査審議会委員(上越市教育委員会)
(2)5月〜7月:上越教育大学公開講座講師「はじめての短歌〜実作短歌入門〜」
(3)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)