The Interaction of Short-Pulsed Lasers with Matter

研究について

光を使って物質の性質を調べる研究のほかに、物理教材の研究も行っています。卒論、修論ではどちらかを選択しますが、物理教材の研究を選ぶ学生が多いです。どちらの場合でも、研究を進める中で、課題を見つけたり解決したりする力や、ほかの人にわかりやすく説明する力などを身につけることができると思います。少しでも研究の楽しさを味わってもらえたらと思います。

物理教材

物理が関係していれば、なんでもトライしていきたいと考えています。これまでの卒論題目修論題目をご覧ください。普段あたりまえだと思っていることでも、詳しく調べると見えてくる発見や、身近な現象の中に潜む物理などを教材にしていきたいと考えています。

光と物質の相互作用

超短パルスレーザーを使った非線形分光法を用いて、固体における超高速現象の研究を行っています。特に、励起パルス列の時間間隔や偏光、相対位相を制御することで、固体中の電子の量子状態を精密に制御・測定することに興味があります。最近は、試料として半導体量子ドットなどのナノ材料の物性に注目しています。そのため、近接場顕微鏡を用いた超解像測定にも取り組んでいます。


ミラーなどの光学部品を並べて実験します。近赤外線のレーザーを用いているので、ミラーは青みがかって見えます。ピエゾ素子で光路長を高精度に制御したり光変調器で周波数変調をかけたりして、固体の電子状態を制御します。


室温では熱のため固体の電子の量子状態がすぐに壊れてしまうので、試料を極低温まで冷却します。奥にある冷凍機で4 K 程度まで試料の温度を下げます。


この実験では、およそ 100 fs (10000000000000分の1秒)だけ光る超短パルスレーザーを用いています。このようなレーザーにより、100 fs の時間分解能で試料の時間応答を測定することができます。