、、、 先輩からのメッセージです 、、、
 
 新潟県教育委員会より派遣された修了生より
 平成15年度修了 Aさん(新潟県妙高市内教諭)

 平成14年度,15年度の2年間にわたり,新潟県の大学院派遣教員として,障害児教育専攻で学ばせていただきました。
 20年近く小学校(通常の学級)の教師をしていましたが,通常の学級に,特別な学習支援を必要とする児童が在籍していることが少なくありませんでした。担当している学級の中に,特別な学習支援を必要とする児童がいたときは,本を読んだり,研修会に参加したりして,障害児教育について学び実践してみましたが,この支援でよいのか,もっとよい支援方法があるのだろうかということをいつも感じていました。そして,次第に,それらの児童への支援をどのようにしていったらよいのかということが,毎日の教育実践の中で感じる自分自身の大きな課題となってきました。障害児教育については,未学習,未経験であったので,基礎的なことからきちんと学習したい,学習しなければと思い,障害児教育専攻で学ばせていただくことにしました。
 障害児教育についての基礎的な知識がほとんどなかったため,大学院で学ぶことに不安を感じていたのですが,授業内容が基礎的なことから応用的なことへと段階的になっていることや,障害児教育以外の専門分野で学んできた学生や,特殊学級,特殊教育諸学校の経験のない現職教員が多いことなどから,その不安は入学してすぐに,なくなりました。授業の中では,指導法,研究法,検査法,心理,病理など,様々な分野にわたり,多くのことを学びながら,これまでの自分の実践を見つめなおすことができました。障害を多角的にとらえる研究方法は,課題に的確に対応し得るものだと感じました。また,障害児教育実践センターでの臨床指導においては,実際に目の前にいる子どもたちとのかかわりの中で,子どものつまずきを的確に評価し,それを基に有効な支援をしていくことを学ばせていただきました。このような実践を重視した授業で学んだことは,毎日の教育実践を行う上での大きな力になったものと思います。
 大学院では,研究に専念できる時間と場が十分に保障されており,納得のいくまで文献を読んだり,考えたりすることができました。障害児教育講座には,障害児教育における様々な分野の先生がそろっており,多くのことを学ぶことができたことも魅力でした。先生方や仲間たちから,多くの助言や指導をいただきながら学ぶことができました。また,時間的に無理なく,免許状を取得することもできました。
 恵まれた環境の中で,学ぶことができる喜びと学ぶことの楽しさや奥深さを実感した収穫の多い2年間でした。修了後に,あらためて,大学院での2年間が,自分にとってどれほど豊かな時間であったかをかみしめています。このような貴重な研修の機会を与えてくださいました教育委員会の皆様,学校関係の皆様,上越教育大学の諸先生方に厚くお礼申し上げます。ぜひ,多くの皆様が上越教育大学大学院の障害児教育専攻で学ばれることを願っています。
 
 他大学の学部を卒業後,障害児教育専攻に進学した修了生より
 平成15年度修了 Bさん

 私は、岐阜県の中部学院大学で福祉分野を専攻し、特にその中でも障害者福祉を学んでいました。そして、障害がある人の生活保障に焦点を当てながら研究を進めることで、就労や医療などの問題が明らかになり、その諸問題の中でも特に根底になるものが、障害のある子どもの教育の問題だと考えました。そこで、障害のある子どもの教育について研究したいと思い、中部学院大学の小川克正先生に相談しました。そして、研究したい内容を伝えたところ、小川先生から「私自身が身体障害者であるために、調査のようなフィールドワークの研究は大変である。それよりも、歴史研究は資料を収集することで、身体にも負担が少ないだろし、歴史研究は、過去の実態を明らかにするだけでなく、そこからの考え方で現在起きている問題も研究していくことができる」との助言から、特殊教育史の研究ができる上越教育大学の障害児教育講座に入学することになりました。
 私は、河合康先生の研究室に所属し、特殊教育の歴史について研究をしてまいりました。
 まず、1年次は4月から研究のテーマを絞るために、ゼミで関連のある研究論文を読み、その内容を要約して自分の意見や感想を付けて発表をし、11月に行われる構想発表会に向けて研究の方向性を決定していきました。そして、歴史研究は史料が研究の決め手になることから、私の場合は方向性が固まりだすと同時に、史料収集に取りかかりました。また、先行研究論文を集めて整理・検討をしたことで、自分が取りかかろうとする研究の問題点を明確にすることをしました。
 2年次は、更に史料(原本)収集を行い、同時に史料の解析作業に入りました。そして、4月と9月に行われる中間発表会で、解析作業の途中経過を発表し、先生方などから指導・助言をいただき、検討しなおすということを行いました。その後10月から論文の執筆作業に入り、12月上旬に講座内の論文締め切りがあり、加筆・修正が行われ、1月上旬の大学全体の締め切りで論文審査が行われ、同月下旬に行われる講座内の口述試験の結果で論文の合格が決定しました。
 肢体不自由の私が入学した時には、学内もまだ生活しにくい場所が多かったです。しかし、講座の先生方が私の申し出に耳を傾け、学内のバリアフリーに力を入れて乗り出していただいたおかげで、現在では少しずつ改善の方向に向かっていると思います。また、介助者を付けていただいたことで、研究資料の整理など困ったときに手助けしてもらえる人がいたことはとても助かりました。
 現在は学内の施設面も介助者などの人的面も、まだ十分とは言えない状況だと思います。しかし、今後どんな人が入学しても、困っていることを大学と相談することができるようになったのはいいことだと思います。

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