★ 定義

中学校の数学では全般的に 仕組みに 着目し、
図形の学習でも、 形の持つ「仕組み」を話の出発点
として、ルールにしたがってストーリーをどんどん
進めていくのでした。
そして、形についての基本的な「仕組み」についての
情報が、定義だと説明しました。

例えば平行四辺形を小学校で学習しましたので、
「平行四辺形」という言葉をきくと、その形を
だいたいイメージできることでしょう。そして
算数で調べたように、平行四辺形では向かい合う辺は
2組とも平行になっていますし、向かい合う角も
2組とも等しくなっています。向かい合う辺どうしは
長さも等しくなります。対角線は互いに2等分しています。
平行四辺形はこんな性質をもった形でした。

数学では形についても気持ちを切り替えます。
「平行四辺形」とは、
「向かい合う辺が2組とも平行になっているような四角形」
という仕組みのことだと考えます。そして、この仕組みから
出発してどんなことがわかるかを考える ゲーム
改めてスタートさせます。 この仕組みのかくされた情報を
さぐったり、この仕組み自体の性質をつきとめたりするのです。

つまり、算数では形の性質の1つであった
「向かい合う辺が2組とも平行になっている」
ということが、形の本質をずばっと捉えているということで、
「だったら、この仕組みのことを『平行四辺形』と呼ぼう
じゃないか」ということになり、ゲームの出発点として
めでたく採用されたのが、平行四辺形の定義なのです。

このように形の本質的な仕組みを定義として、改めて
設定すると、「平行四辺形とは何か」をみんなで共有しやすく
なるので、ゲームの出発点としても適しています。
また、 許されたルール も 適用しやすくなり、したがって
ストーリーも展開しやすくなります。

それぞれの図形の定義を調べて、算数で学習した
どんな性質が本質的な仕組みとして採用されているかを
味わってみてください。そして、その出発点とした
仕組みから、本当に許されたルールだけを用いて、
ほかの性質を見つけ出すことができるのかを、
考えてみてください。