★ ルールを作る:文字式編

文字式では、計算と言っても、「答えはいくつ」と
数値を求めるのではなく、最初に示された 仕組み
から出発し、式を変形していくことで、もとの式に
隠された情報やその式の新しい見え方を探っていく
ことになります。

皆が納得してストーリーを展開していくためには、
式の変形についてのルールが必要になります。
つまり、「こんな変形の仕方はしてもいいよ」という
ルールを決めておく必要があります。その決め方は 2つあります。

第1の決め方は、数の世界のマネをするというものです。
負の数についてのルールを作るときには、それまでの
数の世界とうまく合うように ルールを作る のでした。
文字式の場合も、まずは数の式での話とうまく合う
ようにしておく方が安心です。そこで、数の式で成り立つ
ことを学習した次のようなルールが、文字式でも使える
と考えます。

ちなみに、交換法則と結合法則のおかげで、たしたり
かけたりする時に、たす順序やかける順序を適宜変える
ことができます。また分配法則によりたし算とかけ算が
まじった場合の変形のルールがわかります。分配法則では、
等号の右側を左側に変形することももちろんOKです。

第2の決め方は、等式(等号で結ばれている式)では、
常識にしたがうということです。
等式は等号の左側と右側が「等しい」と言うことを
表しているのでした。例えば2人の人が同じ数のアメを
持っているとしたら、2人がそれぞれアメを3個ずつ
もらっても、やはり2人のアメの個数は同じはずです。
また2人のアメがとつぜん5倍になったとしても、
2人のアメの個数は同じでしょう。こうした私たちの
常識にそって等式で成り立ちそうなことをルールとして
まとめたのが等式の性質です。

なお、ここでは計算の法則でも等式の性質でも加法と
乗法だけしか書いていませんが、c や C を引くことは 
-c-C  をたすことと、また(c0C0 の時に)
c や C でわることは  1c や 1C をかけることと 考えれば、
加法と乗法についてルールを決めておけば十分です。