★ 比例でひとまとめ

小学校で次のようなことを学習しました

これらはどれも左辺(等号の左側)の量の値を  y で表し、
× の前の量の値を   a で、 × の後の量の値を   x で表すと、
  y=a x  という 仕組みになっています。

もしも  a で 表されている値が一定ならば、
これはまさに比例の式になります。
例えば速さが一定なら(つまり同じ速さで走り続けるなら)
道のりは時間に比例しますし、
もとにする量が一定ならば、くらべられる量は割合に
比例します。

みなさんは知らない間に、算数でいろいろな比例に
接してきていたのです。逆に言えば、算数で学習してきた
いろいろなことを、比例のメガネでひとまとめにして見る
ことができます。2つの量の値を結びつける 仕組みに着目
すると、 いろいろなものを同じものとして見なすことができます。
そして、一度、比例と見なしてしまうと、比例で学習した
ことが利用できるようになります。

しかも、比例では仕組みが式で表現されているので、
式を変形するルールを 使って、新しい情報を得ることが
できます。2つのものが等号で結びつけられた等式では、
両辺を同じものでわっても、そのまま等式が成り立つ
のでした。

そこで  y=ax の 両辺を  x でわってみます。
すると   yx =a となります。
これは速さの場合であれば、
  道のり÷時間=速さ のことであり、
割合の場合であれば、
 くらべられる量÷割合=もとにする量 のことであり、
代金の場合であれば、
 代金÷長さ= 1 m あたりの代金 のことであり、
円周の場合であれば、
 円周÷直径=円周率 のことになります。
仕組みを表す式に式を変形するルールをつかうだけで、
苦労しておぼえたたくさんの公式が、いっきに出てきて
しまうのです。

では、  y=ax の 両辺を  a でわったらどうなりますか。
それで得られる ya =x、つまり  x= ya  は
どんなことを表していますか。

こんなお得なこと、小学生の自分に教えて
あげたくなりませんか。

(「メガネ」の比喩は仲本正夫先生による
「現実の世界をよみとる数学」からお借りしました)