珈琲ブレイク

スヌーピーのいる公園


 日本では中心市街地活性化法が施行され、衰退した市街地の活性化を模索しているが、 ここアメリカにおいても、ダウンタウンの衰退は顕著である。 特にこのツインシティー(ミネアポリス・セントポール)においては、 全米最大のショッピングモール「モールオブアメリカ」が建設され、 年間4000万人もの人が訪れる一方、両市とも特に日曜日の中心街は閑散としている。
写真20 スヌーピーのいる公園
 そこでミネアポリスにおいては、ニコレットモールの建設、 歴史的にこの町を発展させたセントアンソニー滝と周辺の整備1)、 あるいは古い倉庫などを再利用してナイトスポットとして整備したウエアハウス地区など 様々な工夫がとられているまたセントポールに至っては、 セントポール大聖堂より高いビルを造ってはならないなど、 このランドマークを核としての景観を大切にしたまちづくりが進められている。
 そして、つい最近注目されているのがスヌーピーであるチャーリーブラウンやルーシー そしてスヌーピーが登場する「ピーナッツ」は、世界で最も多くの新聞に掲載され、 3億以上の読者を持つといわれている。今年2月に逝去した 作者シュルツ氏(Charles M. Schulz)氏は1922年このセントポールに生まれた。 彼の死を悼み、偉業をたたえる試みとして、 写真のように町の公園など至る所に若手の芸術家たちが、 さまざまな装いをほどこしたスヌーピーを造っている。 そしてこれを契機につい昨日まで閑散とした中心街に人賑わいが戻ってきた。 この試みが一過性のもので終わるか、それともまちの活性化への起爆剤になるか、 今後に注目したい。
(五十嵐 雅樹)

1)拙稿(1999):「ツインシティーの町並みまちづくり」『米国理解のための教材開発研究 第2集』.上越教育大学米国理解プロジェクト,10p〜13p.