珈琲ブレイク 出発前に勤務校で2つのアンケートを取った。1番目は「アメリカ人中学生は日本と聞いて何を思い浮かべると思いますか」、2番目は「アメリカ人中学生が知っている日本の有名人は誰を思いうかべると思いますか」である。日本や日本人がアメリカ人にとってどのようにとらえられているかを考えることによって、日本を客観的に見ることができるのではないかと考えたのである。また、アメリカ人はどう答えたか、実際のアンケート結果と比較することにより見方のずれが明らかになり、日本人について再考する機会にしたいと考えた。ただし、人数があまり確保できず中学生以外に先生も含めて答えてもらったため、比較にはやや無理があるかもしれない。 「日本の有名なもの」 まず「日本の有名なもの」について、アメリカ人中学生が答えるであろうと日本人の生徒が予想した順位を左側に、実際アメリカ人が答えた「日本の有名なもの」を右側に示した。
左右を見比べると、日本人中学生は日本を代表する山、和風の食べ物・品物、文化的なものが目立つのに対して、アメリカ人は自動車や電子機器などアメリカで目にする日本の代表的な輸出品の他、日本人の勤勉さやしつけの良さ、頭がいい、チームワークなど日本人の性格や特質などが上位に入っていることが特徴である。日本人の国民性がアメリカ人のステレオタイプの中に入り込んでいることが示される結果となった。 また、順位は下位であるが原爆ドームや原爆が日本でもアメリカでもあげられている。日本のイメージとして原爆という歴史上の悲惨な事実はお互いがしっかり受け止めていく必要があると感じた。 「日本の有名な人」 「日本の有名人」について、アメリカ人中学生が答えるであろうと日本人の生徒が予想した順位を左側に、実際アメリカ人が答えた「日本の有名人」を右側に示した。
日本人の予想ではスポーツ選手が多く入っているのに対して、アメリカ人に聞いた結果はスポーツ、天皇、歴史上の人物、アニメなどさまざまな分野から入っていた。1位のクリスティーン山口は日系のアイススケーターでアメリカでは人気が高いが、日本人中学生はほとんど知らなかった。2位の貞子は原爆のために白血病になり、病気が治るのを祈って折り鶴を折り続けた少女の名前であるが、その少女について書かれた本が英語に訳されているためか知名度が非常に高かった。体操は人気種目のようで塚原選手は親子ともどもよく知られており、高い評価を受けていた。ポケモン、ゴジラなどのアニメや怪獣ものもあったが、順位は低かった。共通に出た人物は野茂投手、王監督、ポケモンのみだが、上位に入った共通の人物はいなかった。 アンケート結果のまとめ マスメディアの影響もあるかもしれないが、あまり日本のことが報道されていないのか、自動車や電化製品以外の日本に関心を持たないのか、日本人中学生のアンケート結果と大きな違いがあった。この違いを理解した上でお互いがコミュニケーションをとるようにしないとうまく意志疎通ができないのではないだろうか。通訳という立場でも同じことを感じたが、アンケートをとってみてコミュニケーションの難しさを一層痛感した。お互いが違うことを前提にして、それを理解した上でコミュニケーションをすることを大切にしていきたい。 (姉崎達夫)
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