数学教師への助成


 1998年4月3日付けの新聞 USA TODAY の6面一杯に次のような広告が出ていた。まずは大きくタイトルには、"WHEN IT COMES TO/ TEACHING MATH/ CREATIVITY/ IS AN INTEGRAL PART/ OF THE EQUATION" とある。「数学を教えるとして、その方程式に不可欠なのは創造性なのです」というぐらいの意味であろうか。もちろん、integral は積分にひっかけている。その下には、プラスチックの棒と球で組みたてた立方体 (linker cube) を手に持った女性が、その両隣にいる二人の子どもに、体積や表面積を説明している写真が大きく掲げられている。ちなみに写真の右上にはNCTMのロゴが見える。
 何の広告かと思って本文を読むと、トヨタが優秀な数学教師に助成金を出す制度があるらしく、本年度の受賞者の発表の記事のようであった。本文は以下の通り;「優れた教師は、生涯に影響を与えるようなよい機会を与えてくれるかもしれません。改良的で創造的な数学のプログラムを通して、生徒のためにこうした機会を見つけようとする教師を表彰することにトヨタが誇りを持っているのも、こうした理由からなのです。NCTM (全米数学教師協議会) と協力して、TIME (Toyota's Investment in Mathematics Excellence) は、先生方が自分たちの数学のカリキュラムの可能性を広げるのをお手伝いするために、1万ドルまでの個人への助成を行っています。それは、すでに全米の生徒たちに結果をもたらしている、一つの方程式なのです。詳しくは、フリーダイヤル 1-888-573-TIME か email: toyotatime@nctm.org まで。」最後に1998年度の受賞者が掲載されているが、うちわけは elementary school が18名、middle school が5名、high school が12名である。
 日本では、数学教師だけを対象とした表彰というのはあるのだろうか?


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