廣 瀬 裕 一(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業は演習形式を主とし,課題を提示して学生個人が探究考察した後,グループで協働して討議検討し,発表する形態を基本とし,学生の興味関心と自発性を高めた上で専門的知見を与えることに主眼をおいている。授業中の発言等で学修の深まり具合はほとんど把握できるが,レポート等をも加えて総合的に成績評価している。
【観点2】教育の達成状況
専門職学位課程の学卒学生についてはほとんどが教員として就職し,力量ある新人教員として活躍している。現職学生については全員が現場復帰し,身に付けた即応力を発揮できる分掌を任されてミドルリーダーとして活躍している。ともに,授業を通して教員としての使命感の高揚,力量の向上,資質の向上があったと考えられる。
研究指導
【観点2】学部
専門科目の「教員の勤務と服務」「生徒指導・進路指導と教育相談」,ブリッジ科目の「教職デザイン概論」では,学校現場で日常的に生起する事例を取り上げ,法的観点と教育的観点から総合的に検討し,適否等を考える演習形式の授業を通して,理論を踏まえた実践的研究を深めさせた。
【観点2】大学院
学校支援フィールドワークの実習と,学校支援リフレクションの省察を密にリンクして,支援の観点を明確にし,連携協力校の課題を明らかにしてその解決方策を提案させた。また,学校支援プロジェクトを学校評価における「学校関係者評価」の当事者性と「第三者評価」の専門性をアウフヘーベンした「第2.5者評価」として意味づけ,学校運営と教育実践を有機的に結び付けた実践力を養成した。
その他の教育活動
・ 学校運営リーダーコースの学生1名の実習(学校支援フィールドワーク)の指導(9月〜12月)
・ 教育実践リーダーコースの学生2名の実習(学校支援フィールドワーク)の指導(9月〜12月)
・ 上越教育大学大学院学生協議会顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
一般に法学者は宗教に疎く,宗教学者は法律に弱いが,専門職学位課程のプロフェッショナル科目「宗教と公教育」は,法学と宗教学の学際的研究をベースとしており,我が国の公教育における宗教の取扱いについて,他では得られない先端的知見を与えることができる。同じくプロフェッショナル科目の「教育公務員の服務・勤務」は教育委員会の人事担当としての実務経験とベースに,教育行政・法学と現場教員の視点から多角的に教員の在り方を考えることができる。ともに,学生の実態に応じた難易度設定が課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成26年2月:2015年度版 必携教職六法(共著),協同出版
論】(1)平成26年3月:教育の紛争 免許法違反事件の続発,週刊教育資料 = Educational public opinion,1290号, pp.21-23
(2)平成26年2月:教育の目的に関する一考察,上越教育大学教職大学院研究紀要,1巻,pp.149-158
(3)平成25年12月:教育の紛争 学校給食と個別の配慮 : 食物アレルギーと宗教的タブー,週刊教育資料 = Educational public opinion,1279号,pp.21-23
(4)平成25年10月:教育の紛争 面接で何を見るか : 人物重視の教員採用試験の在り方,週刊教育資料,1269号,pp.21-23
(5)平成25年6月:教育の紛争 懲戒としての学習課題・清掃活動 : 体罰論議の盲点,週刊教育資料,1257号,pp.15-17
発】(1)平成25年12月20日:☆学び続ける教員,上越市立市立八千浦小学校
(2)平成25年8月19日:法令を踏まえた教育・指導,富山大学教員免許状更新講習
(3)平成25年8月4日:☆〈生きる力〉の育成を支援する教育行政の在り方,日本学校教育学会第28回研究大会
学会活動への参加状況
(1)平成25年11月9日:宗教法学会, (2)平成25年10月11日〜平成25年10月13日:日本教育行政学会, (3)平成25年9月6日〜平成25年9月8日:日本宗教学会, (4)平成25年8月2日〜平成25年8月4日:日本学校教育学会, (5)平成25年6月15日:上越教育経営研究会, (6)平成25年6月8日:宗教法学会
◎特色・強調点等
「週刊教育資料」の連載「教育の紛争」で4論文を発表したが,教育の時事問題等を取り上げ,小・中・高校の学校現場と教育行政の実務経験を踏まえて他の研究者が気付かない視点から論ずるものが多く,政策形成等にも寄与している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成26年2月13日:教師の専門職化フォーラム・コーディネーター(上越教育大学・富山大学・富山国際大学)
(2)平成25年12月20日:八千浦小学校研修会(八千浦小学校)
(3)平成25年8月19日:教員免許状更新講習(富山大学)
(4)黒部市教育振興協議会アドバイザー(黒部市教育委員会)
◎社会への寄与等
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第27条に基づく黒部市教育委員会事務の自己点検に対する学識経験者の意見として報告した内容が,黒部市議会でも取り上げられ,次年度の教育委員会事務の改善に反映した。また,上越教育大学と富山大学,富山国際大学,富山県教育委員会が連携した公開講座を教員免許状更新講習,十年経験者研修としても位置づけ教員のニーズに応じた内容で新しい知見を与えることができ,事後アンケート結果等から受講者に好評であった。