教職大学院で何をするか |
教職大学院で何をするか。それは「学校支援プロジェクトという学校現場をフィールドとする1つの教育実践に,協働で参画し,算数・数学教育の立場から,学校現場の抱えている教育課題の解決を図るためのプロジェクト研究をする」ということです。その進め方,基本的な考え方は上で述べてきた通りです。 教職大学院の最も画期的なところは,既存の大学院では修士論文の壁があるために実質的に困難であった共同研究ができるようになった点です。これにより現職院生,学卒院生が学校現場をフィールドとする1つの教育実践に,学校現場の教員の協力を得ながら参画するという,本学独自の「学校支援プロジェクト」を実現していきます。 私自身も,上で述べた基本構想や考え方を1つの手がかりとして,このプロジェクト全体を指揮しますが,学校現場の抱えている教育課題について一緒に考える1人のプロジェクトメンバーという意味では他のプロジェクトメンバーと同じです。学校現場との友好な協力関係と健全な緊張関係を常に維持しながら進めたいと考えています。 複雑な学校現場の教育課題を1人で考えるよりも,経験や立場の異なる仲間が集まり,それこそ1つの運命共同体として教育課題を共有しながら一緒に考える方が有利です。何よりも,一緒にアイディアを出し合いながら教材分析をしたり,目の前にいる子どもたちのために指導案を練り上げたり,工夫を凝らした教材づくりに没頭したり,当該の実践的課題に関わる最新の教育理論や経験について議論していく中で解決の糸口や重要なアイディアが生まれてくることも珍しいことではありません。また,仲間が集まって行う活動は,それ自体とても楽しいことでもあります。 上越教育大学の教職大学院では,共同を「協働」と表現し,本学大学院のコンセプトを表すキーワードの1つとして重視しています。それは,教育現場の複雑な課題は,一人で解決するよりも,協働して解決を図っていくことが大切であり,教育現場においてもますます必要になってきているからです。 このように一緒に活動する中で,自分が何に貢献できるか,また貢献しようと真剣にかかわる中で,立場や経験の相違を超えて,それぞれのメンバーが互いを認め合い,互いに学ぶことができると思っています。 |
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