教科教育・教科複合実践研究コース 生活・健康領域保健体育分野

開設授業科目例

保健体育科教育演習

 保健体育科教育に関するこれまでの実践や理論について文献講読や実践などを通して概観し,教育の今日的課題に対応しうる保健体育科教育のあり方を演習的に探究します。保健体育学習の特性とアクティブラーニングの観点から,講義と実技・演習での理論と実践の往還的活動によって学修します。具体的には,マット運動,とび箱運動,鉄棒運動などの実践を通して講義を進め,適切な指導の実践力を涵養します。

運動学演習

 児童・生徒一人一人の実態に合った指導をするため,スポーツ運動における動きの習得や指導に関する理論を理解し,身体知を実践的に身に付けます。また,運動指導,指導記録の純粋記述,メタ観察を通して実践結果を反省的に分析し,動きの指導力を養います。

運動方法学演習(武道)

 現代武道の歴史的発展過程と運動構造の特殊性の理解を通じて,武道とは何かをアクティブラーニング形式で演習・考察します。演習では,武道(剣道,柔道,空手道等)の実践的・理論的検討を通じて,その特性を理解します。特に,対人運動としての技術の特殊性の観点から演習を行ない,学校体育における対人的危機管理能力を高めます。また,武道のみならず,各種スポーツにおける今日的課題を取り上げ,今後の学校体育におけるスポーツの指導方法や今日的教育意義について検討します。

保健体育科教育内容・指導論

 近年提唱された「ボールゲームの構造論」に基づき,種目にとらわれないボールゲームの共通構造に着目した理論について概説し,社会的構築主義に基づき,「動き」や「ゲームパフォーマンス」に偏向しない新しいボールゲームの指導を提案します。

教材としての身体運動科学

 身体運動に関する科学的知見を概説し,生物としての身体,表現手段としての身体,環境と相互作用する身体,社会生活の中での身体など,身体やその運動の様々な側面から身体運動科学の教材としての可能性について議論します。

疾病予防教育の理論と実践

 感染症,熱中症,生活習慣病といった疾病の基礎的理解と,その予防法について学びます。また,これらの理論学習と学校現場に蓄積されたデータおよびオープンデータの分析を通して,疾病予防教育(がん教育を含む)について論考します。

メンタルトレーニングを活用した学習支援

 スポーツにおけるメンタルトレーニングの心理的技法が児童の心理的な要因を改善し,学習への取り組みを向上できるのではないかとの仮説を基に作成された,学習支援プログラムの理論的背景を,演習を交えながら概説します。