心理臨床研究コース 心理臨床領域

コースの取り組み/取得可能な資格

コースの取り組み

併設の相談センターにおける臨床実習

 併設の心理教育相談センターを中心に豊富な実習を受けることができます。附属の相談センターには5つの個別面接室、3つのプレイルームをはじめ、充実した設備が整っています。箱庭療法を行うことが可能な面接室や相談者に応じた広さが異なるプレイルームなどがあります。大学キャンパスから独立した建物となっており、相談者に配慮した施設です。
 上越市を中心に近隣の妙高市、糸魚川市から相談者が訪れており、年間の面接実施件数は約1,000件となっています。相談者は保育園・幼稚園から小・中・高校生を中心に青年期、成人期まで幅広い年代の方がいらっしゃっています。学校や職場での不適応、対人関係の問題などさまざまな悩みを主訴として来談されています。この附属の相談センターにおいて、相談研修生となり、心理臨床に関わる相談を直接行います。担当している相談について毎週スーパーバイザーからきめ細やかに指導を受けたり、先輩や同級生の相談についても検討を行ったり、豊富なケースの指導を受けることができます。
 時代や地域のニーズに沿った地域支援ならびに大学院生への実習を提供するために、2021年度にセンター内の設備を改修しました。オンラインを活用した遠隔会議や研修のための設備、心理面接の客観的な分析を行うための設備として最新鋭のシステムが導入されたことにより、より充実した実習環境となりました。

心理教育相談センター

 本相談センターは、公認心理師養成及び日本臨床心理士資格認定協会による大学院一種指定校臨床実習のための施設として、学生の心理療法やカウンセリングの研修の場となっています。また、臨床心理学の研究活動の拠点となっており、いじめ、不登校、発達障害、非行、虐待、自殺、犯罪被害や震災被害など、児童生徒の様々な問題の解決を図る学校臨床をはじめ、保健医療、福祉、産業分野等におけるよりよい臨床サービスの提供、教育や福祉機関等への心理教育的サービスの提供など、コミュニティーとの充実した連携を構築しています。

多様な分野における学外の臨床実習

大学院1年次における実習

 大学院1年次には、精神科病院、児童相談所、少年鑑別所、自衛隊などさまざまな分野の機関・施設への見学実習を行い、心理職が他の職種とともにどのように働いているのかを学びます。また、年間を通して、附属の幼稚園、小学校、中学校での実習を行い、園児、児童、生徒の活動に参加し、学校現場における実践的問題の理解を深め、支援を行います。

大学院2年次における実習

 大学院2年次における実習は様々な分野における機関・施設で一定期間集中的に実習を行ったり、定期的に通い実習を行ったりと、大学院1年次で学んだことをより深め、実践的な力をつけるための実習を行います。

教育分野における実習

 教育機関における実習では、1年次の附属学校園での実習を踏まえ、公立小、中、高等学校において、「チーム学校」を念頭に多職種連携をしながら活動する実習を行っています。小学校においては保健室や別室登校の児童への支援補助、教室等での支援補助を、中学校においては別室登校の生徒の支援補助、部会やケース会議等の参加、特別支援教室での支援補助を、高等学校においては主に通級指導教室の支援、保健室や別室での支援等を行います。

保健医療分野における実習

 保健医療分野では、県内外の複数の医療機関で、精神疾患や他の健康障害に関する予防、治療、リハビリテーション、社会参加及びフォローアップまでの継続かつ一貫した医療・保健サービスのなかで公認心理師や臨床心理士の業務や役割を学びます。多様化する対象に対し、個人、親子関係や家族関係、職場での関係など様々なシステムに対する多職種連携によるチーム医療や地域精神保健活動の実際にメンバーの1人として参加します。入院型と通院型の治療及び支援の違いを理解するとともに、他職種の業務を理解し、心理職としての専門性と対人援助職としての共通性及び協働のあり方の実際を体験的に学習します。(主な実習先)精神科病院児童・思春期病棟 精神科病院精神科病棟 精神科病院医療観察法病棟 など

 その他、福祉、司法・犯罪、労働・産業などの施設においても実習を行い、それぞれの機関における公認心理師、臨床心理士の役割を学びます。
 学外における臨床実習は、毎日の記録や実習プログラムごとのレポート、ケース理解のためのレポートなどの実習記録を用いて、学内及び実習先の双方で週1~2回の指導やカンファレンスを受け充実した教育体制で行っています。

取得可能な資格

公認心理師

 必要単位の取得により、国家資格である公認心理師の受験資格を得ることができます。本コースに入学する前に、出身学部において公認心理師に必要な科目の単位を取得している必要があります。

臨床心理士

 必要単位の取得により、財団法人日本臨床心理士資格認定協会による臨床心理士資格認定試験の受験資格を得ることができます。大学院指定制度における第一種指定校です。