西洋美術史特論


科目番号 5745 学期 後期 曜日・時限 /火・4
標準履修学年 大学院 単位 L2 履修方法 選択
専攻・コース 教室 美410
科目区分 専攻科目 専門科目 芸術系教育に関する科目 美術関係
担当教員 風巻 孝男
備考
履修条件 平成12年度以降入学者

授業概要・目標
  ドイツにおける古典主義,ロマン主義の美術活動を,当時の思潮に照らして考察する。中世からバロ
ックに至る時代様式の一貫した流れは,18世紀中葉に途絶え,流派や個人様式が抬頭する。ロココのア
ンチテーゼとしての古典主義,古典主義の落し子としてのロマン主義,18世紀中葉から19世紀初頭にか
けてのこの二つの動向に,19, 20世紀美術へ直結する新たな局面が認められる。ルンゲはすでに抽象美
術の到来を予言し,フリードリヒの絵画は抽象的表現と見做された。復古主義的動向と革新的動向とが
織り成す1800年前後の美術活動を眺め,理念と実践について解説する。
履修条件・注意事項
特になし。
授業計画・内容
第1回  ロココ的アレゴリー (1)ベルサイユ宮殿
第2回            (2)ヴェルツブルク宮殿
第3回  ヴィンケルマンの「模倣論」
第4回  メングスの絵画論とロココ的古典主義
第5回  シュトゥルム・ウント・ドラング
第6回  円熟した古典主義……K. Ph. モーリッツの『神話』とカルステンス 
第7回  カルステンス<<夜のその子ら>>
第8回  古典主義的風景画とロマン主義的風景画
第9回  フリードリヒ・シュレーゲルの神話論
第10回  ゲーテとフリードリヒ
第11回  フリードリヒの『四季』連作
第12回  ルンゲの『一日の四時』連作
第13回  ナザレ派の画家たち
第14回  ナザレ派の壁画制作
第15回  デュッセルドルフ派,ビーダーマイアー
成績評価の方法
成績評価の方法
教科書・参考書
拙稿『カルステンス<<夜のその子ら>>』,『C. D. フリードリヒとJ. A.コッホの風景画』,
『ドイツ・ロマン主義美術の三つの相』,『ゲーテとフリードリヒ』等。