について・・・!
「学習過程臨床」にいて出来ること 戸北 凱惟 教授 より
教科の学習に多くの時間をさいているのが学校です。学校がつまらないと子どもはどこへ行けばいいのでしょうか。学校の時間を過ごすのが苦痛ならば子ども達の目標は悲惨なものになりかねません。今、学校にはいろいろな課題が投げかけられていますが、これらの課題はこれまでの指導法の単純な積み重ねがうまく機能しなかったところにあります。教師の指導のあり方も問題になってきます。
新コースの1分野に「学習過程臨床」という全く新しい名称を掲げましたが、徹底して学習過程(learning process)に目を向けることにしています。例えば、4年生の子どもたちがひまわりを観察している場面を思い出してください。A子「くびが曲がっていて苦しそうにしているね」、B男「プールのシャワーみたいだね」、C男「地球がひっぱているから重いので曲がっているんだよ」、D子「・・・?」。このような会話文が吉田敦彦の『ホリスティック教育論』に載っていますが、C男の意見だけを取りあげるのが理科です。が、学習臨床では全部の意見を取り上げます。そこから学びの発生を考え、指導法を考えます。
一つの教科にこだわることなく、総合、環境、情報といったテーマの学びの開発も行いますが、基本は学習者の視点から学校というフィールドの中から学びを見、カリキュラムを構成していこうとするものです。
現在のゼミ生の活動状況(戸北研究室tokita@juen.ac.jp)
毎年、D課程とM2の院生は夏はいくつかの学会に出かけ大移動するのが年間の最大の行事になっています。今夏は九大、信州大、横浜国大、獨協大などへ出かけてきました。しゃべりたいことがいっぱいある中で15分か20分のプレゼンを行い、多くの方からご意見をいただき、次に生かすことを考えていきます。行った先で懇親会を始めるのも目的の一つです。いろいろな地域の文化に接することも深い教養を身に付けることになります。
博士課程 1名
(静岡のSさん:フレックスタイムによる)
小学校教育における科学的な気付きのあらわれに関する研究
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修士2年 8名
(静岡のMさん)(道徳担当)教科を通してどのようなジェンダー教育ができるか
(長野のKiさん)総合的な学習の時間における異学年の学び合いで見えてくるもの
(静岡のFさん)保健教材を活用した生物授業の実践から言えること
(埼玉のFさん)地域ボランティアとしての学校参加の実際
(愛知のTさん)(地理教育)絵地図作成から見た子どもの生活空間概念の形成過程
(長野のKaさん)身近な教材で子どもはどこまで考えを深化させることができるか
(長野のHさん)教科書は本当に子どもの思考にコミットしているか
(玉川大のSさん)地域ネットシステムを利用した学びの評価
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修士2年 7名(ゼミをやるごとにテーマは少しずつ変わっていきます)
(長野のAさん)教科を通した自己表現力の育成
→自己表現を促す場の設定と教師の関わり
(石川のKさん)子どもの学習力を異学年の学びから探る
→子ども自らが学ぶ学びの研究
→主体的な学びを促す生徒の関わり合いの研究
(学部からKくん)実験の苦手な生徒へのコンサルティング
(学部から KOさん)環境やエネルギーからみた学校支援活動
→学校支援活動組織(NPO)を活用した学びの様相
(岩手のSさん)生物の授業を通した生徒指導の試み
→教師の願いは生徒の心に響くのか、具体的なノート指導で意見交換がどこまで可能か
(新潟のTさん)生徒の学びからみた中高一貫カリキュラムの提案
→中等教育におけるカリキュラム開発と中学校と高校の接続改善
→中高一貫先進校のカリキュラムと生徒の学びの様子を通して
(長崎のYさん)理科における学習カウンセリングの方法