あ と が き


 上越教育大学では,組織,運営,教育研究活動等全般にわたる年次報告書を昭和60年度版(昭和61年12月発行)から作成・発行してきており,この平成26年度版で第30集を刊行するに至りました。このあとがきでは,本年度の年次報告書について各章ごとに総括します。

 第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」に関して,管理運営組織等,学生支援,附属施設等においては概ね順調に取り組まれています。教育・研究組織等に関し,各組織がそれぞれの立場において課題を挙げていますので,本学としてもその内容を見極めつつ,更なる改善を図ります。
 なお,本年度は,特に注目される点として以下のことを挙げることができます。

<国立の教員養成大学・学部(教員養成課程等)卒業者の教員就職率で全国第5位>
 文部科学省が発表した「国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)等の平成26年3月卒業者の就職状況等について」によると,本学の平成26年3月学部卒業者の教員就職率(卒業者数から大学院等への進学者と保育士への就職者を除いた場合の教員就職率)は80.9%で,全国44大学・学部中,第5位であった。
 また,同時に発表された平成26年3月教職大学院修了者(現職教員学生を除く)の教員就職率において,本学は100%で全国第1位となった。

<新ロゴマークとイメージキャラクターの活用>
 本学の広報活動の基本方針に基づき,大学の広報活動を積極的に展開するための取組として,新たにイメージキャラクター「マナーブ・デ・ジョーキョー先生」を学内での公募と投票を経て決定し,平成25年度に決定したロゴマーク「緑の小道」と併せて報道発表した。また,イメージキャラクターの着ぐるみを製作し,平成27年3月の北陸新幹線の開業イベントへの参加を皮切りとして広報活動に活用した。

<「教科内容構成に関する科目」の試行開講>
 国語,英語,社会などの教科の背景にある専門諸科学の内容を,学校教育の学習指導要領等に準拠して子どもに教えるに当たり,専門科目の知識を子どもの発達段階に応じて具体的な教科の教育課程として構成する実践力を培うことを目的として,学士課程に「教科内容構成に関する科目」の授業を新設し,試行的に自由科目として8科目開講した。
 また,平成27年度入学者から,「教科内容構成に関する科目」を免許科目「教科又は教職に関する科目」の選択科目として10教科及び道徳を新設することとした。さらに,テキスト(試行版)の検証を行った結果を基に10教科及び道徳の同科目のテキストの改訂版等を作成した。

<上越教育大学出版会の事業開始>
 出版を通して本学の研究成果の公開を促進するため,「国立大学法人上越教育大学出版会」の事業を開始した。平成26年度は,応募原稿を募集して,教育の法常識に関する著作物1件を平成27年4月に出版することとしたほか,出版会ホームページを作成し,公開した。

 第二章「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」に関して,各教員は教育活動,研究活動,社会との連携活動について,積極的に取り組んでいます。特に近年は,社会的活動状況が増加傾向を示しています。これは,教員の養成のみならず教育研究成果を社会に還元し,地域と共に学びの場を創造するという,本学大学憲章の理念が浸透してきていることの証ではないかと考えられます。また,本年度自己点検・評価書の回収率は94.70%(151人中143人)でした。各教員の教育・研究指導の状況に係る自己点検・評価が授業の内容及び方法等の改善に結びついて欲しいと考えています。

 本編の根拠として第三章に「資料編」を添付いたしました。最後に,本報告書の作成にご協力いただいた教職員各位に対して謝意を表しますとともに,学内外の関係各位からのご意見・ご助言をいただきたく,この場を借りてお願い申し上げます。

平成 28 年 3 月
上越教育大学副学長
大学評価委員会委員長
天 野 和 孝