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公開情報Public information

Ⅱ大学の教育研究等の質の向上に関する目標-3-(2)

3 その他の目標
(2)附属学校に関する目標

中期目標

教育に関する臨床研究を推進するため,大学と附属学校間での実践的なパートナーシップの確立を第一目標とし,大学が志向する教員養成,教員研修,地域貢献等の一環として,大学-附属学校の知的・人的資源のダイナミックな循環を実現する。
大学と附属学校間の連携を強化し,学校教育の課題を先取りしたカリキュラム研究及び総合学習に関する研究を重点的に推進する。これに加えて学校教育に対する社会的ニーズを拾い上げ,新たな課題解決に向けて取り組む大学・附属学校の共同プロジェクトを企画・実行するとともに,教育に関するモデルとなるよう地域と附属学校・大学が一体となった取組を進める。

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中期計画

Ⅰ大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
3 その他の目標を達成するための措置
(2)附属学校に関する目標を達成するための措置

○大学・学部との連携・協力の強化に関する具体的方策

大学と教育現場との知的・人的資源のダイナミックな循環の最も太いパイプとして,附属学校を位置づける。これに則り,附属学校側の教育実践と,大学側の教員養成・教員研修の双方にメリットを生むような緊密なパートナーシップを築く。
そのため,附属学校の特色を生かした教育課程開発や活動・単元開発から臨床応用までの教育研究を企画実施し,研究と実践を結びつけた「アクションリサーチ」を導入する。
大学と附属学校の互恵的なアクションリサーチ推進のため,大学教員による附属学校の授業担当,附属学校教員による大学授業への参画,大学院・学部学生による授業協力や子どもたちとの交流を推進する。また,このための具体的形態,教育課程上の位置づけ,大学と附属学校間で相互に守るべきルール等について,平成16年度中に検討し,逐次実施する。

○学校運営の改善に関する具体的方策

大学と附属学校の緊密なパートナーシップの下,先進的な教育研究を通して,公私立学校への貢献を一層拡充する。そのため附属学校を,大学の地域貢献のインターフェイスとして明確に位置づける。
各附属学校長のリーダーシップの下に,学校運営に関する自己点検・評価を行い,それに基づいて改善のための具体的方策を立てて実行する。
学校評議員制度を活用し,学校評議員の意見を学校運営に適切に反映させることにより,附属学校の教育と研究の活性化を図る。
附属学校における子どもの安全確保のための危機管理対策を十分に講ずる。

○附属学校の教育実践等に関する具体的方策

これからの時代にふさわしい幼稚園教育及び小・中学校教育のあり方を理論と実践の両側面から大学と共同で研究するとともに,一人ひとりの子どもに立脚した教育課程及び指導法を開発し,その成果を公開,発信するモデル校として,地域や子どものニーズに即した教育実践に取り組む。
附属学校の設置目的を踏まえつつ,各校園における教育目標は次のとおりとする。

(幼稚園)

豊かな森に囲まれた広々とした自然を生かし,遊びを中心にした環境を構成し,明るく楽しく,のびのびと健康的に過ごせる園生活を展開する。「太陽・土・水の大好きな子どもたち」をスローガンとし,「元気な子ども・やさしい子ども・考える子ども」を目標に,環境を通して行う幼稚園教育の具現を図っていく。こうした教育を通して,豊かな心とたくましさを備えた,心身ともにすこやかな子どもの育成を目指す。

(小学校)

体験・活動を重視し,学習内容と結びつけた「知の総合化」を図る教育課程を編成する。総合単元活動,総合教科活動,心の活動といった子どもの発達に即した独自の教育活動を設定して,目標とする「生き生きとした子ども」が育つ学校の具現を図っていく。生き生きと学び,主体的に活動する教育実践を通して,自主性,社会性,創造性豊かな,心身ともに健全な子どもの育成を目指す。

(中学校)

自分を知るとともに,現代の諸課題の解決に立ち向かえるような確かな学力と豊かな知的好奇心・実践力を育む学びの総合化を図る。総合的な学習(当校ではグローバルセミナー)の実践成果を基に,必修教科及び選択教科と総合的な学習の関連を密にした教育課程を編成し実践する。「確かな学力,響く歌声,あふれる探求心」を目標に教育活動を展開することにより,民主的社会の発展に寄与する,人間性豊かな,たくましい子どもの育成を目指す。

○附属学校の目標を達成するための入学者選抜の改善に関する具体的方策

附属学校の設置目的を踏まえできる限り多様な子どもによる学級編制を進める。その際,連絡入学を基本に据えながらも,より望ましいあり方について,現在の方法の見直しを含めて検討する。

○公立学校との人事交流に対応した体系的な教職員研修に関する具体的方策

入公立学校との人事交流による附属学校教員については,県教育委員会との円滑な人事交流を図りつつ,その教育活動を通して,教育研究法の修得及び指導法の修得,研究発表能力の向上等について,体系的な教職員研修の一環として位置づけられるような対応を検討する。

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年度計画
○大学・学部との連携・協力の強化に関する具体的方策として,次のことを行う。

(1)研究プロジェクトの中からアクションリサーチに発展するもの,交流事業として実施するものを絞り,附属学校の教育課程に位置づけて試行する。

計画の進行状況等

研究プロジェクトで採択されたテーマのうち,9件(小学校6件,中学校1件,幼稚園2件)を附属学校の教育課程に位置付け,実施した。
また,4件のプロジェクトについて,大学教員,附属学校教員の連携と大学院生の参加協力のもと,附属学校における授業実践等を踏まえながら研究を推進し,平成17年度教員養成GPとして採択された取組も含めて,附属小・中学校でアクションリサーチに取り組んでいる。

(2)「実践セミナー」・「実践場面分析演習」等,教育現場と密接な関係をもつ授業科目について,附属学校と連携して授業運営を行う。

計画の進行状況等

「実践セミナー」及び「実践場面分析演習」において,附属学校教員による講義,授業観察,研究授業と授業後の討議等,附属学校との連携による授業を実施し,教育現場及び子どもたちとの交流を意識した授業運営を行った。

○学校運営の改善に関する具体的方策として,次のことを行う。

(1)附属学校の教育研究やプロジェクト研究の成果を,HP等で公表するとともに教育図書として刊行する。

計画の進行状況等

研究成果を公表するため,附属学校においては,教育実践に関する研究協議会を開催するとともに,「心豊かに生きる(附属小学校)」,「総合的な学習の時間と教科の枠組みを再編した新たな教育課程の研究開発(附属中学校)」,「なかまとともに(附属幼稚園)」等の教育図書として刊行した。
また,各附属学校園とも,ホームページで研究協議会情報のPRや研究概要の紹介,これら成果の概略を公表した。

(2)学校運営のグランドデザインとその結果について自己点検・評価と,保護者や学校評議員等からの評価(外部評価)を併せて活用し,学校運営の継続的・発展的な改善を目指す。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,学校運営のグランドデザインを年度当初に策定し,それに基づき学校運営を行った。また,アンケート形式による保護者からの評価を受けるとともに,学校評議員会において学校評議員等からも評価を受け,その結果を職員会議で検討・協議し,次年度の改善策を立案した。

(3)年2回の学校評議員会を開催し,学校運営のグランドデザインとその結果について意見を聞き,各校長,副校長,研究主任で構成する協議会で検討し,学校運営に資する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,学校評議員会を年2回開催して学校運営のグランドデザインに基づく学校評価結果(職員評価,保護者評価)を説明し,意見を聞いた。学校評議員からの意見については,各附属学校園において検討を行い,学校運営の改善を図った。

(4)実効性のある危機管理マニュアルを作成し,それに沿った訓練を年に数回実施するとともに,訓練の反省を生かして同マニュアルを改善・整備する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,上越警察署及び上越消防署の指導・協力を得て,不審者侵入,地震,火災等の発生を想定した訓練を実施した。(資料編:P84参照 PDFファイル [5,506KB])またそれぞれの訓練終了後には,問題点の再確認を行う等,非常時における共通認識の徹底を図り,更に実効性のある危機管理マニュアルとなるよう見直した。

(5)防火,震災対策,不審者侵入防止対策等の施設設備,併せて健康,栄養,安全教育の実施上の瑕疵をなくすため,定期点検を毎月実施する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,日々の点検を教職員の輪番で実施しているほか,附属小・中学校は毎月1回,附属幼稚園では毎月2回の安全点検を全教職員全員が分担して行っている。

(6)警察・消防署等の外部講師による職員研修,併せて職員の防災緊急時対応訓練を実施する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,上越警察署の指導・協力を得て,職員の危機管理研修会を実施し,不審者侵入を想定した緊急時の対応を中心に訓練を行った。(資料編:P84参照 PDFファイル [5,506KB]

○附属学校の教育実践等に関する具体的方策として,次のことを行う。

(共通)

(1)幼・小・中の連携を図るために,各校長,副校長,研究主任で構成する協議会で連携推進について協議し,学校運営に資する。

計画の進行状況等

附属学校業務連絡会を4回実施し,学校・園の運営上の課題について共通理解を図るとともに,定員充足に向けた取組や研究の進捗状況などについて検討し,検討結果を学校・園の運営に反映させた。

(2)幼から小,小から中への子どもの進学に際し,双方の担当教員間による連絡会を開催し,子どもの学習と生活に関する連絡を密にする。

計画の進行状況等

幼から小への連絡については,4月と7月に附属小学校で,10月に附属幼稚園と附属小学校で,幼児・児童間交流活動を行うとともに,担任相互で入学児童,就学予定児童について情報交換を行った。また,3月に附属小学校で連絡会を開催し,小学校入学予定の幼児の学習(活動)面,生活面,健康面,家庭状況,その他の留意事項について情報交換を行った。
小から中への連絡については,3月に附属小学校で連絡会を開催し,進学前の児童の生活面及び学習面,その他の留意事項に関して,担任相互で情報交換を行った。

(3)教育実践の成果について,内外部評価を実施し,検討結果を次年度に反映する。

計画の進行状況等

附属小学校では,保護者,児童,職員を対象に学校評価アンケートを実施し,次年度の教育実践上の方策・努力事項を設定した。附属中学校では,生徒を対象としたアンケート及び学力調査,保護者を対象としたアンケートを実施し,教育実践の成果と課題を明確にして研究の方向性を決定した。附属幼稚園では,年間計画に沿った内部評価と保護者を対象としたアンケート調査を実施し,次年度の教育実践に活かす取組を行った。

(幼稚園)

(1)遊びを中心とした自発的活動を重視しながら,子どもの発達に対応する適切な課題活動についても研究を深め,特色ある幼稚園教育を創造し,研究発表会等を通して社会に発信する。

計画の進行状況等

個の育ちを支える教師の指導と幼児の経験内容に着目し,幼児に対する教師の積極的なかかわりと,幼児の経験が共有される課題活動の重要性を明らかにした。特に小学校との連携・接続を意識して教育課程の開発に努め,幼児・児童間交流に取組,その成果を幼児教育研究会,研究紀要ホームページ等で発信した。

(2)学生の学習支援ボランティアを取り入れ園生活を充実させる。

計画の進行状況等

園行事や園外保育の引率補助として8人,担任不在時の保育補助として3人の学生ボランティアを受け入れ,幼児の多様な活動に応じた補助を行い,複数回参加した学生を中心に職員・園児との友好的な関係を築くことができた。

(小学校)

(1)総合単元活動,総合教科活動,心の活動の具体的な実践研究を大学教員と共同してさらに推進する。

計画の進行状況等

大学教員と共同で子どもの姿をもとにした検討会を行い,各学年で推進した。その結果,例えば1年生では,英会話のカリキュラム作成に着手し,4年生の総合教科活動では,川をめぐる学習活動や子どもの意見交流の場を共同で参観・検討し,活動の評価改善に活かすことができた。

(2)研究発表とその公開を一層進めるとともに,保護者の自由参観や発表会への参画等,保護者との連携を強化する。

計画の進行状況等

公開研究を行い,2日間で延べ867人の参加を得た。学力,心の教育,命の教育等の問題を一元化して考える教育を推進した。また,年間を通して定期的に保護者が参画する行事を開催し,教育実践への理解に基づく連携の強化を図った。

(中学校)

教育目標に即した教育課程開発と単元開発の研究を大学教員と共同して進め,その成果を研究発表会等を通して社会に発信する。

計画の進行状況等

副学長を全体指導者とし,13人の大学教員と共同して,既存の教科と総合的な学習の時間を一体化した新教科を複数新設し,新たな教育課程の研究開発を行った。10月には延べ498人が参加する教育研究協議会を開催し,研究成果を研究紀要及び授業公開の形で公開した。3月には研究成果と課題を冊子に取りまとめ,関係機関等に配付した。

○附属学校の目標を達成するための入学者選抜の改善に関する具体的方策として,次のことを行う。

(1)入学者についての多角的な調査に併せて追跡調査を実施し,応募者増や入学者選考方法の改善に向けた基礎資料を蓄積する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,入学者に対する独自の多角的な調査を実施するとともに,学力検査や学習成績及び進学先との情報交換により追跡調査を実施した。また,学校案内パンフレットと募集用ポスターを作成し,関連諸機関や保護者への広報に努めるとともに,応募者増や入学者選考方法の改善に向けた調査を実施した。

(2)附属学校運営委員会において,各附属学校における入学者選考方式及び各附属学校への応募者の地域拡大と通学のために講ずべき措置について検討し,次年度に反映する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,学校案内パンフレット及び募集用ポスターを作成し,上越市・妙高市全域の幼稚園,保育所,小学校に配付する一方,本学大学院合格者に学校案内を郵送するとともに,上越市の広報誌に募集案内を掲載して,応募者の地域拡大等に努めた。
附属小学校では,新2年生から新5年生に限っていた3月の欠員募集を,新1年生と新6年生も上越市外からの転入者に限り受け入れるものとした。
附属中学校では,パンフレット・ポスターの配付先を,通学可能な地域の全小学校及び昨年度受検者のあった県内小学校に拡大し,学校説明会に工夫を加えて7月に実施した。
附属幼稚園では,園見学の随時受入を実施したほか,新聞等により園行事や園開放デー実施の広報を行った。
次年度への取組についても検討し,附属小学校では学校説明会の実施方法の見直し,附属幼稚園では園見学等の機会の拡大を行うこととした。

○公立学校との人事交流に対応した体系的な教職員研修に関する具体的方策として,次のことを行う。

公立学校との人事交流に対応した体系的な教職員研修に関する具体的方策について平成18年度までに検討する。

計画の進行状況等

各附属学校園とも,新潟県教育委員会と積極的な人事交流を行ってきた経緯及びこれまでの研修実績等を踏まえて,同教育委員会が主催する研修会を中心とした研修計画を策定することとした。

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このページは上越教育大学/企画・広報課が管理しています。(最終更新:2013年04月08日)

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