私たちの利用したボストン〜ニューヨーク間を走っているノースイーストダイレクト社の一日の運行本数は、10本程度であったが、東海岸には、同様の列車を走らせているサービスが他に13社もある。つまり、一日に100本以上の列車が運行されていることになる。
中央部では、少し少なく7社。
西海岸では更に少なく3社である。
また、カナダでは、かつてのカナダ太平洋鉄道(C. P. R)、カナダ国有鉄道(C. N. R)が経営不振で、旅客部門だけを切り離して独立させ、VIAとして再生しているが、アムトラックは、VIAと共同でアメリカ合衆国とカナダ間に国際列車を走らせることまでしている。
日本では、国鉄の累積赤字による分割民営化や、新たに誕生した第3セクター鉄道の経営問題などが生じている。ところが、アメリカ合衆国では、なぜ、経営建て直しができたのか。なぜ少ない運行本数でも経営が成り立つのか。などといった視点で、授業展開をしてみるのも面白い。具体的には、アメリカ大陸の地誌のなかで、鉄道問題を都市問題と関連させて取り扱うことができる。
将来的には、総合的学習の時間を活用して、インターネットを活用した主体的な取り組みの授業を展開する際のテーマになり得る。
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次に、(3)航空交通である。
今回の米国理解プロジェクトでは、移動はほとんど航空機を利用した。
具体的にはアメリカ合衆国の4大メガキャリアの一つであるである、ノースウエスト航空をすべて利用した。(図―1)
いわゆる、キャリアのハブ空港をフルに活用して、航空会社の営業効率をあげていることになろう。
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図ー1 プロジェクトの航空路
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ハブ空港というのはハブ・アンド・スポーク・システムから出た言葉で、航空会社が車輪の軸と輻のように拠点の都市・空港を中心してそこから放射状に地方に路線を運行するシステムの中心となる空港のことをいう。図―2の◎の空港がハブ空港である。
航空会社は、便数を増やさずにサービス可能な都市を大幅に増やすことができ小都市や低需要路線でもサービスを経済的に供給できる。
一方、旅客は乗り換えの手間は多少掛るが、すべての都市に飛ぶことが可能になる。
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図ー2 ハブ・アンド・スポーク・システム
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