文字式では、計算と言っても、「答えはいくつ」と
数値を求めるのではなく、最初に示された
仕組み
から出発し、式を変形していくことで、もとの式に
隠された情報やその式の新しい見え方を探っていく
ことになります。
皆が納得してストーリーを展開していくためには、
式の変形についてのルールが必要になります。
つまり、「こんな変形の仕方はしてもいいよ」という
ルールを決めておく必要があります。その決め方は
2つあります。
第1の決め方は、数の世界のマネをするというものです。
負の数についてのルールを作るときには、それまでの
数の世界とうまく合うように
ルールを作る
のでした。
文字式の場合も、まずは数の式での話とうまく合う
ようにしておく方が安心です。そこで、数の式で成り立つ
ことを学習した次のようなルールが、文字式でも使える
と考えます。
第2の決め方は、等式(等号で結ばれている式)では、
常識にしたがうということです。
等式は等号の左側と右側が「等しい」と言うことを
表しているのでした。例えば2人の人が同じ数のアメを
持っているとしたら、2人がそれぞれアメを3個ずつ
もらっても、やはり2人のアメの個数は同じはずです。
また2人のアメがとつぜん5倍になったとしても、
2人のアメの個数は同じでしょう。こうした私たちの
常識にそって等式で成り立ちそうなことをルールとして
まとめたのが等式の性質です。