事業概要 事業概要

1.趣旨

深刻の度を増すいじめ問題の克服のため,国は,平成25年9月28日から新たに「いじめ防止対策推進法」を施行し,学校,教育委員会等の学校関係者に一層の努力を促していますが,社会全体としても,今までにない学校関係者への支援を行うことが求められています。そのような中,教育大学は,いじめ問題に適切に対応できる教員を送り出すだけでなく,その専門的な知見を生かして,これまでより一歩進んだ支援を行うことが,その社会的使命であると考えます。

これまでも個々の大学教員レベルでは,教育委員会等からの要請に応じて,会議の委員や個別ケースのアドバイスなどが行われていました。しかし,今後は大学として,より組織的に,さらには学内外のネットワークを駆使して支援していく必要が高まってきています。そこで,いじめ問題に関して特色ある取組を行っている4大学(宮城教育大学,上越教育大学,鳴門教育大学及び福岡教育大学)が,協働参加型のプロジェクトである「BPプロジェクト(いじめ防止支援プロジェクト)」を立ち上げ,関係機関・組織の協力を得て,教育委員会や学校の教育力向上のための,各種支援事業,教育研究事業,研修事業等を実施することとしました。

なお,本事業は,いじめ防止対策推進法第3条及び第18条の趣旨に合致するものであり,平成27年度文部科学省特別経費(プロジェクト分)の新規事業として認められ,実施するプロジェクトです。

この取組が,全国に広がり,いじめ問題の改善の一助になればと願います。

※BP(Bullying Prevention:いじめ防止)

2.構成大学

■宮城教育大学
http://www.miyakyo-u.ac.jp/

■上越教育大学
http://www.juen.ac.jp/index.html

■鳴門教育大学  ※世話機関・事務局:いじめ防止支援機構(BP-CORE)
http://www.naruto-u.ac.jp/research/bpproject/

■福岡教育大学
https://www.fukuoka-edu.ac.jp/

3.協力団体

■国立教育政策研究所
http://www.nier.go.jp/

■日本生徒指導学会
http://www.jagc.jpn.org/

■公益社団法人日本PTA全国協議会
http://www.nippon-pta.or.jp/

4.事業

プロジェクトは,個々の大学の特色を生かし,次のような事業を連携・協力して行います。なお,平成28年度以降に行う事業も含みます。

(1)支援事業

  • 1.教育委員会のいじめ防止対策支援(法に基づいた教育委員会会議への参画等)
  • 2.教育委員会の研修支援(講師の派遣,研修内容のアドバイス等)
  • 3.学校へのいじめ予防に関する教育支援(予防に効果的な授業等の紹介)
  • 4.事件など個別ケース相談支援
  • 5.子供の自己信頼心や社会性向上教育支援(いじめの背景にある現代的な子供の特性に対応した効果的な教育の紹介)

(2)教育・研究事業

  • 1.いじめ問題に強い教員養成システム開発(大学・大学院の授業改善)
  • 2.いじめ関係研修プログラム開発(教育委員会等が行う効果的な教員研修プログラムのコンテンツを収集し,提供する)
  • 3.いじめ予防・対処・研修関連情報をWebで全国に発信(学校が行う効果的な予防的教育の事例,事件が発生した際の教育や対処の事例等を収集し,Web等で広く提供する)
  • 4.シンポジウムの開催(教育研究の成果は,下記(3)の研修内容も含め,シンポジウムを年1回開催し共有する)

(3)研修事業

  • 1.教育委員会研修担当者・教員等への研修(いじめ問題関係の教育委員会研修担当者や学校教員等を対象とした研修会)を年1回,全国4か所(仙台,新潟,徳島,福岡を予定)で開催。

5.実施組織

本プロジェクトの実施に当たっては,次の会議を開催します。会議には協力団体に同席を依頼することがあります。

(1)学長会議

  • ・本事業の実施要項等,重要事項について決定,合意等を行います。

(2)代表者会議

  • ・本事業の実施計画の立案を行います。
  • ・本事業の費用配分について協議を行い決定します。
    各大学の担当理事,局長,部課長及びセンター長等
    議長:鳴門教育大学担当理事(いじめ防止支援機構長)

(3)協議会

  • ・本事業の個別事業について企画・立案及び実施を行います。
  • ・必要に応じて専門部会を置くことができます。
    各大学の企画担当代表教職員2~3名
    議長:開催大学

参考:いじめ防止対策推進法(抄)

(基本理念)

第3条 いじめの防止等のための対策は,いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み,児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう,学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。

2 いじめの防止等のための対策は,全ての児童等がいじめを行わず,及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため,いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。

3 いじめの防止等のための対策は,いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ,国,地方公共団体,学校,地域住民,家庭その他の関係者の連携の下,いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。

(いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上)

第18条 国及び地方公共団体は,いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援,いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう,教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上,生徒指導に係る体制等の充実のための教諭,養護教諭その他の教員の配置,心理,福祉等に関する専門的知識を有する者であっていじめの防止を含む教育相談に応じるものの確保,いじめへの対処に関し助言を行うために学校の求めに応じて派遣される者の確保等必要な措置を講ずるものとする。

2 学校の設置者及びその設置する学校は,当該学校の教職員に対し,いじめの防止等のための対策に関する研修の実施その他のいじめの防止等のための対策に関する資質の向上に必要な措置を計画的に行わなければならない。

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