記録編 ワシントンD.C
国会議事堂(連邦議会議事堂)
UNITED STATES CAPITOL
東頚城郡牧村立牧小学校
寺田喜男
 ロタンダの壁面には、大きな油絵が掛けられている。4枚は、新大陸が発見され、植民地となった当時のできごとが描かれている。他の4枚は、合衆国の独立に関わる作品である。独立宣言を読み上げている光景、イギリス軍降伏の場面、ワシントン将軍退役式典の様子等、一つ一つのできごとがリアルに描かれている。絵には、次のようにタイトルが表示されている。
General George Washington Resigning This Commission-John Trumbull 1824
Embarkation of the Pilgrims;Robert W. Weir 1843
Landing of Columbus;John Vanderlyn 1847
Discovery of the Mississippi;William H.Powell 1855
Baptism of Pocahontas;John G. Chapman 1840
Surrender of Lord Cornwallis;John Trumbull 1820
Declaration of Independence;John Trumbull 1819
Surrender of General Burgoyne;John Trumbull 1822
ロタンダにある油絵と像
ロタンダにある油絵と像
絵と絵の間には、ジョージ ワシントン像をはじめとしてブロンズ像や大理石像が置かれている。
○州の傑出した人物の彫像がおかれる彫像ホール(STATUARY HALL)
ロタンダの下院側には彫像ホールがある。1857年まで下院の議場だったところだという。ホール中央のケースには、国会議事堂の歴史と装飾美術に関わる展示品が陳列されている。台座には大理石や青銅でできた人物像がおかれている。1864年以来法律により各州が推薦する彫像をおくことができるようになったのである。彫像は、彫像ホールを中心にロタンダ、その他の部屋にもおかれている。
○議事堂の歴史をつづる地下室(CRYPT)
 ロタンダの下にある部屋で、実際には1階にあたる。ここには議事堂の建築の歴史が写真パネル、模型で示されている。また、ドームの頂上に立つ「自由の女神像」についての説明がある。
   4.教材化への視点
○小学校;物の見方、考え方の仕方の学習に活かせる。「自由の女神像」「扉の絵(レリーフ)」をもとに、気付いたことを列挙させて、追求することができる。議事堂の見学が容易にできることで、主権者意識が育める。
○中学校;「新大陸の発見」「合衆国の独立」等の題材での学習に活かすことができる。「コロンブスの上陸の図」からは、新大陸を目指した人々の求めたものが類推できる。大航海時代の背景を実感的にとらえさせる資料となる。また、人物中心に合衆国の歴史、人権の歩みを学ぶ場として、ロタンダの絵は活かすことができる。「Baptism of Pocahontas」を学習資料に、多民族国家としての合衆国を考えさせる授業も可能である。
○高校;「世界史」の中では、合衆国の政治システムを理解させるために、ホワイトハウス、最高裁判所、国会議事堂を例示することは大切である。ロタンダの絵から、視覚的に合衆国の独立を把握させることができる。中でも「Landing of Columbus」「Declaration of Independence」は効果的に利用できる。「地理」としても、議事堂が丘の上にあること、議事堂からモニュメント、リンカーン記念館が望めることなどにより「計画都市」の意味について考えさせていける。