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大学院入試について
 修了生(臨床心理士資格取得者)のことば
 山梨県立甲陽学園 福祉司 櫻井広太

 私は上越教育大学大学院発達臨床コース臨床心理学分野(現:臨床心理学コース)を修了後、山梨県の福祉職採用試験を受験し、今春から県立の児童自立支援施設で働いています。仕事は、寮生活をしている子どもの生活支援業務であり、子どもたちとの日常の生活を通して、生活の中での関わりから子どもたちの自立を支援しています。
 大学院時代は、2年間という短い期間でしたが、とても内容の濃い時間を過ごしました。講義や自己学習によって知識を習得することは言うまでもありませんが、学習の3本柱として、修士論文、病院実習、心理教育相談室での研修があり、それらの学習を通して、臨床心理の仕事に携わる者としての基本姿勢を身につけることができたように思います。これらの学習全てに共通することは、常に自分が抱えている課題がそこに反映されており、スーパーバイズや修論指導を通してそれらに直面化し、改善するための努力をしていくことが重要だということです。教員によるスーパーバイズは、自らの課題を真正面から見つめる場であり、それはとても大変な作業でした。しかし、その作業に熱心に関わって下さった教員や、ともに学習した仲間のサポートのおかげで、自分の課題を意識化することができたと思います。その時の経験は、現在の仕事の困難さをも乗り越えさせてくれているように感じます。


 新潟県阿賀野市立赤坂小学校 教諭 金平 弘之郎

 私は、小学校教諭として、上越教育大学大学院発達臨床コース臨床心理学分野(現:臨床心理学コース)に派遣され、2年間、とても多くのことを学ばせていただきました。今、教育の世界は、学力の向上のみならず、様々な課題を抱えています。その中でも児童・生徒の心の問題は、教育分野での大きな課題となっています。そこで、その課題を解決する役割として、心理臨床の知識・経験のある人材が教育界に求められています。今、その責務を担い、校務はもとより地域に貢献できるように支援方法の充実、地域での組織の連携促進に励んでいるところです。
 大学院時代は、2年間という短い期間でしたが、このコースで教師という視点とは異なった見方・考え方を養えたことが、今現在の教師としての自分の幅を広げていると感じています。在学中は、当初、教える・指導するという立場の仕事を続けてきていたため、人を支える・援助するという基本姿勢を受け入れることにとても苦労しました。仲間同士で熱い議論を交わしたこともありました。その過程で教員の指導を受けながら、自分自身を見つめ直し、自身の課題も見えてくるようになりました。これは、多くの知識を得ることよりも貴重な収穫となりました。
 この2年間は決して楽ではなく、厳しい毎日でしたが、おかげで臨床心理に携わる者としての基本姿勢が得られ、その後も教育の場のみならず、医療・福祉等、様々な分野の方と交流し、研鑚できる機会を得られたことは大きな財産だと思います。

 しかし、教育の分野では、心理臨床に対する認識はまだまだ乏しいのが実状です。これからも本コースで学ぶ教員が増え、その方が現場へ戻り活躍され、教育界の直面している問題が改善されていくことを期待しています。