無機分析化学実験室で、どんな実験をしているの?

○川、池や地下水、あるいは底質などの微量元素の分析、 CODやBODなどの水質指標の測定、 濃度の概況を調べたり、季節変動を調べたりなどを行っています。

○理科や環境教育関係の教材開発もします。自作の吸光光度計(兵庫教育大学名誉教授、山下伸典先生との共同研究)で環境試料を分析できるかを検討したりもします(自然環境を理解するための理科実験の開発)。

○また金属イオンと有機分子を、水熱条件(密閉容器中で100度以上に加熱された水溶液) で反応させ、どのような化合物が形成されるかなども検討しています。

 以上の活動は常に、教育にどのように役に立つのか、 (新しい資質・素養を持った教員の養成になるか、新しい実験や  カリキュラムの提案になるか、など) を念頭において推進されています。

 本研究室では、 教員としての理科分野の「確かな学力」を備えた先生の養成、充分な実験技術と安全管理技術を有する先生の養成をめざしています。(危険物取扱者資格や毒物劇物取扱責任者資格取得を奨励します。)
 物質科学的側面、特に環境化学の側面から環境教育を理解し推進するのはもちろん、関連法規や環境保全のための技術についても広く理解したうえで環境教育を推進する先生の養成をめざしています。(公害防止管理者資格(水質関係)取得を奨励します。)
 上記に関連する理科や物質科学的側面から環境教育の充実を目指した実験教材の開発も行っています。





無機分析化学研究室が実験室で使用する主な装置類

多項目水質モニタリングシステム

可視・紫外分光光度計

黒鉛炉原子吸光分析装置

○ICP発光分析装置

○イオンクロマトグラフ分析装置

赤外吸収スペクトル測定装置

その他、蒸留水/イオン交換水製造装置、超純水製造装置、
各種センサー(溶存酸素その他)など。







 様々な装置がありそれらを使用します。それらは各々その「世界」を
もっており、扱うためにはそれなりの勉強とトレーニングと経験を必要とします。
各々の装置は近付き難いもののように思えますが、その本質的な部分はあくまで
人間の「五感」を拡大し、延長するためのものがほとんどで、人間の感覚を
基本にして理解しようとすると、実はとても理解しやすいことをしているのです。
 また、装置を扱うのは高級な活動に見えますが、そうではありません。 
 実験で一番大切な技術は人間が行う一つ一つの「化学操作」です。
 またもっと大切なことは、研究を進めたり、実験室で試料の性質に応じて処理方法を検討したり、分析結果を
検討するなどの際に必要な「化学(科学)知識」、「観察力」、「合理性」そして「センス」です。
 粘り強く取り組む姿勢も必要です。
 実験室での課題は極めて狭い範囲の問題ですが、課題に取り組むことによって
これらを磨き、身に付けてゆくことが一つの大きな目標です。(結果が明確に出ますので、
自分の判断の是非が良く判ります)。
 このことは別に本研究室でなくても、全ての実験(観察)を行う研究室、なかでも「教科専門」の研究室
で培われる能力であると考えています。