問題1 @下線の問題行動は、反社会的問題行動か非社会的問題行動か、どちらだと考えるか。
模範解答は、反社会的行動。
授業中の私語や学級生活に必要な役割をきちんと果たさないような行動は、学級での秩序ある生活に適応しようとする気持ちが無い状態であり、社会的な生き方に反する行動であると考えられる。注意されたときに「僕だけ注意するのはひどい」と言う反応は、秩序ある生活に関心が無く、ルールがあることを知らなかったのではないことを表している。担任の言うことに反抗的なグループが出てきたり、指示が通りにくくなってきたこととあわせて考えると、担任に対して反抗したい気持ちも表れてきているので、反社会的行動だと考える。
ただし、全て反社会的行動だと判断する根拠は必ずしも十分ではない。
授業中の私語や活動のだらしなさなどは、集団での生活にルールの共有が必要であることを理解できていない、理解しようとする関心を持てていないために生じている問題かもしれないので、その場合には非社会的行動である可能性もないわけではない。
それぞれの問題行動の概念を混乱せずに説明できていれば、非社会的行動であると考えても可。
問題1 Aこれまでをどのように振り返り、今後どのような指導を心がけるか。
振り返り:子ども同士の話合いについて、ルールは明確にされていたか。
一人ひとりの良さを活かす活動と、集団としてのまとまりの学習はバランスがとれていたか。
「大人の会話」をできる親しさと同時に、教師として全ての子どもに目を配り、不平等感を持たせないように配慮できていたか。
女子グループの行動に対して、一人で正義感のみで対応しようとしていなかったか、などについて書いてあれば○
今後の指導:内容に集中できる、興味を持てる授業の工夫
地道に努力している児童へも目を向けて、きちんと認め評価する
グループ間の交流を広げるような活動の導入
他の教師との連携も視野に入れた、学級でのルールの確立、再確認、などが意識されていれば○
問題2 生徒指導提要に示される「生徒指導は、個別的・発達的な教育を基礎とする」とは、どのような意味かを説明しなさい。
生徒は、一人一人が能力・適性・興味・関心など方向性と度合いが異なる実存的=この宇宙において後にも先にも唯一絶対の存在、であ
る。そこで、生徒指導では生徒一人一人の人格を尊重し、個々人の発達に応じた自己指導能力を育成することを基礎とする。なお、その際
には学校生活のあらゆる教育活動(機会)を活用するほか、地域との連携による体験活動の場を通して指導していくこが重要となる。
問題3 生徒指導に活かす「認知療法」について、説明しなさい。
認知療法の基本的な考え方は、「価値観は一つではない」というところにある。例えば、生徒の性格は教師の認知=見方により長所にも 短所にも映る。そこで、生徒をネガティブな視点からの矯正でのみ捉えずポジティブな視点で伸ばす指導をすることが、認知療法を生徒指
導に活かすということである。一方、人間は認知と感情がネガティブな時には思考がネガティブとなり前向きな行動が出てこない。そこで 、認知=物の見方を転換させることで、感情と思考をポジティブに転換させポジティブな行動を促していくことも認知療法を生徒指導に活
かすことになる。 参照:この他、「リフレイミング」や「危機介入」の手法に触れて回答してもよい。
以上です。