4.ピッツバーグの都市再開発
(1) ピッツバーグにおける都市問題
鉄鋼業で繁栄したピッツバーグであるが、都市問題も鉄鋼業から由来した。一つ目は製鉄所から吐き出される煤煙が、街中を覆う大気汚染問題である。ダウンタウンにおいてさえ、昼間にもかかわらず点灯しなければいけない実態から、ピッツバーグには「煙の町(smoky city)」とのあだ名もつけられた。二つ目は大量の労働者の住宅確保の問題であり、良質な居住地区を形成する必要性である。三つ目は、移民労働者に対する教育・社会環境整備の問題であった。これらは第二次世界大戦前から存在した都市問題であったが、ピッツバーグ発祥の地であり、古くから栄えたダウンタウンの地区の建物の老朽化もその後都市問題化していった。そして第二次世界大戦後、ダウンタウン地区の衰退がみられるようになり、都市再開発が実施されることとなったのである。
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