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リンカーンメモリアルの中に入ると高さ5.8mのリンカーン像(作:フランス人の彫刻家ダニエル・キャスター)がゆったりと座っていた(写真3)。28個の白い大理石によってつくられたそうだ。 リンカーンメモリアルの内部には、リンカーンの演説「the government of the people by the people for the people」の演説をはじめ多くのメッセージが壁面に刻まれている。 リンカーンの視線の先には、Reflecting Poolとワシントン記念塔、合衆国連邦議会議事堂が直線上に一望できる。(写真4) ワシントン記念塔については、この塔がどこからでも見えるようにと建築物の高さを制限している。 さらに、リンカーン・ワシント・合衆国連邦議会議事堂を直線上に配置するなど、時を超えた計画的なモールづくりには学ぶべきことは多い。 | |
写真3 リンカーン像 |
(2) ベトナム戦争戦没者慰霊碑 リンカーンメモリアルから徒歩数分のところに、「兵士の像」(写真5)と「ベトナム戦争記念碑」(写真6)がある。 「兵士の像」は、白人兵と黒人兵とラテン系の兵士を象徴している。ここからは、人種的・民族的な多元性を積極的に認めていこうとする姿勢がうかがえる。また、兵士一人一人の表情がベトナム戦争について何かを訴えているように感じた。「ベトナム戦争記念碑」は、ベトナム戦争で亡くなった兵士の名が刻まれている。「国への貢献」を賛美するよりも、「鎮魂」をテーマとしているという。多くの人々が訪れ、身内の方を確認している姿が印象的であった。独立の父ワシントン、アメリカ民主主義の象徴であるリンカーンに挾まれたモールの一角に、「ベトナム戦争記念碑」が「鎮魂」をテーマにして存在しているという歴史の重みをかみしめることができる。 |
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写真4 リンカーンメモリアル入口から撮影 |
写真5 兵士の像 | 写真6 ベトナム戦争記念碑 |
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