上越教育大学 教員養成GPプロジェクト

小学校英会話を支援する国際理解カリキュラムの開発研究

取組の概要

タイトル

小学校英会話を支援する国際理解カリキュラムの開発研究

取組教員 北條 礼子
研究の背景  文部科学省による「平成16年度公立小・中学校総合的な学習時間の実施状況の調査」の結果をみると全国の公立小学校の79.2%が国際理解をテーマに選択し、さらに国際理解を実施する学校のうち64.8%の小学校が外国語会話を取り入れている。しかし、国際理解というテーマを掲げながら、その内実は国際理解の面は軽視されがちで英語活動のみを実施してる小学校が多いものと推察される。他方で国際理解を扱う授業が行われている小学校でも、その内容はALTや地域の外国人が自国の食べ物、遊びなどを紹介するものがほとんどであろう。このような内容は、ややもすると表面的な体験で終わってしまうことが多いと考えられる。また、本学に上越市近隣の小学校から英語のゲームを楽しむだけで国際理解になるのだろうか、という疑問も寄せられている。さらに本取組では、特に高学年において他教科関連の題材を用いるCRI(Content-Related Instruction)のアプローチも取り入れ、表層的なものにとどまらない内容の学習カリキュラムの開発を目指す。以上より、必要であれば英語をツールとして可能な限り用いながらも、内容が表層的で終わらない国際理解のための学習活動カリキュラムを開発することにより、小学校英会話を補完するばかりではなく国際理解教育の一層の充実が図れるものと判断できる。
  今回のプロジェクト協力校は英会話として小学校英語教育を実施しており、国際理解教育を実施している状況にはない。そこで、以上のような内容の授業は協力校の児童の視野を広げるための幅広い学びの支援となりうるものと考えられる。
研究の目的  本取組教育課題の目的は、小学校において英語に重点が置かれる際に、扱われる機会が少ない国際理解教育の面に焦点をあて、英語学習だけではなく、児童にとって有意味な国際理解教育のための学習カリキュラムを開発することである。このカリキュラム開発研究では、現実的に実践可能という観点から、(1)国際理解のテーマに沿いながらも英語の色合いが強いもの、(2)国際理解と英語活動がほどよく混合されているもの、(3)英語より国際理解の内容が濃いものという3種類から成る学習カリキュラムの開発を目指した。