★ 方程式と関数

例えば  3x+2  という式を考えて見ます。気持ちを切り替えて、
こうした式も 数の「仕組み」の表現 であると考えたのでした。
ただ、「仕組み」の一部に 数字で表せない 部分がある時には、
x という文字を使うのでした。

この x にいろいろな値を 代入して みると、それに応じて
3x+2  の値が決まります。ですから、 3x+2 は  x の 関数
あると言えます。 (気になる人は、今の式 3x+2 を y と表す
ことにして、つまり y=3x+2 だと考えて、y は x の関数だと
言えばよいでしょう)

このように、 3x+2  の値は x の値に応じて いろいろな値に
なりますが、ここで追加の情報が得られたとします。
例えば、「どうも  3x+2  の値は 6.5 らしい」という情報が
入手できたとします。すると、 x の値はなんでもいいという
わけにはいかなくなります。実際、x=1  や x=2 を代入
しても、3x+2  の値は 6.5 にはなりません。

このように、式の値について情報が加わり、 3x+2 =6.5  と
表されるようになり、 x の値により等式が成り立ったり、
成り立たなかったりするようになると、この等式は方程式に
なります。

他に「今の式  3x+2  と別の式  5x-7  が同じ値になる
そうだ」といった情報が加わり、 3x+2 =5x-7  と表される
ようになると、 x の値により 等式が成り立ったり、
成り立たなかったりするようになります。なので、この等式も
方程式です。

このように、式の中の x にいろいろな値を 自由に代入する
ことのできる時は関数の話になり、情報が加わり等式で
表されるようになって少し自由度が下がり、
そのため、x の値により 等式が成り立ったり、成り立た
なかったりするようになると、方程式の話になります。

でも、同じ文字式に関わることなので、関数と方程式は
持ちつ持たれつ
の関係にあります。関数で  3x+2 
の値が 6.5 になるのは  x の値がいくつの時かを調べる
際には、方程式が役に立ちます。
逆に、 3x+2 =6.5  という方程式を考える時に、
関数  y=3x+2  で y の値が 6.5  となる時ととらえなおし、
その時の x の値をグラフや表を利用して求めることもできます。
要するに  3x+2  といった式の値について、その変わり方に
注意を向けるか、それとも
それが特定の条件を満たす時に注意を向けるかの違いで
しかありません。まずは代入などにより式の値について
イメージをふくらませ、 その上で、その場その場の目的に
応じて式とつきあっていきましょう。

ちなみに、 3x+2 =3(x+ 23) といった等式の場合も
あります。この等式は、どのような x の値の時でも
成り立ちます。この等式は、左辺と右辺とが同じ数の
異なる表現となっているというメッセージを伝えようとして
いるのです。なので、左辺を右辺で置き換えても、右辺を
左辺で置き換えもいいことになります。恒(つね)に等しい
式なので恒等式と呼ばれたりします。この時も、 x に
いろいろな値を代入してみると、その恒等式が伝えたい
メッセージが見えてきます。