★ 「値をとる」・・・誰が?どこから?

目の前にスーパーにあるような商品を入れた大きな棚
があり、そこにいろいろな種類のジュースがならんで
いるとします。あなたは棚に手を伸ばし、ジュースを1本、
手にとります。
「あなたが」「商品の棚から」「ジュースを」「とる」
のです。棚にはいろいろな種類のジュースがならんで
いるので、次には別の種類のジュースをとることが
できます。つまり、「いろいろなジュースをとる」わけです。

中学校の数学では「いろいろな値をとる文字」を
変数と いうと習いました。では、このときは
「誰が」「どこから」「いろいろな値をとる」のでしょう?

この場合、「変数が」「変域から」いろいろな値をとる
と考えます。なので、「変数」になったつもりになって
ください。するとあなたの前には「変域」という大きな
棚があり、そこにいろいろな数がならんでいます。そして
「変数」になったあなたは、棚から1つ数を選びます。
でも、その後、また別の数を選ぶこともできます。
ジュースを選ぶ時と違い、むしろ、「変域」という棚
にならんだ数はどれでも手に とってみる方がよいのです。
1.3 でも  -17.6 でも  1853 や  -27  でも、 「変数」に
なったあなたは次々に手にとってみる方がよいのです。
「変数」であるあなたは、「変域」という棚から、
「いろいろな値をとる」ことが許されています。
それが許されているのが変数です。

「変域」の棚が -1 以上、  2 以下の数の分の
限られた幅しかないことや、棚に 1 から  10 までの整数
がとびとびにしかならんでいないこともあります。ただ、
中学校の数学の学習では、左側にも右側にも果てしなく
続くような棚、すべての数がならんだような棚が
「変域」として変数の前に置かれていることが多いのです。
そこにはあなたが知っているすべての数がならんでおり、
その中のどの数でも、「変数」であるあなたは手にとる
ことができます。

でもどうしても「変数が」とるというイメージがしにくい
とか、「変数」の気持ちになんかなりたくない、という
場合には、「変数とは変域の中のいろいろな数を
代入する ことができる文字」だと考えても大丈夫です。
「あたなが」いろいろな値を代入するものとして文字を
使おうとするときに、文字は変数という役割をになう
ということです。あなたが望めば
文字はいつでも変数になるのです。