小学校で,算数を教えるためのバックグランドとなる数学的知識を持ってもらうことが本講義の目的である.例えば,円の面積はなぜ $\pi r^2$ で求められるのか.錐体の体積の公式 $\dfrac{1}{3}Sh$ に $\dfrac{1}{3}$ があるのはなぜなのか.そういったことについて,自分自身が知らないことをこどもたちに教えられるだろうか.自信を持って教えるためには,バックグランドとなる数学的知識が必要である.この授業では,そういったバックグランドを予備知識を必要としない形で伝えたい.
なし
和の計算 | 自然数の和,平方数の和,立方数の和の求め方を解説する.かけ算九九の表の合計を用いて立方数の和と自然数の和の平方が等しいことを理解する. |
放物線で囲まれる図形の面積 | 平方数の和の公式を用いて放物線で囲まれる図形の面積を求める. |
円周率と円の面積 | 円の面積の公式について考察する.円周率の求め方についても解説する. |
円錐と球の体積,球の表面積 | 底面の面積が $S$ で高さが $h$ の錐体の体積 $V$ は $V=\dfrac{1}{3}Sh$ で与えられることを解説する.さらに,半径 $r$ の半球の体積と半径 $r$ で高さ $r$ の円錐の体積の和は半径 $r$ で高さ $r$ の円柱の体積と等しいことも解説する.最後に球の表面積の求め方についてもふれる. |
小テスト,試験による.
なし
担当授業科目一覧へ線形代数について,ベクトルと行列に関する基本事項を解説する.ベクトルと行列の計算,連立1次方程式の計算,逆行列の計算ができるようになることを目標とする.
特になし.
平面のベクトル | ベクトルの加法,減法,スカラー倍と成分表示について復習する. |
ベクトルと行列 | 一般次元の数ベクトルについて,加法,スカラー倍を定義し,その演算法則について述べる.一般のサイズの行列について,加法,スカラー倍,行列の積を定義し,その演算法則について述べる. |
連立1次方程式 | 行列の基本変形について解説する.応用として,一般の連立1次方程式の解や逆行列を求める. |
レポートと試験による.
「線形代数入門」内田・高木・剣持・浦川著,裳華房.
担当授業科目一覧へ線形代数について,基礎線形代数学で学んだベクトルと行列に関する基本事項を基礎として,ベクトル空間の基本的概念,線形写像の固有値等の内容を解説する.
特になし.
ベクトル空間 | 数ベクトル空間における,1次結合,1次独立,1次従属,部分空間,基底,次元等の基本概念を解説する. |
行列式 | 行列式を定義し,その基本的性質を解説する. |
固有値 | 線形写像の固有値,固有ベクトルを定義し,固有値が固有方程式と呼ばれる代数方程式の根になることを解説する.さらに,固有値が相異なる場合に行列が対角化可能であることについて述べる. |
試験による.
「線形代数入門」内田・高木・剣持・浦川著,裳華房.
担当授業科目一覧へ現代数学を学ぶうえで欠かすことのできない「集合」と「位相」について、それぞれその基礎的な部分を理解することを目標とする。集合,写像,ユークリッド空間の位相についての基本的なことを解説する。
特になし.
1 | 集合 |
2 | 単射と全射 |
3 | 濃度 |
4 | 直積集合 |
5 | 同値関係 |
6 | 実数の連続性 |
7 | ユークリッド空間における距離 |
8 | ユークリッド空間における開集合と閉集合 |
9 | 内部と閉包 |
10 | 連続写像 |
11 | コンパクト集合 |
12 | 一様連続性 |
13 | 代数学の基本定理 |
14 | コンパクト集合の直積 |
15 | 連結集合 |
試験による.
「はじめよう位相空間」,大田春外,日本評論社.
担当授業科目一覧へピタゴラス数をすべて決定することから出発し,代数体の整数論を講義する.
ピタゴラス数とガウスの整数環 |
フェルマー予想のn=4の場合の証明 |
フェルマー予想のn=3の場合の証明 |
代数的数と代数的整数 |
代数体 |
代数体の整数環 |
代数体のイデアル |
類数の有限性 |
イデアル論の基本定理 |
レポートによる.
素数と2次体の整数論,青木昇,共立出版
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