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大学紹介

Ⅱ大学の教育研究等の質の向上に関する特記事項

Ⅱ大学の教育研究等の質の向上に関する特記事項

教育に関する特色ある取組

現職教員再教育と教員養成を目的に掲げる本学においては,教員の教育研究活動は,常に実践的指導力育成とその研鑽を中心に据え,人材の国内外への輩出に具体的に貢献できるものでなければならない。

そのために,中期目標・計画では,学部教育の目標として,主として初等教育教員の養成に関する社会的要請に応えるべく,深い人間理解と豊かな学識を備えた教員を養成すること,教職への関心と意欲を持つ学生を全国から広く募り,教育に関する臨床研究の成果に基づいて,適切なカリキュラムを編成し,人文科学・社会科学・自然科学・芸術・スポーツについてバランスのとれた専門的な能力と,実践的な指導力など,教員に必要な基本的資質を身につけさせることを掲げた。

また,大学院修士課程の目標では,主として現職教員の資質能力の向上に関する社会的要請に応えるべく,学校教育に関する臨床研究の成果を踏まえた理論と応用を教授し,学校現場における様々な課題に対応できる高度な実践的指導力を養成すること,教員としての基本的資質能力を踏まえ,初等中等教育の場において創造的な教育・研究に取り組む力量と,実践力に富む指導的な初等中等教育諸学校の教員を養成することを掲げた。

平成16年度の取組で特筆すべき点は以下の7点である。

  • 教員採用試験受験者比率を上げるために,授業「人間教育学セミナー」及び就職ガイダンスにおいて,最近の教育界の動向及び教職の魅力等について講義・指導を行うとともに,学部2年次・大学院1年次の10月から教員採用試験直前まで計画的に教職講座を実施した結果,教員採用試験受験者比率が学部で昨年度比 0.9%増,大学院で昨年度比3.1%増の成果を得た点である。また,教員就職率を65%に高めるために,教員採用試験に関する情報を,各地方自治体のホームページや募集要項等から収集するとともに,民間のノウハウを活用した過去問分析を行った。収集した教員採用に関わる情報は就職指導計画に反映させるとともに学生へ提供し,ベスト10以内の維持の基礎固めを行った。
  • 平成17年度から「大学院長期履修学生制度を利用した教育職員免許取得プログラム」の導入を決定し,教育課程の一部変更,履修規程の一部改正,取扱要項を定めるなど関係規則等の整備を行った。また,同プログラムの受入れ方針や運用方針,時間割,障害者支援及び履修計画を整備した。
  • 附属図書館では,電子シラバスをチェックしシラバス掲載図書のうち未所蔵の90点を収集した。また,前期,後期の授業開始後に全教員に対し,授業関連図書について依頼文書を送付し,回答のあった20点について収集した。さらに,学生から授業関連図書として購入希望のあった図書についても購入した。授業内容と関連した学習用図書,教養図書の購入冊数は2,271で,学部学生・大学院学生一人あたりの購入冊数は2.03冊となり,計画を達成できた。
  • 本学の情報化への対応では,平成17年度入学生から学年進行で全学生にPCを所有させることを決定したことに伴い,講義室及びキャンパスライフ スクエア等への無線LANアクセスポイントや電源設備を整備した。また,液晶プロジェクター等の情報機器利用環境の整備を行った。
  • 実践的指導力の育成を目的としたカリキュラムの充実のために,ゼミナールでは実践的力量を重視した運営を目標に掲げ,その改善を個別に進めている。また,大学院においては,入学者の多様化に対応して,修士研究の在り方やゼミナールの履修形態の柔軟化等を検討するとともに,授業評価やカリキュラム評価の方法についても検討している。
  • 学校現場に密着した教育に関する臨床的研究の充実では,附属学校及び地域の学校との臨床的研究に重点化を図るため,研究プロジェクトの採択にあたって,教育実践を通した教材開発や,教育に関する臨床的研究を目的とし,大学院学生を協力者として参加させているプロジェクトを採択し,その成果を教育現場に生かすことができるようにした。また,臨床研究の在り方についても,研究プロジェクト及び修士論文を通して検討を行った。その結果,研究プロジェクト「一般研究」採択テーマ6件のうち3件が,教科の指導力の資質向上を目的とした臨床研究の在り方に関連するものであり,平成16年度提出の修士論文題目のうち,約16%が教科の指導力の資質向上を目的とした臨床研究の在り方に関連するものであった。
  • 教育実施体制に対する外部評価として,本学は,平成16年9月に実施された(財)日本臨床心理士資格認定協会が大学院指定校を対象として実施した専攻コース実地視察において,実地視察対象校24校の中で,4段階評価のA評価を受けた2校のうちの1校に選定された。
研究に関する特色ある取組

本学では研究の成果を教育実践に還元することを大きな目標としており,附属学校園や教育委員会を含む公立学校等と大学との連携・共同研究を重要と考え実践している。そのため,学校カリキュラムや教育実践に対して問題提起を行うための附属学校園での研究協議会をひとつの手段としてとらえ,多数の本学教員,上越教育事務所指導主事,公・私立幼稚園,小・中学校教員等を研究協力者として委嘱し,連携を強化した。

附属小学校の研究会では,研究協力者として本学教員11人,上越教育事務所指導主事4人,公立小学校教員16人を委嘱し,「心豊かに生きる子どもをはぐくむ」という視点で,それぞれの専門性を生かした研究を行った。

附属中学校の教育研究協議会においては,指導者として本学教員13人,上越教育事務所指導主事9人を,協力者として公立中学校教員11人を委嘱し,「切実感を高めながら学び続ける生徒の育成」という視点で研究を行った。

附属幼稚園の幼児教育研究会においては,指導者として本学教員2人,他大学教員1人,上越教育事務所指導主事1人を,研究助言者として公立幼稚園長及び私立幼稚園教諭2人を委嘱し,「個の育ち合いをみつめる」という視点で研究を行った。

このように附属学校園との連携については一層深いものとなりつつあるが,本学はそれ以外に周辺の多くの公立学校園との協力関係がきわめて良好であるのが特徴といえる。上記の協力者としてはもちろん,教育実習の受入や実践研究の協力校としての連携など,今後もこの良好な関係を保ちながら実践研究を展開する計画である。

研究成果の発表という観点からは,修士論文発表会の公開等を進めており,全19専攻・講座・分野のうち,17専攻・講座・分野が修士論文発表会を公開し,2分野は今年度公開を見送ったが,次年度以降は公開を検討している。このように,ほぼ全学が修士論文発表会を公開しており,今後は開催日等の調整を大学として行うなどして,現職教員や教育行政関係者の参加を増やすことにより,研究成果を学校教育現場等へ還元することとしたい。

学内で募集・採択する研究プロジェクトについては,あらかじめ設定されたテーマにより実践する「特定研究」,教員有志の独自のテーマによるプロジェクト研究(一般研究)の他に,40歳以下の者が一人で行う研究で,今後の発展が期待できる「若手研究」の区分を新たに設置し,新鮮な発想に基づく研究の掘り起こしを図った。また,この研究プロジェクトの最新の成果を大学院の授業に直ちに還元する目的で設置されている大学院開講科目「研究プロジェクト関連科目」についても,これまで2科目4単位以上必修(演習2単位科目複数開講)であったものを,2科目2単位以上必修(演習1単位科目複数開講)とし,大学院学生が受講しやすいように改善することによって学生のニーズに応えた。

大学教員の競争的な環境を創出し,教育研究をより活性化させることを目的として,教育・研究等の実績に基づき予算の傾斜配分を実施した。

さらに,本学における教育研究資源の配分方法の不断の改善という観点から,大学評価委員会において,教育研究資源の配分を,より競争的配分とするため学生の教育・研究指導実績を重視した方式に変更することを目指して慎重な検討を重ねた。学生の教育・研究指導実績の評価に際しては,単に教育・研究指導に従事したというだけでなく,その質及び成果により評価する方向を目指した議論を行った。

教育委員会や地域との連携に関する特色ある取組

新潟県教育委員会と連携して,スクールリーダー研修支援事業を実施した。また,上越地域の教育委員会と連携して,情報教育実践に関する指導力育成のための現職教員研修支援事業,障害児教育における指導・検査技術育成のための現職教員研修及び教育相談事業,学校教育相談研修システム構築支援事業を実施した。このような研修支援事業以外にも,平成17年度から,一定の任期(原則3年)を付して新潟県教育委員会から3人の現職教員等を助教授として採用することとしたことは,従来の連携・協力関係を越えた画期的な人事交流で,教育実践力の育成を掲げる教員養成系大学・学部にとっては先例となると期待される特色ある取組である。

さらに,新潟県中越地域を中心に発生した大規模災害(7.13新潟豪雨災害や10.23新潟県中越地震)の際に,直ちに被災地周辺の小・中学校等へ教員養成系大学としての特色を活かした支援活動を学生と教職員が一体となって行った。特に大きな被害を受けた小千谷市立東山小学校に対しては,本学における体験授業を含めた実践的な教育活動を中心に継続的な支援を行った。

国際交流等に関する特色ある取組

海外教育(特別)研究を,平成16年度は,アイオワ大学を中心としたアメリカ合衆国で実施した。この授業科目は,学部及び大学院に共通の授業科目であり,単に海外の教育現場を視察するのみではなく,海外の小学校等で授業実践等を行うもので,これまでも日本文化(特に伝統文化)の紹介も兼ねた授業(例えば,折り紙,書道,竹とんぼの制作等)を実際に行い,教育面からの国際交流の一翼を担うことによって,例年高い評価を受けている。今回も協定校でもあるアイオワ大学での初めての実施であったが,質の高い内容の教育実践活動に対し関係者並びに地元から高い評価を受けた。次年度以降に向けて,実施先及び実践内容等の多様化について検討を行い,一層の充実を図ることとした。

附属学校園等に関する特色ある取組

附属学校園での研究協議会については前述したが,その他にも全国からの学校訪問,授業参観者の受け入れや,公立学校の初任者教員のための研修会等を積極的に行い,併せてホームページや雑誌「教育創造」などを通して教育研究についてPR活動を行った。公立学校園との交流についても,上記の研修会の他に,附属学校の教職員研修内容を公立学校園に研究協議会を通して公開して,研修面での交流も図っている。

また,東日本地区における国立大学法人の附属学校に採用された新任教員を対象とした宿泊研修の実施校として,18人の研修生を受け入れ,各種の教育プログラムを企画・立案して実施するとともに,地域の公立学校との交流の場を提供した。

学校運営の面では,各附属学校園がグランドデザインを策定し,それに基づく運営を行った。特に安全管理・危機管理については,いずれもマニュアルの改善・整備を行い,同時に数回の訓練等を実施することに併せて,監視カメラ・モニターの設置,リモートコントロール施錠ゲートの設置等により徹底を図った。


このページは上越教育大学/企画・広報課が管理しています。(最終更新:2013年04月08日)

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