記録編 ボストン
ボストン コンピュータ博物館
Computer Museum
上越教育大学・院 社会系
(長野県須坂市立相森中学校) 麻田正明
1 コンピュータ博物館の設立
 ダウンタウンの東側、ミュージアムワーフの一角のコンピュータ博物館を訪問した。運河に面したレンガ造りの建物は子ども博物館も併設、5・6階が展示フロアになっている。
 本館はコンピュータのみを専門に扱った世界最初の博物館である。コンピュータの技術革新の足跡を保存していく目的で、1982年に非営利団体としてコンピュータ博物館が設立、84年に現在の場所に移転された。96年にはこの博物館の展示や研究を充実させていくために、コンピュータ博物館歴史センターがカリフォルニア、シリコンバレーに設立され、世界中のコンピュータに関するリソースセンターになっている。
 ここでは展示と教育プログラムによって世界中すべての人々に対して、コンピュータについての理解を高めることを目的とし、170以上のインタラクティブな展示をしているのが特徴である。
ボードの模型
壁いっぱいを使って展示された
巨大なボードの模型
  2 館の運営
 館の運営は財団や団体、企業等からの寄附が19%、一般の入場料が21%、法人・個人会員費の12.5%、イベント等46.5%、ほかからの収入によっている。会員には、個人が国内45州、世界13カ国からの900人、法人は全世界からの110社が登録している。年間入場者数は135,000人で家族連れや学級単位での入場が多く、45%が子どもたちである。
 本館展示は7つのコーナーから構成され、コンピュータ黎明期から始まって最新のハードウェアやソフトウェアなど約2,000の機器類がある。各コーナーには写真やビデオ、説明パネル、ジオラマのほか、キーボードを通して会話ができるコンピュータや、瞬時に身長を測定するコンピュータ、動くロボットなどがあり、体験を通して楽しみながらコンピュータに対する興味関心を高めたり、理解を深めたりすることができる。フロアの各所に係員がいてサポートする体制も整っている。
 ハードやソフトの各メーカーがスポンサーになって提供し、調和のとれた展示になっている。博物館のコンセプトや展示方法など一日の長があることを痛感した。