テーマ別編 中学校 2/10
多民族・多文化のアメリカ合衆国(エスニックグループの生活)
上越教育大学・院 社会系
(長野県須坂市立相森中学校) 麻田正明
[2] チャイナタウン
 アメリカの大都市にはたいていあるというチャイナタウンであるが、ボストンではダウンタウンの南東、南駅の近くにあり、国内では4番目の規模であるという。地下鉄にはチャイナタウン駅もある。地下鉄オレンジラインに乗るととたんに中国系の人が増え、そこから町の雰囲気が変わって感じられた。町の東側には、台湾政府から贈られたといういかにも中華風の正門があり、そこから先の通りは、赤と黄色の配色が目を引く漢字で書かれた看板だらけになる。
露店が並び大勢の人々で賑わう通り  訪問した8月16日はちょうど「8月の月祭り」の日で、通りは歩行者天国になり、メインストリートを獅子舞と蛇踊りが太鼓に合わせて踊り歩いている。人出で大混雑し、ほとんどは中国語で話している。警備の警官も中国系の顔つきで英語と中国語のバイリンガルだったのが象徴的だった。食品や中国の生活雑貨の屋台だけでなく、電気店、旅行会社やCD店、医院や銀行までも露店を並べている。商品チラシの他、ミニコミ紙や新聞を配っていたり、長江水害への募金活動、在外中国人に対する暴力事件への抗議署名集めをしたり、カラオケ大会やバイリンガルスクールへ通う子どもたちの合唱披露などイベントで盛りだくさん。祭りが、単に集まって騒ぐだけではなく、中国人コミュニティーにとって重要な文化活動や情報交換の場になっていることが感じ取れた。
写真-2 露店が並び大勢の人々で賑わう通り