可視・紫外分光光度計    (島津 UV-240)

○可視・紫外スペクトルを測定する装置です。
 様々な無機イオン(硝酸イオン、亜硝酸イオンなど)や金属イオン、あるいは有機化合物 による吸収スペクトルや、特定波長での吸光度を測定する装置です。多くの物質は紫外線領域 で吸収があります。また、無色の物質でも、化学反応で着色させることができます。 どの波長で、どのような濃さ(吸収の強さ)を示すかを測定することができます。 色の濃さから、物質の濃度を求めることができます。また、金属イオンに どのような原子が結合しているのかを推測できます(できることがあります)。
 この装置を使う時、多くは複雑な化学反応を用いて、無色の物質を有色の化合物に変換します。  その実験はいかにも「化学」で、得られる溶液は鮮やかな青や赤など、とても美しいです。私はこの方法が大好きです。
 可視・紫外分光光度計は比較的単純な構造のものですが、分光系、信号検出系、ブランクの扱い、物質による吸収の法則(補色、ランベルト・ベールの法則)、定量原理などなど、他の機器を用いる分析方法の基礎となることがらがたくさん学べます。そのため2年生の学生実験では、簡易型の装置(シングルビーム式)を用いた定量実験を行ってきました。
 この写真の装置は普段使用している装置です。本学開学当初からですから、もう20年位動き続けています。最近いよいよ必要に迫られて10cmセルを装着できるホルダーを装着しました。部品があって良かったです。デジタルデータが取りだせない(オプションを付けなかった)のが、惜しいところです。この装置は、パソコンの進化の波と無関係ですので、まだまだ長生きしそうです(してほしいものです)。この他に固体の反射スペクトルも測定できる装置もあります。