教員の紹介
岩﨑 浩 教授
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専門:数学科教育(数学教育学)
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3. 担当講義
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4. 研究内容
研究内容は,主に教科教育実践に関わるものと教育経営や教師教育に関わるものがあります。教科教育実践に関わるものとしては, ①教室をフィールドとし,現職院生,学卒院生,そして各学校の先生方とで協同で行う算数・数学の授業改善やそのための教材開発研究です。 ②算数・数学の授業のマイクロエスノグラフィー:授業で起こっている隠れた現象の意味を言語化・視覚化して捉え,それが児童・生徒の算数・数学の学習にどのようにかかわっているか,その仕組みについて研究しています。 算数・数学の授業を教材や発問とともに,その背後に隠れている授業デザインの考え方や仕組みを解明して,一般化することを試みています. そして,多くの経験を積まなければできない、子供主体の授業,子供同士が直接関わりながら思考を深める授業,特に予想外の子供の反応に即時的に対応し, 子供の問いを軸に指導計画を適切に変更し,実現する理論的視点の開発,数学が持っている教育的価値を子どもの姿として実現する授業の開発を推進しています。 一方,学校現場の喫緊の課題に協働で取り組む「学校支援プロジェクト」で教育現場に入り,各学校において教育改革を共に推進する立場を経験すれば,1つの教室,授業の改善が,各学校,地域,さらには日本の教育政策を中心とする教育改革の仕組みと密接に関係していることが分かります。教育経営の視点が必要であり,特に各学校における日々の校内研修を各教員の授業改善に結実させるためには,各教員が自らの授業実践を省察するだけでなく,それらを共有し,さらに日本の教育改革の方向に照らして改善していくことが大切です。上記の教科教育実践研究と密接に関わりますが,この教員の学び続ける自律的な教育活動を支え,発展させる理論的視点の開発も同時に推進しています。 私の専門分野は数学教育学ですが,フィールドワークを中心とする質的研究方法論やそこから生み出される理論的視点などは,教科の枠を越えて応用できるものもあります。 「学校支援プロジェクト」を中心とする教育実践研究の成果を学会等で発信することも推奨・支援しています。これまで多くの研究論文を学会等で発表してきました。平成24年度と令和2年度には,大学院生を主著者とする学会誌掲載論文が高く評価され,全国数学教育学会学会奨励賞を受賞しました。 (キーワード:算数・数学科,授業研究,教師教育,教育経営,校内研修) |
5.研究室における数学教育研究の特徴
これらの特徴は,「学校支援プロジェクト」という本学教職大学院のカリキュラム(仕組み)にチームが適応する過程で徐々に確立され発展してきたものです。 特に上記(1)「常に学校現場の実践的課題から研究テーマが意識され設定されていることである」という特徴は,修士課程において典型的な研究過程の特徴が「研究者側の課題意識から出発し,先行研究の概観・検討した上で研究テーマを設定し,学校現場で検証を行う」ということであるとすれば,これとは逆の方向であり,修士課程における研究と対照をなす教職大学院における数学教育の研究の特徴であると私は考えています。 [参考文献:岩崎 浩 (2020). 「上越教育大学教職大学院における数学教育学研究の特徴」. 『 日本教科教育学会誌』 第42巻第4号, pp.89-93.] |