上越教育大学 教員養成GPプロジェクト
プロジェクトの特色

マルチコラボレーションによる実践力の形成

 本学の教員養成GPには、次の3つの特色があります(下の図もご参照ください)。

(1) マルチコラボレーション方式による学び

 そもそも教職は、学年部や校務分掌に見られるように協働によって成し遂げられる仕事です。最近では、少人数教育や総合的な学習の時間などで協働の機会が増すとともに、協働的な子どもの学びを組織する資質も求められています。
  そのような協働を進めていく力量をつけていくためには、現職院生と学卒院生、院生と協力校の先生方など、立場の異なった者同士の協働を実際にやってみることが有効でしょう。同時に、学卒院生は「教師のように考え、行動する」教職の専門性について学べますし、現職院生は、思考様式の異なる学卒院生との協働によって自らの実践を省察する力を高めるとともに、後進の学びをサポートするコーチングスキルをも向上させられるのです。

(2)実践現場での学び

 これまでの大学の教育内容は、学校の現実とは必ずしも密着していない知識や技能が中心でした。それに対し、本プロジェクトでは、学校現場での支援活動が教育内容の中心であり、刻々と変わる現場の状況におけるすべての経験が、そのまま学校現場の課題に対応する実践力や、リーダーとして実践づくりを指導していく力を培う教育内容となるのです。

(3)省察と発信による学び

 教師には、自分たちの学校での営みを振り返り、状況に応じて絶えず新たなものに作りかえていく力量が求められています。しかし、忙しい学校現場では日々の教育活動に追われて振り返る時間がとれず、力量を高める機会も失われているのが現実です。そのため、本プロジェクトでは、学校現場の支援活動を通して学んだことを省察し、省察したことを分かりやすく再構成し、伝達する機会を提供しています。

図 本プロジェクトの3つの特徴と涵養される資質能力