山 崎 貞 登(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
担当する全ての講義と演習で,受講者に毎回学習シートの記入と,授業者と全受講者に電子メールによる添付提出を求めた。学習シートは,「自己対話の過程」,「他者との対話の過程」,「学習のふりかえり・質問・意見」から構成され,授業者は次回授業までに学習シートを読解し,質問に対する回答送付と反省的授業実践に活用した。
【観点2】教育の達成状況
2013年度の研究室分属卒業生と修了生は,ゼロであった。
研究指導
【観点1】学部
文部科学省編『中学校学習指導要領解説技術・家庭編平成20年9月』,同『評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料【中学校 技術・家庭】(平成23年11月)』,同『言語活動の充実に関する指導事例集〜思考力,判断力,表現力等の育成に向けて〜【中学校版】』,同『学習指導要領改訂のポイント(中学校[技術・家庭]技術分野)平成20年7月義務教育課』で強調されていることに対応し,言語活動の一層の充実を図る実践的指導力の向上に配慮した。
【観点2】大学院
中央教育審議会『育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会』の審議経過を紹介しながら,今後,学習指導要領の構造を,(1)「児童生徒に育成すべき資質・能力」の明確化,(2)各教科固有の概念と複雑な思考活動プロセス,教科固有の知識・技能等,(3)育成すべき資質・能力とセットになった指導方法・学習評価について,臨床的な実践事例を紹介しながら,実践的指導力の向上を目指した。
その他の教育活動
・ 2013年度長岡技術科学大学非常勤講師 担当科目学部「工業科教育法1」
・ 中等教育実習において,教生(「技術」)の研究授業における学習指導案の指導を行った。
・ 2013年度附属中学校「技術」研究指導者として,3回の指導者打ち合わせ会と,研究公開授業及び協議会に参加し,指導助言を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
中央教育審議会『育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会』の審議経過と共に,国立教育政策研究所教育課程研究センターが公表した「教育課程の編成に関する基礎的な研究 1〜6」のうち,実践的指導力の向上と,言語活動の一層の充実に直接関連する点については,適宜授業の中で紹介し,最新の情報を学部生と院生に紹介するように心がけた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成26年3月:イングランドのナショナルカリキュラム「情報通信技術」と「デザインと技術」の学習プログラムと到達目標の変遷過程,上越教育大学研究紀要,33巻,pp.217-235
(2)平成26年3月:防災・エネルギー・リスク評価リテラシー育成の科学・技術連携カリキュラムの開発(共著),平成25年度〜27年度科学研究費補助金(基盤研究C)第1年次研究成果報告書(課題番号25350240)
発】(1)平成26年3月15日:2014年から実施のイングランドのナショナルカリキュラム「Design and Technology」と「Computing」の学習プログラム,日本産業技術教育学会第29回情報分科会(大阪)研究発表会講演論文集
(2)平成26年3月1日:☆英国の技術教育,Technology Education in U.K.,国立教育政策研究所科学研究費助成シンポジウム「ガバナンス能力」等の技術に関する能力の現状と今後の技術教育のゆくえ 第2回「今後の日本を支える技術教育の在り方」
(3)平成25年12月15日:技術の適切な評価・活用の評価規準「A」「B」の判定基準と評価事例−ガイダンスに関する技術の学習評価観点「関心・意欲・態度」を事例に−,日本産業技術教育学会第19回技術教育分科会(愛知)講演要旨集,p.14
(4)平成25年11月2日:「A材料と加工」の技術リスクガバナンスを学習するカリキュラムのデザイン,日本産業技術教育学会第25回北陸支部大会講演論文集,p.22
(5)平成25年11月2日:イングランドの2013年版までのナショナルカリキュラム「Design and Technology」の教育課程構成原理,日本産業技術教育学会第25回北陸支部大会講演論文集,p.18
(6)平成25年11月2日:イングランドの2014年からのナショナルカリキュラム「Computing」と「Design and Technology」の教育課程基準の構成原理,日本産業技術教育学会第25回北陸支部大会講演論文集,p.19
(7)平成25年11月2日:フィンランドの普通教育としての技術科教育の動向,日本産業技術教育学会第25回北陸支部大会講演論文集,p.20
(8)平成25年11月2日:成長率の日長依存性を利用した生物育成に関する技術の教材化の基礎試験,日本産業技術教育学会第25回北陸支部大会講演論文集,p.21
(9)平成25年9月8日:生物関連技術のリスク評価,イノベーションとガバナンス能力育成カリキュラム,日本科学教育学会年会論文集37,2G1-E3,pp.290-291
(10)平成25年8月25日:イングランドのナショナルカリキュラム「Design and Technology」の変遷過程,日本産業技術教育学会第56回全国大会(山口)講演要旨集,2Ha5,p.156
(11)平成25年8月25日:技術分野ガイダンスのカリキュラムのデザインと学習評価,日本産業技術教育学会第56回全国大会(山口)講演要旨集,2Ip1,p.167
(12)平成25年8月25日:システム的思考に基づいた技術・情報教育の体系化,日本産業技術教育学会第56回全国大会(山口)講演要旨集,2Ha1,p152
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)防災・エネルギー・リスク評価リテラシー育成の科学・技術連携カリキュラムの開発(科研費基盤研究C 課題番号25350240),代表者:山崎 貞登(上越教育大学)
学会活動への参加状況
(1)平成26年3月15日:日本産業技術教育学会第29回情報分科会(大阪), (2)平成25年12月15日:日本産業技術教育学会第19回技術教育分科会(愛知), (3)平成25年11月2日:日本産業技術教育学会第25回北陸支部大会(信州大学教育学部), (4)平成25年9月7日〜平成25年9月8日:日本科学教育学会第37回年会(三重), (5)平成25年8月25日:日本産業技術教育学会第56回全国大会(山口)
◎特色・強調点等
2014年3月1日の文部科学省で実施された国立教育政策研究所科学研究費助成事業シンポジウムでの招待講演,平成25年度科学研究費補助金(基盤研究C)第1年次研究成果報告書等をはじめ,2008年版中学校学習指導要領技術・家庭科技術分野の最終目標,技術を適切に評価・活用する能力と実践的な態度(技術リテラシー)を育てるための臨床的実践研究を推進した。さらに,次期学習指導要領の技術分野の改訂に向けた課題と政策形成に寄与した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成25年11月13日:上越市学校教育研究会技術部会指導者
(2)平成25年8月19日:教員免許状更新講習「技術科指導の改善に向けて:指導と教材開発の工夫A」
◎社会への寄与等
2008年告示中学校学習指導要領技術・家庭科技術分野の分野目標は,技術の高度化に対応できる技術リテラシーと,防災・リスク技術評価能力重視に伴い,従来の個別の知識,スキル重視から,技術を適切に評価・活用する能力を最終目標とする大幅な教育改革が行われた。一方,技術分野学校教員の不足,教員養成系大学における技術科教育担当教員の不足は深刻で,新学習指導要領に対応する実践事例の紹介や,実践的指導力を高める事例紹介が少ない。そこで,上越市学校教育研究会では,文部科学省からの最新情報と,実践研究の事例を豊富に紹介することで,上越地区の技術分野教育実践に地域貢献した。