記録編概要

タイトル

 記録編では、ミネアポリスを五十嵐雅樹が、ピッツバーグを佐藤洋が、ニューヨークを金今義則が担当し、各地区の概要と行程を中心にまとめた。また、ミネアポリスのヘーゼルデン財団について葛西賢太が、ピッツバーグのホームステイの様子について姉崎達夫、大島薫、澤田靖が報告している。
 
1 ミネアポリス
 ミネアポリスのあるミネソタ州は、スペリオル湖の西部に位置しカナダに接する州である。州全体としては大豆、大麦などを生産する農業州であるが、工業面でもメサビ鉄山があり、製造品出荷額は全米18位である。ミネソタ州の州都はセントポールであり、ミネアポリスとともにツインシティーとして発展している。このツインシティーは、モールオブアメリカ、スカイウェイの建設、ニコレットモールの整備など特徴ある街づくりを行っている。ミネソタでの調査は、モール・オブ・アメリカ、ヘーゼルデン財団、ギブズ・ファーム・ミュージアム、レンビルの農場を中心に行った。ツインシティーの街づくりとミネソタの農業を中心に報告を行っている。
 また、ヘーゼルデン財団については、葛西賢太が報告を行っている。アルコールをはじめとする各種薬物等への依存を抱えた人々のための、回復施設であるヘーゼルデンについて、その思想的背景からアメリカ合衆国の民族的・文化的多様性に迫っている。
 
2 ピッツバーグ
 ピッツバーグは、アレゲニー川とモノガンヒラ川が合流してオハイオ川となって流れる水陸交通の要地で、ペンシルベニア炭田の石炭とメサビ鉄山の鉄鉱石により、古くから鉄鋼業が発達した街である。第二次世界大戦中は、全米鉄鋼生産高の4割を占めたが、工場から出される煤煙で「煙の町」と呼ばれる問題もあった。現在では、再開発が行われハイテク産業を中心に発展し住みやすい町となっている。ピッツバーグでの調査は、浄水場やUSXなどの製鉄業の歴史を中心に行った。スティールツアー、USXでの聞き取り調査を中心に報告を行っている。
 ピッツバーグでのホームステイは、ホームステイ初体験の者が多く、それぞれ貴重な体験をすることができた。本報告では代表して姉崎達夫、大島薫、澤田靖が報告を行っている。
 
3 ニューヨーク
 ニューヨークは、移住してきたオランダ人と先住民(インディアン)との抗争、オランダとイギリスの戦争などの歴史的経過を経ながら現在に至っている。現在では、マンハッタンを中心に発展し、経済、金融、文化の各面において世界の中心となっている。ニューヨークでの調査は、ウォール街、ニューヨーク証券取引所、国際連合本部を中心に行われた。特に国際連合本部では、日本語ガイドツアーに参加したり、国連日本政府代表部の渡部氏からお話をうかがったりした。渡部和男氏からは国連の役割や現在抱えている問題から、国連日本人職員や日本の中学生に向けてのメッセージに至るまで丁寧にお話をしていただけた。その内容を中心に報告を行っている。