臨床心理研究セミナー I
Research Seminar on Clinical Psychology: I

科目番号 5244 学期 通年 曜日・時限 火・4/火・4
標準履修学年 大学院 単位 S4 履修方法 選択
専攻・コース 教室 教員研究室
科目区分 専攻科目 専門セミナー 臨床心理学に関する科目 臨床心理関係
担当教員 内田 一成・加藤 哲文・五十嵐 透子・藤生 英行・角田 京子・宮下 敏恵・井沢 功一朗
備考
履修条件 平成12年度以降入学者

授業概要・目標
 これからの心理臨床家は、実践から有効なモデルや理論の構成を行い、その客観的な有効性を
社会に向けて提示していくことも必要とされてきている。それ故、この授業では各院生の関心の
ある臨床心理学的なテーマを科学性と実践性を兼ね備えた真の実践科学研究へと発展させていく
ことができるようにしていくをねらっている。
履修条件・注意事項
臨床心理学コースの院生。
授業計画・内容
1〜30
臨床心理士資格を持つ専任教員のゼミに参加し、概要で述べた内容に沿って研究を進め、修士
論文の作成にむけて指導教員による個別指導、セミナー参加者(臨床心理学研究セミナー Uの
受講者も含む)とのグループ指導を行う。また、コース全体として、修士論文構想発表・審査
会を行う。

なお、ゼミの選択の手がかりの1つになる各教員の研究・教育の領域、主要業績等を以下に示す。

五十嵐 透 子
Practitioner & researcher のスタンスから,不安障害をはじめとする精神障害への臨床心理学研
究を行っている。また,バイオ・サイコ・ソーシャルモデルを基礎としたヘルスサイコロジーの観
点から,様々な組織(医療・教育・高齢者など)のヘルスプロモーションとリエゾン・コンサルテ
−ション精神保健活動による介入研究と比較文化的研究を進めている。

井 沢 功一朗
 昨年までは主に境界性パーソナリティの問題について,生物学的,心理学的側面からの研究を行っ
てきた。今後も引き続きパーソナリティとその問題についての研究を続けると共に,思春期以降に
顕在化する様々な問題群について,「多重衝動性嗜癖」という観点からのアプローチを試みたいと
考えている。その際に,認知行動的視点に加えそのような問題群の背景にある社会的文脈について
も考察を深めたい。

内 田 一 成
 幼児・児童・生徒の心理的障害の査定方法の開発研究,心理的障害の成立メカニズムの解明とその
メカニズムに即した心理療法技法の開発研究。組織的心理臨床アプローチの開発研究。主著:監訳
『第14版ヒルガードの心理学』(ブレーン出版,2005),共編『福祉臨床心理学』(講座臨床心理学4,
コレール社,2002),単著 『自閉症児の常同行動に関する行動病理学的研究』(風間書房,1995)。

加 藤 哲 文
行動・情緒障害,発達障害をもつ児童・生徒への学校や家庭・地域社会での適応支援に関する臨床
的心理学的研究。特に,学習障害,ADHD,自閉症,不登校や社会的ひきこもりなどのある児童
生徒とその家族支援に関わる問題や,学校・教員への行動コンサルテーションの方法論の研究を行
っている。

角 田 京 子
統合失調症の多彩な精神心理現象について,精神病理/異常心理と精神生理/正常心理の両方を措
定しながら,その人間学的意味を理解し治療的対応を考えることを目指している。現在は,心理学
上の概念が多様化した両価性と,臨床や心理教育において問題になっているアウェイクニング現象
の2つを,研究テーマに取り上げている。

藤 生 英 行
 問題行動を行う児童・生徒について,認知行動的視点からの実践および研究を行っている。最近は,
全校生徒を対象とした,児童・生徒のメンタルヘルスのサポートシステムについての研究を行って
いる。

宮 下 敏 恵
主として不登校の児童・生徒に対して,イメージや遊びという観点から実践を行っている。また
「〜ない」,「〜しないといけない」という否定文の作用を通して,感情・感覚・行動の制御に関
する研究を行っている。さらに最近は教員のメンタルヘルス,教員の指導態度向上についての研究
を進めている。
成績評価の方法
各担当教員ごとの個人提出レポートや修士論文構想発表・審査会の内容により、総合的に評価する。
教科書・参考書
各担当教員が随時紹介する。