上越教育大学大学院 学校教育研究科 学校教育専攻
発達支援教育コース(学校ヘルスケア)

平成21年「学校保健安全法」が施行されました。この法改正によって、それまで実質的に拡大してきた養護教諭の職務が整理され、法的根拠が付与されました。それが、以下の5本柱です。
  1) 保健管理
  2) 保健教育
  3) 健康相談活動
  4) 保健室経営
  5) 保健組織活動
これらは、児童生徒の生活実態等を起点として、形態や進め方が形作られます。そのため、実態に即した実践の構築と展開が求められ、それが学校保健活動における中核的な役割やコーディネイト能力の発揮と大きく関連します。

養護教諭免許

養護教諭の「普通免許状」には下表のように「専修免許」「一種免許」「二種免許」の3種類があります。都道府県の教員採用試験の募集要項には、「普通免許状を有する者」とあり、特にどの免許種が有利であることではないようです。ただし、上級免許状の取得に向けて努めること等の自己研鑽は、教育公務員として欠かせません。

免許種 基礎資格 取得できる学校
専修免許 修士 大学院修士課程修了 全国54大学1)
一種免許 学士 4年制大学卒業
特別別科終了
専攻科修了
全国122大学(通信課程4大学)
全国6大学
全国5短期大学
二種免許 短期大学士 又は
文部科学大臣の指定する
養護教諭養成機関を卒業
短期大学卒業
保健師養成課程卒業

全国13短期大学


1)専修免許が取得できる全国54大学のうち、教育系大学は本学を含めて18大学です。
詳細につきましては、文部科学省のホームページでご確認下さい。

学校ヘルスケア領域で学ぶ意義

♣現職養護教諭の方へ
現職養護教諭の先生方は、学校ヘルスケア領域で学ぶ利点はたくさんあります。

・学校組織の在り方や各種専門機関等との支援体制、カリキュラムの見直しを図ることができる
・これまでの実践、経験から得られた知見を学術的に吟味できる
・教育学や近接学問領域の諸理論を学び、省察に必要な視点、思考を得ることができる
・これまでの実践を省察し、理論の構築に取り組むことができる
・学会発表をしたり、論文投稿にチャレンジしたりする
・養護教諭を志す若い学生とともに学び、新鮮な視点や熱意に触れられる
・現職教諭や栄養教諭等(志望学生を含む)と、専門性や立場の違いを超えて学び合う
・指導的立場(教育委員会指導主事や養護教諭養成大学の教員として)への転身の準備、基盤づくりができる
・新たな教員免許状を取得できる(中学校・高等学校(保健)

以上のように、学校現場や各種現任教育のなかでは十分に実現することができない学びができます。

♣養護教諭養成大学等を卒業し、養護教諭一種免許状を取得する予定の方へ
養護教諭を志し、現在、大学等の養成機関に在籍している皆さんは、学校現場にいち早く出て、実践経験を積みたいと考えていらっしゃることと思います。日々の実践を通した経験学習は極めて大きな意義を有していますが、学校現場では十分に学ぶことのできない事柄もあります。学校ヘルスケア領域では、それらの事柄を体系化したカリキュラムをつくっており、ストレートマスターの皆さんが、学校ヘルスケア領域で学ぶ利点はたくさんあります。

・養護教諭に求められるより専門的な知識・技術を習得できる
・教育学や近接学問領域についての学びを深める
・児童生徒等の健康課題や養護教諭の職務等を多元的な視点から再考し、その後の実践に生かすことのできるようなアプローチ方法を検討、吟味できる
・学部時代に取り組んだ卒業研究(卒業論文)のテーマを掘り下げて思考・探究できる
・学会発表をしたり、論文投稿にチャレンジしたりする
・現職教諭、養護教諭、栄養教諭の先生方から学ぶことができる
・養護教諭として、学校現場に出るうえでの自信を得ることができる
・新たな教員免許状を取得できる(中学校・高等学校(保健))
・教員採用試験に向けた手厚い指導が受けられ、合格を目指した対策ができる

以上のように、将来、養護教諭として学校現場で活躍するために必要な専門的かつ高度な知識・技術を習得することができます。

♣養護教諭一種免許状を保有しながら、他職種等として職業・社会生活を送っている方へ
すでに養護教諭一種免許状を取得していらっしゃるものの、現在、他の職種等としてご活躍されていらっしゃる方、あるいは、いったんお仕事から離れておられる方もいらっしゃることと思います。大学・大学院等での生涯学習がますます促進されている現代、こうした方々も、学校ヘルスケア領域で学ぶ利点はたくさんあります。

・健康の視点から、現代の子ども達が抱える生活や発育・発達上の課題を再考する
・最新の知識・技術を学び直すことができる
・教育学や近接学問領域の諸理論を学ぶ
・これまでの多様な実践、経験から得られた知見を学術的に吟味する
・これまでの実践を省察し、理論の構築に取り組む
・学会発表をしたり、論文投稿にチャレンジしたりする
・現職教諭や栄養教諭等(志望学生を含む)と、専門性や立場の違いを超えて学び合う
・新たな教員免許状を取得する(中学校・高等学校(保健))

以上のように、学び直しにおいても有用な機会です。

♣大学院進学に関するお問い合わせについて
大学院での教育・研究内容や大学院入試に関するご質問等に関しましては、教員スタッフ紹介のページにあります各教員宛にメールにてお問い合わせ下さい。
学校ヘルスケア領域の充実した教育・研究施設を見学希望の方は、大学HPに掲載されています本学が主催する大学院説明会にお越しいただき、大学や施設の様子などを直接ご覧いただくことをお勧めします。また、大学院説明会の日程以外であっても、ご希望があれば、大学院施設見学を対応いたします。
また、学校ヘルスケアの教員スタッフや在学生が大学に出向いて大学院紹介等の説明する機会を設けることも出来ますので、是非ご連絡下さい。

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