奈良岡英男さん
東北学院大学教養学部卒業後、平成9年入学
現在、北海道高等学校教員
私にとって上越教育大学大学院での生活は、教員になるための二年間の猶予期間であったと思います。私
は、国立大学教育学部の出身ではなく、学部三年の頃から大学院進学を目指していました。それは、教員とし
て生徒に接するには、幅広い教養や深みのある専門性が私には不足しており、教育学を中心として二年間本
気で勉強したかったからです。
大学院では、勉強を行う時間と場所が十分に保障されており、思う存分研究を行うことができました。教官のみ
なさんも、院生の研究に対して、妥協することなく本気で指導をくださりました。また、共に学んだ現職教員のみ
なさんから、数多くのアドバイスをいただきました。そして、志を共にする友人を得、彼らから色々なことをまなび
ました。このような上越教育大学大学院の特徴を十分に生かし、修士論文も書き上げ、教員採用試験を突破
することができました。
ぜひ、数多くの後輩が上越教育大学で学ぶことを期待します。
森本 明さん
筑波大学自然学類卒業後、平成3年入学
現在、筑波技術短期大学教官
大学4年生の5月に,教育実習で,およそ1ヶ月間,茨城県内の中学校にお世話になりました.学校で数学を教えるはじめての経験でした.教えることがいかに難しいかを知った経験でもありました.この経験がきっかけとなり,卒業研究の合間に,大学院の数学教育の講義に出席させていただくようになりました.数学教育という研究分野があることを知ったのは,このときです.
その後,上越教育大学大学院(修士課程)の数学教室に進みました.同学年19人の院生のうち,私と同じように大学卒業後すぐに大学院に進学してきたものは,私を含め2人だけでした.大学まで,同じような経験をもった同年代のなかまと学ぶことがごく普通だった私にとって,新しい経験でした.小・中学校,高等学校での教職経験をお持ちの先生方とともに,数学教育研究にひたすら取り組む数学教室の先生がたのもとで,数学教育について学べたことは,私にとってとても貴重な経験となりました.上越教育大学の数学教室でこそ得られる貴重な経験だったと思います.
佐藤徳顕さん
宮城県からの派遣として、平成7年入学
現在、宮城県高等学校教員
「あの人上越の大学院行くんだって・・・」と言われ,そんな大変なところ
なのかなぁと思いつつ足を踏み入れた大学院生活でしたが,振り返ると
”楽しかった”の一言。そして,出会いと話題には事欠かない2年間でした。
北は北海道,南は沖縄の全国各地,果てはどこか東欧から学会のため,
来日ついでに寄ってくれ,講義までしてくださった先生まで多くの人々と出会い。
授業やゼミでの教育論の応酬。旨い肴と蕎麦と酒を囲んで研究テーマの錬り合い。
研究に行き詰まったときのリフレッシュには最高のスキーと温泉の日々・・・。
普段の学校での毎日とはかけ離れた生活の日々ですが,
現場に戻ってみると,全ての体験が何らかの形で生徒に還元できているように思えま
す。普段から研究熱心な先生は,自分の凝り固まった頭脳を改めて解きほぐす願ってもな
い場だと思います。私は高校に勤めていて数学の授業を振り返るなんて通り一遍のこと
しかしてこなかったし,まわりの先生方も何となく経験と勘に後押しされてやっている
と言う感じでした。でも小中の先生方と気の済むまで話すことができた2年間は,自分の授業への取り組みを変えたように感じます。教師として如何に無知であったかを知らされ,猛省とともに数学の授業
場面を詳細に分析していく研究のおもしろさと楽しさに浸り,修士論文を書き終える
と2年の歳月が流れていました。
2年という時間は長くもあり短くもあります。生かすも殺すも自分次第ですが,ど
んな過ごし方
をしても自分に返ってくるものと生徒に還元してあげられるものを手に入れることが
できる2年間です。
さぁ,そこのあなた,上越で2年間を過ごしてみませんか?