国語学演習C
Seminar on Japanese Linguistics C

科目番号 3417 学期 前期 曜日・時限 火・5/
標準履修学年 学部3年 単位 S2 履修方法 選択
専攻・コース 教室 人201
科目区分 専門科目 専門科目 教科・領域教育専修 言語系コース 国語分野
担当教員 野村 眞木夫
備考 オフィス・アワー(会議・出張時は除く、アポイントメントをとることが望ましい) 野村 眞木夫(火18:00〜19:00)
履修条件 平成12年度以降入学者

授業概要・目標
テーマ:「現代日本語のコミュニケーションと談話分析の方法」
 日本語の話し言葉(談話・会話)を記述・分析する方法の基礎を修得することを目的とする。
 われわれは日常的に言葉によるコミュニケーションをおこなっている。その言葉には,文字言語の
みならず音声言語が重要であり,コミュニケーションの手段として共通する属性をもつ。さらに言語
外情報・非言語行為もこれに深い関係をもつ。この演習では,現実に行われている談話,すなわち音
声言語に注目し,その「まとまり」(構造)がどのような仕組みになっているのか,またその「はた
らき」(機能)がどのように分析できるのか,文字言語と音声言語の共通点と相違点にどのようなも
のがあるのか,などを具体的にさぐる。実際のデータに即した,きめ細かな考察をもとめる。談話資
料は,受講者がそれぞれ収集・記述し,分析の観点についても教科書の中から決定する。
 記述・分析・検討などは,グループによる作業と個人による作業とを組み合わせる。
 授業分析(プロトコル分析)等を行う際の基礎的な技術を習得することにも配慮する。
履修条件・注意事項
VTR類,テープレコーダー類を使用する。消耗品は,履修者が用意するものとする。
授業計画の(8)までは講義を基調とし,(9)以降はグループおよび個人による活動とする。
履修者の数を制限する場合があり,また履修者の人数により授業計画の一部を変更する可能性がある。
授業計画・内容
(1) 談話とその理解(この授業の目的)
(2) 談話とコミュニケーション
(3) 談話の要素
(4) 談話の仕組み
(5) 談話のまとまりかた
(6) 談話資料を作成する技術・機材・ソフトウェアおよび倫理
(7) 談話資料を分析する観点,諸問題
(8) 談話資料を分析する方法・ソフトウェア
(9) 談話資料の収録(作成)
(10) トランスクリプションの作業
(11) トランスクリプションのチェック
(12) 分析対象・観点の提示と予備的な分析およびその検討
(13) 資料の分析と記述の作業
(14) 分析の結果の提示(発表)とその検討・議論の展開
(15) 議論に基づく再検討
成績評価の方法
作業への参加状況,発表・質疑への参加状況,レポートを総合して評価する。
部活動等で欠席する場合は,顧問教員等の捺印がある書面を提出すること。
教科書・参考書
教科書:佐久間まゆみ他編(1997)『文章・談話のしくみ』おうふう(\2,000)

参考書:寺村秀夫他編(1990)『ケーススタディ 日本語の文章・談話』おうふう
    茂呂雄二編(1997)『対話と知:談話の認知科学入門』新曜社
    南不二男(1974)『現代日本語の構造』大修館書店
    ザトラウスキー(1993)『日本語の談話の構造分析』くろしお出版
    メイナード(1993)『会話分析』くろしお出版