"Learning about Teaching"では、ビデオの左に発話記録が表示されるが、残念ながらここではそうした記録は収められていないようである。
メニュー画面から「生徒の作業」の画面を選ぶと、今度は次ページのような状態になる。左側には生徒の名前と授業の回数(1回目〜3回目)がクロスされた表があり、印の部分をクリックすると、当該生徒のそのときのワークシート(画面中央)あるいは2人での作業のビデオ記録(画面右上)が現れる。
メニューから「重要な事柄」を選ぶと、今度の画面では二つのビデオ記録が 現れる。左側は授業の重要な場面のビデオ記録であり、右側はそれに対する教師のコメントである。これにより、その場面で起こったことと平行して、そこで教師が考えていたことを知ることができるようである。
このCD-ROMにはほかに、教師へのインタビュー、今回の授業に関係しそうなNCTMスタンダードからの抜粋、参考文献のリストなども収められている。また利用者自身がメモを書いて残すことも出来るようになっている。
コブ氏は教師前教育の講義の中で、このCD-ROMを使っていた。2〜3人の学生ごとに1枚のCD-ROMを渡すとともに、各グループごとに具体物の利用とかシンボルの役割といったテーマを決め、CD-ROMに収められた授業の記録を自分のテーマに沿って考察するというレポートが課されたのである。また、別のスタッフは、こうしたCD-ROMの教師教育における効果についての論文も発表している。彼らは他にも、LD児を含む小学校2年生で答えが11になる式や物語を考える授業や、小学校中学年の資料の整理についての授業などでも同様のCD-ROMを開発しており、以前本誌の記事でも触れたように、現在進行中の統計教育のプロジェクトでも作成が予定されているようであった。
なお、このCD-ROMを小学校の先生方に見てもらう機会があったが、授業の様子や子どもたちの活動がわかりやすい、という感想を聞くことができた。