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大学紹介

全体的な状況

上越教育大学は,主として現職教員に研究・研鑽の機会を提供する大学院と,初等教育教員の養成を行う学部を備えた,学校教育に関する高度で理論的・実践的な教育研究を推進することを目指す教員に開かれた大学である。その目的を達成すべく本学では後述するような中期目標とそれを実現するための中期計画を定め,鋭意努力しているところである。平成17年度はその期間の2年目であり,全体的にみると年度当初に計画した事項は,順調に達成できていると判断している。

法人化のメリットを活用した大学運営を円滑に進めるための工夫として,学長を中心とした大学の新しい意志決定システムを利用し,更に,財政面で弾力性のある運用が可能となったことから,かねてからの課題であった大学院の定員充足に関し,各地での大学院説明会等の他に,昨年に続き教職員による私立大学直接訪問等を積極的に行った結果,大きな改善が見られた。

また,学長がリーダーシップを発揮するためには,学内での情報の共有化は欠かせないことから,学長が電子メールで毎週水曜日に大学運営の基本方針等を全教職員に向けて発信する「nabe-letter」をはじめ,学内LANを利用した教職員情報共有システムや,教職員間における意見交換の場を提供する電子会議室(学内フォーラム)等を利用することにより,学長と教職員間で双方向の情報伝達機能が確立され,全学的な情報の共有化が図られている。

収容定員充足に向けた教育活動の取組

国立大学法人評価委員会の平成16年度に係る業務の実績に関する評価の結果で,課題とされた大学院の定員充足に向けて,教育内容の見直し,新たな教育ニーズへの対応,教育・研究指導体制の改善や学生支援の充実,更には,積極的な広報・PR活動等の実施など,全学を挙げた取り組みを行った。

特に大学院修士課程で,長期履修学生制度(3年間で修士課程を修了)に基づく教育職員免許取得プログラム(大学院で教員免許取得が可能)を平成17年度から導入し,入学生のうち89人がこのプログラムに参加した。同プログラム受講学生には,社会人も含まれていることから,多様な人材を教員として育成するというこのプログラムの成果が期待される。

この結果,平成17年度の大学院入学者は,定員300人に対し297人となり,収容定員充足率は,昨年度の74%から86.3%に改善した。また,平成17年度に実施した平成18年度大学院学校教育研究科入学試験では,受験者463人(前年度比24.5%増)という成果を得ており,平成18年度における大学院収容定員の充足の目標が達成される見込となった。

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本学の特色を活かした教育・研究活動

実践力を育てる教育実習

本学の独創的な教育実習プランを中心とした実践的指導力の育成の実績に基づき申請した教職キャリア開発研究プロジェクト案が,「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」に採択された。(資料編:P32参照 PDFファイル [12,516KB])本学での初等教育実習(3年次)は,小学校教育現場での実習を5月の1週間(観察実習)と9月からの3週間(本実習)に分割して行うもので,観察実習の際に実習校の担当者から指示された授業計画の内容を,本実習までの期間に授業案や教材研究など十分な準備を行った上で本実習を行うこととしている。そのため,工夫された完成度の高い授業を行うことができ,実習校側からも高い評価を受けている。

本学では学部学生と大学院学生が一緒に行う授業科目として「実践セミナー」(学部科目)及び「実践場面分析演習」(大学院科目)があり,学部3,4年次生と現職教員を含む大学院1,2年次生が演習形式で授業を行っている。その中で学部学生が教育実習の授業案や教材研究などについて,現職院生からアドバイス等を受けながら準備を行っている事例も多く見られる。これは現職院生が多く在籍している本学ならではの特徴を活かした特色ある取り組みで,学部学生にとっては現職院生から直接多くを学ぶことができ,また現職院生にとっては学校現場で必要となる若手教員との協調・コミュニケーションを図る場となっており,両者ともに得るものが大きい。今年度は,特色GPにおいて策定した計画案に基づいて,分野単位でこれらの実践の充実を図った。

また,学部における教育実習の体系化を図る取り組みとして,授業科目「総合インターンシップ」を立ち上げた。これは4年次の教育実習を終了した後に,さらに教育実習校の協力を得て,時間を決めて長期的に学生が入り込み,正規の教員に近い教育現場環境の下で実践経験を積もうというものである。参加した学生は一様に大きな収穫を得たようであり,この取組はNHKでも取り上げられるなど,各方面から注目された。

実践力の養成と教育課題の解決

附属学校及び地域の学校との臨床研究の重点化を図るとともに,教育現場が抱えている教育課題を解決することを目的に,大学と学校教育現場が連携して教育プログラムの開発を目指した開発研究プロジェクト案『マルチコラボレーションによる実践力の形成』が,「大学・大学院における教員養成推進プログラム(教員養成GP)」に採択された。(資料編:P39参照 PDFファイル [11,707KB])このプロジェクトは,大学院学生・学校教員・大学教員の3者が協働して学校教育現場が抱える教育課題の解決にあたる,すなわちマルチコラボレーションを機軸とした教育プログラムの開発をめざしている。3者が協力して課題ごとのチームを編成し,長期間に渡り協力校で実践・調査活動を行い,そこで得られたデータ等を基に分析,最終的に課題解決のための教育プログラムを開発する。現在,12チームがそれぞれプロジェクト協力校である小・中学校において活動を実施中である。協力校については上越市周辺の小・中学校のうち,本学に課題解決の協力依頼があった学校の中から選択したもので,本学と周辺校との良好な関係がバックグラウンドとなっている。このプロジェクトの実現においても,本学に在籍する多数の現職院生が大きな役割を果たしており,その意味で本学独自の極めて特色のある取り組みとなっている。

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教育研究,学生支援のための組織の充実

平成17年4月に新潟県教育委員会(指導主事1人,小学校教員2人)から,学校教育総合研究センターの教育実践研究部門(教師教育総合研究分野)の充実のため採用した助教授(3年任期)は,学部学生及び大学院学生への実践教育や教育実習指導等に極めて大きな力を発揮した。

保健管理センターにおいては,メンタル面での学生の健康管理の充実を図るため精神医学を専門とする医師1人を新たに配置し,医師2人体制とした。なお,平成18年度には,大学院学校教育研究科の生活・健康系教育講座に「学校ヘルスケア分野」を新設し,同分野に兼務教員として保健管理センターの医師2人を配置することとした。

特色GP,教員養成GP,現代GPとも申請作業に当たっては,それぞれ申請ワーキンググループを組織し,採択後はそれぞれ実施委員会を組織して対応にあたってきた。これら各種GPは,大学全体の教育研究活動に大きく関わることから,情報提供から学内でのプロジェクト案決定や申請案の作成等,全体の取りまとめと,採択後の円滑な推進を図るため,新たに「GP支援室」を設置し,学長特別補佐を室長に充て総括的な対応を行わせた。(資料編:P22参照 PDFファイル [2,739KB])

大学院の定員充足に向けた取り組みの一つである,教育職員免許取得プログラムについては,履修指導,就職指導等に関して受講学生一人ひとりのニーズに細やかに対応し,学生支援体制の強化を図るため,平成18年度から「教育職員免許取得プログラム支援室」を設置することとした。また,同支援室相談員として,平成17年度末に退職する新潟県公立学校校長の採用を決定した。

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業務運営の効率化

政府の「行政改革の重要方針」において示された総人件費改革の実行計画を踏まえ,人件費削減に向けた取り組みとして,事務組織の改組等を行うこととした。
従来の,課・室の構成組織である「係」を統廃合し,一定の業務を包括した「チーム」として編成替えを行うもので,これまでの41係体制を改組し,平成18年度から16チーム体制に再編する。また,課長補佐の職名を副課長に,係長の職名を主査に改め,主査等のうちからチームリーダーを置くこととし,要員をチームとして束ねることで,より機動的かつ柔軟な対応が可能となる体制とした。また,これと併せて,教育支援と研究支援事務の一元化の観点から,総務部の所属であった研究連携室を学務部へ変更するとともに,学生支援機能の一層の充実を図ることとした。

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法人内における資源配分

平成17年度の学内予算では,戦略的・効果的な予算配分となるよう予算の重点化を進めた。具体には,全学政策経費として,大学の当面の課題である大学院の定員充足に向けた取り組みや年度計画に基づく事業を円滑に実施するための経費である重点施策経費と,学長の判断により全学的な視点から教育研究の活性化や大学運営の改善等を図るための経費である学長裁量経費に予算を重点的に配分した。

重点施策経費に研究プロジェクト経費及び競争的教育研究資金を加えた平成17年度の戦略的な経費の予算総額は2億2,600万円となり,効率化係数等により厳しい財政状況の中で,前年度予算に比べ1,500万円,7%増を確保した。

研究プロジェクトでは,一般研究と若手研究の区分を設け,臨床研究の推進のため一般研究のテーマとして「附属学校及び地域の学校との連携による臨床研究」,「オンリーワン(本学独自)のカリキュラム開発」,「教員有志の独自のテーマによる研究」について公募を行い,19件の申請のうち11件を採択し,昨年度からの継続分7件を含め,全体では18件を採択した。若手研究では18件の申請のうち附属学校園教員からの応募は15件で,そのうち6件を採択し,全体としての採択は9件となった。特に附属学校園教員の研究プロジェクトに対する意識が極めて高いことは,大学と附属学校園との連携の良好さを示すもので,協力して教育現場の課題を解決しようとする姿勢の現れであると認められる。(資料編:P7,P8参照 PDFファイル [2,434KB]

競争的教育研究資金の配分については,これまでも教員に対する配分基準として,教育,研究,地域貢献,学内貢献などを柱としていたが,今年度は新たに本学の特色である教育に関する臨床研究などを柱とした評価の基準と観点を検討した。教育研究指導などが教育実践へどの程度関わっているかに応じて比重を変えるなどの方針を基に,新たな競争的資金の配分方針,配分比率等を「平成17年度上越教育大学競争的教育研究資金の配分基準について」として決定し,試行的に1,400万円を配分した。(資料編:P9参照 PDFファイル [12,614KB]

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財務内容の改善・充実

本法人の運営の基盤となる授業料等の自己収入を安定的に確保するためにも,大学院の定員充足は最も重要な課題であり,平成17年度に改善された状況を今後もさらに高めていくための様々な取り組みを行う必要がある。

また,同様に本学の教育・研究を充実し,活性化させていくためには,各種競争的資金の獲得がますます重要となり,特に,文部科学省が行う大学教育改革の支援プログラム(GP)に組織的に対応するため,申請の総括及び採択された事業の円滑な推進等を図ることを目的に,前述した「GP支援室」を設置した。(資料編:P22参照 PDFファイル [2,739KB]

科学研究費については,全教員へのグループウェア等による情報の周知,説明会等の啓発活動を充実させた結果,43件で60,050千円が採択され,平成16年度と比較すると採択件数及び採択金額ともほぼ同様で,教員養成系大学の中では高い水準を維持している。

管理的経費の抑制については,これまで行った内容を更に検証し,暖房運転期間の短縮による節減(前年度比△113万円,△13%),清掃業務の契約内容見直しによる節減(前年度比△69万円,△6%),警備業務の契約内容の見直しによる節減(前年度比△74万円,△4%),附属学校給食従事者衛生検査業務の契約内容見直しによる節減(前年度比△14万円,△49%),年次報告書の電子化による節減(前年度比△126万円,△100%),冊子小包の郵便局から宅配業者への変更による郵送料の節減(前年度比△55万円,△24%)等を実施した。(資料編:P53参照 PDFファイル [1,166KB]

また,光熱水量の節約については,メールによる学内への節電の協力依頼や空調デマンド管理制御装置を活用し電力使用量の抑制に努めるとともに,照明の人感センサー増設,昼休みの事務室消灯,エレベータの使用制限の実施等種々の方策を実施した。

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自己点検・評価及び情報公開

国立大学法人評価委員会の平成16事業年度に係る業務実績評価の結果において,「年度計画では,『自己点検・評価の位置付けや評価基準・内容・対象・方法等を検討する』にとどまっており,更なる取り組みの推進が期待される。」とされた自己点検・評価については,これまでの規則を平成16年度に見直し,新たな自己点検・評価規則,評価基準及び観点・指標を制定し,平成17年4月から施行した。(資料編:P55,56参照 PDFファイル [3,746KB])同評価規則等は,法人評価及び認証評価等の外部評価にも対応し,国立大学法人組織に適合した評価結果のフォローアップサイクルを定めるとともに,評価基準等では,新構想の教育大学としての社会的使命を,中期目標・中期計画に則して一層明瞭にするため,観点等の作成に工夫を凝らした。

平成17年度は,新たな自己点検・評価規則に基づき,「教育内容及び方法」,「正規課程の学生以外に対する教育サービスの状況」に関する自己点検・評価が完了し,改善に向けた取り組みに着手した。
さらに,上述の年度評価の結果については,直ちに本学が作成した実績報告書とともに本学ホームページに掲載して学内外へ公表する一方,教育研究評議会,経営協議会及び役員会において,当該評価結果について確認し,自己点検・評価規則に基づき改善に向けた取り組みを行った。

また,昭和60年度から実施している各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価については,平成16年度における実績を対象に実施し,年次報告書(第20集:平成16年度版)として本学ホームページに掲載した。
大学の情報発信の中心的役割を担う本学ホームページは,本学の主要活動分野に関する情報をわかりやすく提供できる構成に改訂し,平成17年度採択事業である特色GP及び教員養成GPに関する情報を新たに発信するとともに,大学の活動状況及び大学教員に関する教育研究活動全般のデータを,教育研究スタッフのプロフィールとして掲載するなど,内容の充実に努めた。(資料編:P58参照 PDFファイル [2,023KB]

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危機管理への対応

本学に在籍する園児,児童,生徒及び学生をはじめ教職員等に対する安全管理・防犯対策に万全を期すため,まず,平成17年4月に室長(課長級職員)を配置した「附属学校事務室」を新設(資料編:P22,23参照 PDFファイル [2,739KB])する一方,災害予防,防犯,実験・実習時の心得等が記載されている「安全の手引」や防災等のマニュアルについて見直しを行い,学生,職員等に配付した。

平成17年冬の20年ぶりとなる記録的な豪雪においては,平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震に際して設置した「災害支援室」(資料編:P80参照 PDFファイル [1,582KB])が中心となり,職員は早朝から,各施設の非常口,消火栓等の除雪及び消雪パイプの点検を行い,施設の安全確保に努めるとともに,学内に除雪ボランティアの協力を呼びかけ,学生と教職員が一体となり,本学附属小学校,中学校,幼稚園に対する除雪作業を実施した。

同支援室は,平成17年度においても,地震で児童や校舎に大被害を被った小千谷市立東山小学校への学習支援を継続して行い,同校が復興の趣旨も込めて計画した学習発表会へ大学教職員,大学院学生及び学部学生を派遣し,造形作品「宝の木」の制作,「錦鯉の歌・闘牛の歌」の編曲及び振付け指導などの支援活動を実施した。

さらには,上越市との連携を図り,地震,大雨等の災害及び大規模な火災による被害が生じた場合などに,附属小学校,附属中学校及び大学を一時的な避難場所とすることについて協議を重ね,平成18年3月に「上越市地域防災計画等に基づく避難所の開設等についての覚書」を締結した。

以上,平成17事業年度における本学の年度計画に対する全体的な状況をまとめた。最初にも述べたように,全体的にみると年度当初に計画した事項は,順調に達成できていると判断している。

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このページは上越教育大学/企画・広報課が管理しています。(最終更新:2013年04月08日)

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