数学と職業


 コブ先生らの教授実験に関るインタビューで、相談室のような部屋を使う機会があった。小さ目の教室程度の大きさで、職員の方のコンピュータや机があり、専任の職員と思われる方が2名仕事をしていた。奥にはドアのついた小さい部屋があるようであり、また一角が本棚で仕切ってあって、そこにテーブルがある。壁には、様々なポスターがはってあるが、そこには "I will ...because I can" (やればできる), "There's nobody like you" (かけがえのない君), "Attitude is a little thing that makes a big difference" (態度はちょっとしたことでも大きな違いを生む), "You are not finished when you lose. You are finished when you quit" (負けても終わりではない。止めたときは終りなんだ)などと書かれている。一方の本棚のところには大学のパンフレット (ちなみにこの学校は8年生までしかない) が集めてあった。また別の本棚には、「自尊心」「問題解決」「時間の賢い利用」などのタイトルの薄いパンフレットが集めてあったが、親としての子どもへの対応の仕方、離婚に直面した子どもの支援の仕方などのパンフレットもあり、相談の相手は親なども含まれていることをうかがわせる (親向けのホットラインの電話番号の書かれたカードなども置いてあった)。

 そのポスターの一つに、「教科に関る職業」というものがあった。American College Testing (ACT) によるポスターで、国語、自然科学、数学、芸術、社会科、外国語の各領域について、それぞれに関る職業が列挙してある。数学の部分にあげられている職業は次のようなものであった (誤訳があるといけないので英語のまま記す);

自分の受けてきた教育の中では、各教科がどのような職業につながる可能性を持っているのかといったことは、あまり問題にされなかったように思うので、このポスターは面白いと感じた。今後、算数・数学を学ぶ意義が問題にされたときに、こうした職業との関わりを考えていく必要はないであろうか?
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